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中学生サマー・セミナー開催 28人が参加

中学生同士が英語漬けになって1泊2日でさまざまな課題をこなしながら英語を使う楽しさを体感する「大阪中学生サマー・セミナー」(英語脳を作る!!English Talent Show‼)が8月10、11両日、中宮キャンパスのインターナショナル・コミュニケーション・センター(ICC)で行われた。大阪府内から応募があった約500人の中から選ばれた28人が参加した。
 
初日の午前10時から全員がそろって入所式があった。外国語学部英米語学科3年の東諒一郎さんら教職をめざす本学の学生30人が指導役になって、「今からは日本語は使えません。コミュニケーションはすべて英語でしなければいけません」と宣言。松宮新吾・英語キャリア学部教授がセミナーでの約束をやさしく解説した。
 
このあと、参加者たちがそれぞれあいさつをかわし、5~7人の5つのグループに分かれ、ゲームを通じて緊張感をほぐす「アイス・ブレイク」へ。手足を使ってABCを表現する「ABC体操」、英単語をジャスチャーで示しながら、表内の一列を埋めて得点を競い合う「Bi-Bi-Bi ビンゴ」などを楽しんだ。
昼食後は、初日のメーンとなる5教室を移動しながら個々のゲームなどに取り組んだ。


▲ABC体操をするセミナー参加者

1階のセミナールームで行われた「Room of Negotiation」では、アメリカ・コロラド州からの留学生ジェレミー・スジョーダル・ブレナードさんら2人へのインタビューを行い、好きな食べ物などを聞き出す課題も設けられた。
 
そこから中学生たちは自分たちで売り出すハンバーガーづくりをめざした。中心となる食材はビーフ、チキン、ベーコンなどから選び、合わせる野菜とソースはどうするかトライした。学生たちがあらかじめ用意したそれぞれの切り抜き写真を選びながら、順に用紙に張り付けて、ひとつのハンバーガーを完成させ、値段も設定した。この細かいやりとりもすべて英語で。学生たちは5つの役立つ英語フレーズを例示しながら、「分からないときはこんな表現を使うといい」などを助言。中学生たちは〝難問〟に戸惑いながらもなじみあるテーマとあり、互いに相談しながらクリアしていた。


▲留学生のジェレミーさん(右端)にインタビューする中学生
 
「Room of Sense」では、学生たちが留学したときに戸惑うなどした「hang out」や「chill out」などの言葉をもとに問題文を作成。意味を示す3つの選択肢を用意。中学生たちは相談しながらスクリーンの前に決められた場所に体を移動することで回答の意志表示をした。


▲微妙な意味の違いを考える中学生
 
発音を学ぶ「Room of Tongue」では、「P」で始まる単語ばかり24語を集めた英文が壁に貼られ、それをいかに速く読めるかに挑戦。指導にあたった学生が強く発音する部分を赤丸で、弱く発音する部分を青丸で示し、抑揚をつけた読み方のコツを教えた。また、英文を読む声を録音して聞き、問題点を確認し合った。さらに、教授に扮した学生が同じ英文を様々なポーズをとりながら読む2種類のビデオが流され、2つを比較して、読み手の動作の違いを指摘し合った。指導した学生は、英語を読む場合のリズムの大切さを説いた。


▲リズムをつけて英文の読みに挑戦

想像力を育む「Room of Imagination」では、赤ちゃんが犬と戯れるビデオを見て、それぞれのせりふを考え、英文で表す課題に取り組んだ。グループが犬役のチームと赤ちゃん役のチームに分かれ、「かわいい犬」、「君もかわいいよ」などのせりふを小型ボードに書いていき、完成したやりとりを、役を決めて読んだり、録音したりした。学生からは、「創造的になろう」などのアドバイスが出た。
 

▲ビデオを見てせりふを考える

このあと、宿泊場所であるキャンパスに近い第一セミナーハウスに移動。ケーキづくりをするゲームなど楽しんだ。

2日目の11日は午前9時25分から朝レクが行われ、グループごとに前日学習した「Tongue」「Imagination」「Negotiation」「Sense」の教室を回って復習した。発音の教室では、学生が「最も速いスピードで」「リズムは英語を話すうえで重要」などと励まし、中学生たちは前日より慣れた様子で取り組んでいた。
 
昼食後、「What makes your English Brain(英語脳を作るのは何か)」のテーマで、5つのグループがパワーポイントや模造紙を使ってプレゼンテーションを行った。あるグループは、「英語を学ぶことがおもしろければ、もっと学びたくなる」との仮説を立て、英語学習の方法として、リズムをとりながらの歌やダンス、英語によるゲームを提案。「英語を楽しみ、英語だけを話すことが重要」との結論を導いた。


▲プレゼンテーションをする参加者

別のグループは、「1日中、自分の脳で英単語を覚え英語について考えること」を挙げ、英語が理解できれば、多くの外国人と意思を通わし、友人になることができるとして、単語と絵を結びつける、英語の音楽を聴き、歌を歌う、興味のある英語の本を読む、外国人と話す――などの方法を考案した。

午後3時からICCホールで退所式が行われ、全員が英語で感想を述べ、修了証が手渡された。本田葵さん(大東市立南郷中3年)は「以前より、英語が少しずつ理解できようになり、うれしかった」と話し、能勢弘太郎君(高石市立高石中1年)は「日本語を2日間話さず、英語で通すことができ、自信がつきました」と手応えを感じた様子。大森陽菜さん(大阪市立桜宮中1年)は「私は恥ずかしがり屋ですが、大学生のみなさんが親切だったので、楽しめました」といっていた。

セミナーの退所式の司会を務めた学生リーダーの一人、松下愛さん(外国語学部英米語学科3年)は式後に「2か月間、仲間のみんなでセミナーの構成と内容をすべて手作りしました。とても苦しかった。何とか乗り越えられたのは、全員がやり通さないといけないという使命感のような気持ちでした」と安堵の涙とともに振り返っていた。

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