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英語 × 会計のスキルで世界へ USCPA Pathway Program始動
※関西外大通信「THE GAIDAI」321号の記事を基にまとめています
2025年4月より、英語キャリア学部英語キャリア学科において、「USCPA Pathway Program」がスタートしました(※1)。このプログラムは、米国公認会計士(USCPA)を目指す学生を対象に、在学中から資格取得に必要な知識と単位を計画的に修得できるよう設計された特別プログラムです。USCPAの資格を持つ専門教員が担当し、卒業後にライセンス申請ができるよう、全面的な支援を行います。


■アラスカ州の受験資格に対応
USCPAのライセンスを取得するためには、①会計・ビジネスに関する所定の単位数を取得②4科目の資格試験合格③実務経験の3つのステップをクリアする必要があります。米国・アラスカ州の受験資格に準拠したカリキュラムを設計しています。アラスカ州では、学歴審査の時点で106単位以上(うち会計科目15単位以上)の修得が求められます。このプログラムでは、これに対応する会計・ビジネスの科目が開講されており、単位取得が可能です(開講科目名は別表1参照)。

USCPAの資格試験は、「Financial Accounting & Reporting(財務会計)」「Taxation and Regulation(税法・ビジネス法)」「Auditing & Attestation(監査・証明業務)」および選択科目(3科目から1科目を受験)の4科目で構成されています。受講生は、外部のオンライン教材「UWorld」も活用しながら、効率的かつ実践的な学修を進めていきます。
■卒業後にライセンス申請
プログラムの特色のひとつとして、3年次には米国の大学へ留学が可能な「USCPA 留学」制度も設けられています。現地の学生と共に専門的な科目を学ぶことで、実践的な知識とグローバルな視野を同時に養うことができます。留学には奨学金制度も用意しています。
USCPAのライセンス申請には一定の実務経験が必要であり、基本的には卒業後に申請を行います。州ごとに要件は異なりますが、比較的要件が柔軟なワシントン州での申請を視野に入れています。ワシントン州では、150単位以上の修得(うち会計科目24単位、ビジネス関連24単位)、および1000時間以上の実務経験が必要とされています。また、卒業時に必要単位が不足している場合は、オンライン講座などで補完することもできます。
「USCPA Pathway Program」は、会計という国際的に通用するスキルと、英語力を掛け合わせた高度な専門人材を育成する新たな取り組みです。成績優秀者を対象とした資格試験受験料の補助制度もあり、経済的負担も軽減しています。グローバル社会で活躍することを志す学生にとって、キャリアの可能性を大きく広げます。
“世界基準”のキャリア形成 辻健さん
PwCビジネスアシュアランス合同会社勤務/外国語学部英米語学科2020年3月卒/初芝富田林高校(大阪府)出身
現在、私は上場企業に対して会計処理や開示業務などのアドバイザリー業務を提供しています。近年、グローバルに事業展開する企業が増加しており、海外子会社との会議やメール、英文財務諸表の作成、海外の会計基準の確認など、英語を用いた実務が日常的に発生します。こうした業務において、USCPA(米国公認会計士)資格の専門性と信頼性の高さは非常に強力な武器となっています。
私は現在、USCPAの4科目中3科目に合格し、最後の1科目の取得に向けて勉強を続けています。社会人として働きながらの学習は決して簡単ではありませんが、「会計財務の分野で国際的なキャリアを築きたい」という強い思いが、私の原動力です。

■英文会計との出会いが転機に
USCPAを目指すきっかけとなったのは、大学3年のときに履修した「英文会計」の授業でした。会計の基礎を英語で学ぶ中で、貸借対照表や損益計算書の構造を理解し、仕訳(企業の取引を記録する会計処理)の奥深さと面白さに惹かれていきました。担当の教授から「この分野に向いているよ」と先生に声をかけていただいたことも、挑戦の背中を押してくれました。
■世界に通じる資格でキャリアを拓く
USCPAの魅力は、世界中で通用する国際資格であり、即戦力として高く評価される点にあります。監査法人、外資系企業など、あらゆる業界・職種においてキャリアの可能性が大きく広がります。私自身も実務を通じて、その価値を日々実感しています。
在学時は、現在のようなUSCPA Pathway Programがまだ整っておらず、卒業後に専門学校に通って必要な会計単位を取得しました。学歴審査の手続きなども自分で進める必要があり、大変な思いもしました。その経験があるからこそ、在学中から体系的に必要な単位を取得できるだけでなく、英語・会計の両面で専門性を高めるカリキュラム、そして資格取得に精通した教員のサポートを受けながら資格取得をめざせる、このプログラムは非常に心強いと思います。
USCPAは、単なる資格ではなく、「世界に通じる武器」です。英語を生かしたい、グローバルに働きたいという学生にこそ、ぜひ挑戦してほしいと思います。