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外国語学部の谷口さんが人型ロボットとAIを活用したスペイン語会話の練習システムについて学会発表しました

 人型ロボット「Pepper」と生成AI「ChatGPT」を組み合わせることで、スペイン語会話の学習効果をアップさせようと、外国語学部スペイン語学科3年の谷口奈智子さん(英語&デジタルコース)ら3人が、8月27日から3日間、明海大学(千葉県浦安市)で開催された「第49回教育システム情報学会」の全国大会で研究成果を発表しました。


▲教育システム情報学会で発表する谷口さん

 発表のテーマは「人型ロボットと生成AIを活用したスペイン語会話学習システムの検討」で、谷口さんのほかに、スペイン語学科3年の木村遼飛さん(英語&デジタルコース)と、平良隼資さん(グローバル言語&文化コース)も研究に参加しました。この研究では、産学連携プロジェクトの一環としてソフトバンクから人型ロボットPepperを提供してもらい、取り組みました。


▲人型ロボットの「Pepper」(オープンキャンパスの体験授業から)

 ChatGPTなどの対話型生成AIを活用することで、いつでも多様なシチュエーションでの会話が練習できるようになるほか、直ぐにフィードバックを得ることができるなどのメリットがあります。一方で、臨場感に欠け、自然な会話の感覚を得ることが難しくなるデメリットがあります。特にスペイン語では会話中に目を合わせないでいると話に興味がないと誤解される恐れがあり、視線をはじめとする非言語コミュニケーションが重要視されます。


▲「Pepper」と「ChatGPT」を組み合わせることで学習効果がアップするのではないかと実験しました

 谷口さんらは、人の顔を認識して相手の視線を追尾する機能を持つ人型ロボット「Pepper」に注目しました。会話能力が高いChatGPTと、人との非言語コミュニケーションを実感できるPepperを組み合わせることで、スペイン語会話の学習効果を飛躍的にアップできるのではないかと考えて、実験を重ねました。

 その結果、Pepperを合わせて使うことで、学習者の身振りや手振りの回数が増え、相手に視線が向かう割合が高くなることが分かりました。谷口さんは発表の中で「人型ロボットと生成AIを組み合わせたシステムは、スペイン語会話の学習にとても有用であることがわかりました」とし、「さらに実験を重ねて客観的な有効性を明らかにしたいと思います」と述べました。


▲「さらに実験を重ねて有効性を示したい」と話す谷口さん

 谷口さんは「初めての学会発表で、最初は自分にできることなのかと自信がありませんでした。しかし、発表を成し遂げて自分の成長を感じることができました。貴重な経験ができてよかったです」と話していました。

 研究を指導した卯木輝彦教授は「夏休み中も学校に来て、資料の手直しや発表練習を重ねた結果、当日は落ち着いて発表することができました。この経験を自信に変え、これからもさまざまなことに挑戦してほしいと思います」と話しています。

 

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