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英語キャリア学部の滝川好夫教授が、国際文化研究所公開講座で「どうなる日本・世界の経済・政治・社会」をテーマに講演しました
長年にわたって低迷する日本経済をメインに政治や社会について考えようと10月10日、英語キャリア学部の滝川好夫教授が、国際文化研究所の連続公開講座で「どうなる日本・世界の経済・政治・社会」をテーマに講演しました。
▲日本経済が置かれている厳しい状況についてデータを基に解説しました
この日は第1回の「日本編」で、オンラインを含めて40人が参加しました。第2回の「世界編」は11月7日に開催します。
滝川教授はまず、1990年からこの30年間の日本経済について概観しました。
需給ギャップなどのデータを基に「需要が供給を上回る好況はわずかしかありませんでした。現在の30歳ぐらいの人は不況しか知りません」と話し「政府の景気の物差しと国民の物差しが異なるため、肌感覚で好況を感じることができませんでした」と分析しました。
▲この30年間の日本経済について分析しました
また、平成の30年間で競争力の世界ランキングが1位から31位まで低下したことなどを挙げて「高度経済成長は相殺されて日本経済は振り出しに戻りました」と説明しました。
次に、30年前は5%近くあった潜在成長率が1%以下に低下しているデータや、過去30年間で欧米では1人当たりの賃金が大幅に上昇しているのに日本はほぼ横ばいを続けているデータなどを示しました。
滝川教授は「日本では熱意あふれる社員が減って、〝つくる〟能力が落ち込んでいます。日本人が変わらないと日本経済は立ち直れません」と述べたほか「他の国から見たら日本は物価が安い国、貧しい国になっています」と指摘しました。
▲「日本人が変わらないと日本経済は立ち直れません」と強調しました
このほか、物価変動や国際収支、円安などのデータを示して、現在日本が置かれている厳しい状況を解説しました。
参加者からは「日本の借金はどの程度心配しなければならないのか」「円安はどうすれば歯止めがかかるのか」「民主主義の機能不全について聞きたい」などといった質問が出て、滝川教授が丁寧に分かりやすく答えました。