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夢への道 先輩が語る 学研都市キャンパスで2つの催し
▲留学体験と就職を語る卒業生
卒業生の体験談を聞いて、夢への道を考える2つの催しが11月8日、学研都市キャンパスで開かれた。一つは留学体験と就職について語る「関西外大卒業生の『今』~留学・仕事・夢」で、もう一つは現役教員の卒業生が後輩に体験を語る「ようこそ先輩・卒業生リレー講座」。いずれの催しでも、卒業生たちの生き生きとした体験に学生たちは聞き入っていた。
▲座談会形式で先輩の体験を聞く後輩の学生たち
「12教室」で開かれた「関西外大卒業生の『今』」には、5人の卒業生が3グループに分かれ、座談会形式で体験を語った。学生7人は積極的に質問して、先輩から留学や就職について具体的なアドバイスを受けていた。
冨田純一さん(2013年卒)は、教員をめざし、フィンランドに1年間留学し教育学を学んだ。だが、そこで日本のパソコンや車が普及しているのを目の当たりにして進路変更、国際物流の会社に就職した。フィンランドでの生活は「冬は寒く、スーパーも日曜は完全に休み。カルチャーショックを受けたが、ホームパーティーに招待されたりしていくうちに受け入れていくことができ、良い経験だった」と振り返った。中国に留学した吉田詩慧理さん(12年卒)は「寮ではアフリカのコンゴやエジプトから来た人と一緒になった。最初は言葉も通じず、宗教や生活習慣、文化も違い、トラブルになりかけたが、話し合うことで解決した」と語った。
また、製薬会社に勤務する波多野光紹さん(12年卒)はアメリカ留学から帰国後の4年生の夏から就職活動を始めた。「留学経験者を対象にした会社説明会もあるので、帰国後から就職活動を始めても遅すぎることはない。留学は日本では出会えない人に会うことができ、自分の財産となった。自分の強みは何かを留学中から考えておくことが大切」とアドバイスした。
参加した新熊美咲さん(国際言語学部2年)と福島実香さん(同)は「留学中の生の体験が聞けてよかった」「留学すると就職活動が遅れるのが心配だったが、いろんな手だてがあることを知って安心した」と話していた。
▲教師1年目の生活を語る松尾さん
英語教員をめざす学生のための「ようこそ先輩」は、「B201教室」で開かれ、大阪市立大阪ビジネスフロンティア高校の松尾悦子さん(2014年国際言語学部卒)と大阪府豊中市立第九中学の森井あすかさん(13年外国語学部英米語学科卒)が登壇。教員採用試験の合格を勝ち取ったばかりの4年生を中心に13人が参加した。
教師1年目の松尾さんは、フィンランド留学を生かした授業をしたいと理想に燃えていた。しかし、実際に生徒を目の前にして、理想と現実とのギャップに直面した。オール英語での授業を試みたが、生徒がついて来ず、あいさつだけ英語でして、後は日本語での授業に切り替えた。それでも、英語助手の外国人教員とともに、「ビッグプロジェクト」として英語の寸劇を上演することに成功し、やりがいと感じたという。「失敗も多いのですが、生徒とのやりとりで元気になる。子どもたちが笑顔になる英語の授業をしたい」と抱負を述べた。
▲森井さん(左)の話を受けて学生に質問する西村教授
森井さんは大学時代にやっていてよかったこととして、「留学」「ボランティア」「仲間との勉強会」の3つを挙げた。留学はカナダへの1カ月の語学留学だったが、英語で生活した自信が生まれ、経験を生徒に話すことができるメリットがあるという。ボランティアは、豊中市の小、中学校で発達障害や不登校の子どもたちの支援を行い、実際の学校現場を経験することで学ぶことが多かったと強調。また、大学3年生の終わりごろから教職をめざす仲間20人と「PASS会」と名づけたグループをつくり、面接練習や採用試験の勉強に励んだ。「一緒に同じ夢に向かっていく仲間の存在は大きい。教員になった今でも支え合っています」と話し、「教師は体力が必要です」と訴えた。
2人の体験を聞いて、西村孝彦・英語国際学部教授は「関西外大の卒業生が日本の英語教育を変えていくんだという気概でやってほしい。4月から教壇に立つ人は、今からどういう授業展開をしていくかシミュレーションしておくことが大切」と呼びかけた。国際言語学部2年の女子学生は「実際の学校がどうなっているかがわかった。教員への夢を実現したい」と感想を述べていた。