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モノづくりの現場でも 海外留学生グローバルインターンシップ コマツ編
▲見学者の案内はまず注意事項の説明から
モノづくりの現場を実体験――外国人留学生の「海外留学生グローバルインターンシップ」では、日本を代表する製造業の最前線で業務に就いている参加者もいます。今回は、建設機械・重機械の分野で世界1、2位を争うコマツで、広報の仕事に携わっている米国出身の女子学生を紹介します。
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本学中宮キャンパスに隣接する枚方市の同社大阪工場で、エイプリル・キャロルさん(フロリダ大学出身)が総務部庶務課でインターンシップを経験中。期間は6月1日から8月31日まで3カ月で参加者28人中最長とあって、インターンとはいえ上司や同僚の指導を受けながら、広報スタッフの一員として日々の仕事をこなしている。
エイプリルさんは祖父が戦後、ビジネスの関係で日本に滞在していたことがあり、小さいころによく日本の話をしてもらった。天狗や山姥、雪女といった昔話は強く印象に残り、「魔法の国だと思っていました」という。祖父の影響を受けて日本が大好きになったエイプリルさんはフロリダ大学で、日本文学、日本文化などを専攻。古典文学も読んで日本への関心がいっそう高まり、1年間日本語を勉強したうえで、昨年8月から本学の留学生別科で学んでいた。
日本語学習歴2年だが、日常会話には不自由しないエイプリルさん。見学が主体の訪問客があれば、工場を案内するガイド役も務める。エイプリルさんを取材した日も、見学に来ていた工業団体の約20人を案内した。広報スタッフの女性社員とペアを組み、まず会議室で注意事項や音声ガイドなどを説明。マイクロバスに乗って広い工場内を回り、スポットごとに2人で手分けして、要領よく作業の内容や製品について話した。
▲コマツ大阪工場の「匠工房」でマイクを握るエイプリルさん
技術・技能の伝承や人材育成のために設けた「匠工房」では、エイプリルさんがガイドを担当。「熱処理」「溶接」「部品検査」「組み立て」などの工房ごとに立ち止まって説明した。「匠工房」でのガイドは初めてとはいえ、「当社は人材育成を重視しています」という会社の方針もきちんと伝えた。専門用語が多いため言葉に詰まるシーンもあったが、無事任務を完了。見学のみなさんから大きな拍手が起きた。
▲「匠工房」のガイドは初めてだったが、何とかやり遂げた