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歌舞伎公演@関西外大 留学生が日本の心学ぶ
▲ばくちに大負けして女房になじられる長兵衛(右)
留学生に歌舞伎を通して日本の心を知ってもらう催し「歌舞伎公演@関西外大」が10月11日、中宮キャンパスの谷本記念講堂で開かれた。留学生やホストファミリー、日本人学生ら約200人が、舞台上で繰り広げられる歌舞伎の世界に見入っていた。
▲華麗な舞いも登場
▲返ってきた50両を巡ってコミカルなやりとりが
▲舞台に見入る留学生たち
企画・運営したのは、イベントを通して日本を学んでもらう取り組みをしている、大阪のNPO法人「大楽小楽」(石黒一理事長)。演じたのは、大阪の歌舞伎愛好家グループ「澪つくし歌舞伎」(リーダー・浅野剛史さん)の9人。演目は「人情噺 文七ぶんしち元結もっとい」。
初めに石黒理事長が「歌舞伎は日本の伝統文化です。本日の演目は人への思いやりを描いたもので、日本語で演じますが、どうか日本の心を理解していただきたい」とあいさつ。この後、演目のあらすじを英語で説明して本番へ。
江戸・下町の左官、長兵衛は大のばくち好き。年末に大負けして、借金が膨らみ、年が越せない事態に。見かねた娘のお久が吉原に身を売る決心をしたが、事情を察した妓楼のおかみが長兵衛を諭して50両を貸す。その帰り、長兵衛は、隅田川にかかる橋のところで、身投げしようとしている、商店の奉公人の文七に出会う。集金の帰りに50両をすられたという。目の前で自殺されてはと、長兵衛は懐の50両を文七にやってしまう。だが、文七の50両は盗まれたのではなく、集金先に置き忘れていたことがわかり、すべて解決。最後は文七とお久の結婚へ……。
わかりやすい日本語で演じられた下町の人情噺。コミカルなやりとりの際には笑いもあり、最後の幕が下りた際には大きな拍手がおくられた。
上演後、留学生別科のジェニファー・マツエ客員教授らの司会で、演者への質問コーナーが設けられ、留学生らは「稽古はどのくらいするのか」「歌舞伎を始めたきっかけは」など質問攻め。浅野さんらは「毎週土曜日に稽古をして一つの演目は3か月で完成」「歌舞伎を始めたきっかけは芝居が好きだから」などと丁寧に答えていた。最後に全員で大阪締めを行った。
アメリカからの留学生、ナタリ・カスパーさんは「歌舞伎を見るのは初めてですが、化粧がユニーク。でも、物語はとてもおもしろかった」と話していた。
▲演者を囲んで全員で記念撮影