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国際日本学科(外国語学部)日本の価値ある情報伝える/2024年4月スタート/日本語教授法
国際日本学科は、高い英語運用能力と日本の伝統文化や現代文化の深い知識のほか、日本の価値ある情報を伝えるコミュニケーション力を身に付けることを目指します。
在留外国人は過去最多の300万人を数えます。外国人就労者やその家族が、日本人と共生できる地域コミュニティーづくりは待ったなしです。
ことばの習熟は異文化共生の大きなカギの一つです。特に子どもの就学には大きな壁があります。異なる価値観や異なる文化を十分に理解した日本語の指導者を増やしていくことは喫緊の課題といえるでしょう。
国際日本学科は、地域コミュニティーで外国人材を支援する公務員やNPOスタッフ、日本語指導者、さまざまな文化、社会的背景を持った人たちとともに働くグローバル企業を目指す人に貴重な学びの機会を提供します。
■日本語教授法/日本語学習者に寄り添う
日本語が母語ではない人に日本語を教えるということはどういうことなのでしょうか。普段の生活で日本語を使っている人であれば、比較的やさしそうに見えるかもしれません。
実際はどうなのでしょう。
日本語教授法を、基礎中の基礎から指導する川光真二助教の授業をのぞいてみました。川光助教の授業は、2~3人でのグループワークが中心です。
■外国語をペラペラ話すとは?
「外国語をペラペラ話すというのはどういう状態か」というテーマで、各自がまとめたレジュメをもとにディスカッションし、お互いを評価し合います。
「相手とスムーズに話せる」
「自分の意見を伝えることができる」
「母語話者並みの会話力をつけることは無理」
「ペラペラの定義は人によって違う。自分が立てた目標を達成することが大切だ」
「ペラペラとしゃべれるようになりたい」と話す人がいますが、この〝ペラペラ〟が曲者であることが分かってきます。
別の授業で川光助教は、テキスト「新・はじめての日本語教育2」の中から、日本語教師の主な役割を7つ挙げました。
①教育計画を立てること
②日本語を紹介すること
③定着のための練習を指導すること
④コミュニケーションの相手を務めること
⑤学習者の不安に対応し心理を把握すること
⑥教材や指導方法など、教育を評価すること
⑦出欠の記録や成績表の作成など、教育を管理すること
日本語自体を教えることもさることながら、日本語学習者にいかに寄り添っていくかが大きな課題であることを示します。
■コースをデザインするとは?
別のグループワークでは「コースデザイン(授業計画)」がテーマになりました。川光助教は、「外国から来た人に、〝日本語を教えて〟と言われたとき、みなさんなら、〝どんなこと〟を〝いつ〟やりますか。4段階に分けて具体的に考えてみてください」とグループワークを設定しました。
そして、学習者のことを知ったり、受け入れ側について調べたりする必要があることも強調しました。
「学習者がどんな場面で日本語を使わなければならないのか」「その場面では、読む、書く、聞く、話すのどの技能が必要なのか」といったニーズを調べて分析したうえでなければ、「コースをデザインすることは難しいのです」と付け加えました。
川光助教は「良い教育とは何か、教員の仕事とは何かを考えながら、コースをデザインします。教員はデザイナーともいえます」と話しました。