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教育実習研究会 中宮ICCで開く 100人超の学生がそれぞれの体験を語り合う
▲それぞれの体験を振り返りながら発言するグループ討議
教育実習研究会が6月27日、中宮キャンパスのICC(インターナショナル・コミュニケーション・センター)で開かれた。前日までに中学と高校での教育実習を終えた学生たちがそれぞれの体験をもとにグループ討議することで、学んだことを深め合いながら共有し、今後に役立てていくのがねらいで、100人以上の学生が参加。熱心に議論を進めた。
参加者は1教室約10人ずつ、計11教室に分かれた。テーマとして①教科指導②生徒指導・生徒理解③ホームルーム(学級指導)④教科外活動(クラブ活動、学校行事など)を挙げ、各教室とも司会と書記を決めて、討議に臨んだ。各教室には教職担当の教員1人が指導助言者として加わった。
▲身振り手振りの発言を熱心にメモを取る
学生たちは、スーツ姿で参加したが、討議に熱が入り、すぐに上着を脱いだり、大きな身振り手振りが混じったりした。また、それぞれの発言については、細かくメモを取る人も見受けられた。グループ討議には1時間40分が充てられたが、議論は多方面に展開した。
教科の指導の点では、「ゲームなどを取り入れたことで盛り上がった」「オール英語で授業を進めたが、留学希望の生徒が多いクラスで乗ってもらえた」などの一方で、「要点を黒板に書くタイミングが取りにくかった」「活発な発言をしてくれる生徒に目が奪われがちで、教室全体を見渡す余裕がなかった」などの声が出ていた。
▲ほとんどがスーツ姿のまま真剣なグループ討議が進む教室もあった
各テーマの話し合いの中で、複数が指摘した点などについては、司会者が個別に取り上げ、「ゲームなどに積極的に参加しない生徒にどう対処するか」「授業で生徒が寝ないようにするにはどうしたか」など実践的な課題については掘り下げて再討議するところもあった。
また、クラブ活動については、実習で受け持ったのが2年生のクラスで、2年生に声をかけやすかったが、3年生が機嫌を損ねたような態度になった。上級生の「顔をつぶさないように」改めたところ円滑にいくようになった。
荒れているクラスを持つことになった学生は、生徒から見下すような態度を取られたが、黒板にその生徒向けの指示を書くなどして、対処したなどの事例も伝えられた。
▲全体討議では各グループ討議の内容がそれぞれの代表によって報告された
グループ討議の後、ICCホールで全体討議に移った。落合清茂教授が司会し、各教室での討議を集約し、それぞれの司会者がまとめて3分間制限で順に報告。「1回1回の授業の目的を明確にする」「機会をのがさずに生徒をうまく褒める」「ホームルームでの声の大きさから生徒の調子をうかがう」「クラブ活動には積極的に参画する」などを挙げていた。
▲全体討議の司会をする落合教授(壇上)と総括コメントする岡澤教授(左上)
最後に岡澤潤次教授が総括に立ち「教育実習の最後に生徒から花束などを贈られて感動し、教師への職業にまた意欲が出てきたというような人もいるだろうが、この経験を深く思い返してみることが大事だ。いろいろ葛藤があったはずだ。苦労してきたことはこれから生きる」と励ました。
学生たちは、すでに始まっている各都道府県での教員採用試験や企業などの採用試験にチャレンジする。