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STUDY ABROAD REPORT 留学レポート

≪Study Abroad REPORT≫ オランダ・ハーグ応用科学大学Vol.9/外国語学部英米語学科4年 守田陵汰さん/〝緊急事態に備える勧告〟で考えたこと

つい最近、オランダ政府は国民に対して「緊急事態に備えて72時間分の食料や水などを備蓄するように」と勧告しました。平和で安定しているというイメージが強いオランダでこのような勧告が出たことから、世界情勢の変化をさらに強く感じるようになりました。


▲日本から友人が遊びに来てくれました(右が守田さん)

特に米国でトランプ大統領が就任して以降、世界全体が大きく揺れ動いているように見えます。MAGA(Make America Great Again)やUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)などの言葉が世界中で注目され、授業内でもトランプ大統領の発言や方針への賛否を含めて、しばしば議論が起こるようになった気がします。

このような議論が、授業の中で自由に行われること自体、日本ではあまり見ないように感じます。


▲ヨーロッパでは3月30日からサマータイムが始まりました

オランダはヨーロッパの中でもリベラルな国であり、多様性や包括性について学ぶ授業が多いという印象を持っています。DEI(Diversity, equity, and inclusion)を前向きに扱う内容が中心で、LGBTQや移民、ジェンダーなどに関する議論も日常的に行われています。まさにトランプ大統領が否定的な分野です。

一方で、ヨーロッパ全体を見渡すと、ポーランドやハンガリーのように保守的な傾向の強い国も存在します。ヨーロッパが必ずしも同じ価値観で統一されているわけではないということを、授業や日常生活を通じて実感します。

現地の友人にトランプ大統領についてどう思うか尋ねたところ、「政策のやり方が極端でひどい」という否定的な意見がある一方で、「外交面では成果を出しているし、人には適材適所があるから結果としては良い」と評価する声もありました。支持・不支持がはっきりと分かれる姿は、アメリカ国内の分断だけでなく、国際的にも広まっています。

また、SNS上ではグローバリズムに対抗する意見やナショナリズムを支持する主張も目立ってきています。さまざまな意見を見ることができる瞬間です。


▲ハーグでも桜が咲きました

このような状況を踏まえたとき、私たちは世界で起きていることをどう解釈していけばいいでしょうか。

日本にとって、アメリカやヨーロッパの動向は少し距離のある話に思えてしまうことが多いものです。しかし、実際には日本は密接に関わっています。国外に身を置いているからこそ、日本にいるだけでは見えにくい視点から世界の変化をとらえることができると感じています。

もりた・りょうた/徳島県出身。高校2年までは化学と数学が得意で薬剤師を目指していた。徳島県立城南高校を卒業し、2022年に関西外国語大学入学。2024年8月からオランダ・ハーグ応用科学大学で留学生活を送っている

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