関西外大広報サイト

NEWS ニュース

学研都市キャンパスのPBL学内合同報告会 最終日は4クラスが研究成果を発表


▲都市での船遊びの楽しさを語る水上バスクラスの天道君(下右端)ら

学研都市キャンパスの2014年度PBL(課題解決型授業)の学内合同報告会は、最終日の12月24日、前日に引き続き同講堂で行われた。この日は、今年度7クラス(いずれも3年生)のうち、残りの4クラスが発表した。15分間という限られた発表時間を代表者たちは分担して、手際よく研究成果を伝えていた。
 
各クラスとも20人のメンバーから代表3~6人が舞台に上がり、テーマに対する提案を行った。司会は引き続き、昨年度PBLの経験者で、4年生の平井啓之君、日吉由衣さん、住友雄輝君、濱直大君が担当した。
 
■大阪水上バスクラス(テーマ:大阪の水上バスの魅力を学生目線で解析し、企画・提案につなげよう=指導・中野誠教授)
 
天道康治君ら3人が発表した。メンバーは大阪港の帆船式観光船「サンタマリア」と大阪市内を流れる大川の観光クルーズ船「アクアライナー」の二つのチームに分かれて対応した。ともに乗船体験から現状を観察し、問題点を拾い出した。乗船中に退屈になる時間帯の対策を考えた。サンタマリアでは、船内にある「コロンブスの部屋」が十分に活用されていない、として楽しくなる新たな空間づくりを低コストで実現することに取り組んだ。構想時期が10月とあり、ハロウィンの装飾を施した。記念写真に残したいなどと好評で、通年にわたり、バレンタイン、ひな祭りや七夕、クリスマスなどの催事に合わせて部屋を飾り付けることを提案した。
 
アクアライナーでは、船内ガイドが歴史中心になっているのを、一部はカフェやレストランの紹介に差し替え、おしゃれ感を加味した。BGMもワクワク感を演出するために、もっとアップテンポな曲に切り換え、乗客が今どこを通過しているのか、またお勧めスポットがよくわかるように航路マップを改善するなどの案を明らかにした。
 
 
▲中堅企業の魅力を発表する大阪商工労働部クラスの杉原君(下右端)ら

■大阪府商工労働部クラス(テーマ:中堅企業と大学生の求職・求人マッチング向上策を提案する=指導・神田修悦教授)
 
「中堅企業のイメージ調査」から着手。3年生73人にアンケートしたところ、「一人当たりの仕事量が多い」「不安定」などマイナスイメージが多数だった。「就職活動に対する意識調査」も実施。4年生55人に問いかけたところ、「第一志望は中堅」という回答が6割近いのに、就活スタート時は「大手にエントリーした」が6割近くと逆転していることがわかった。その背景には「情報の入手が容易だったから」など「取っ付きやすさ」が大きいと分析した。
 
3年生へのアンケートの分析とも突き合わせ、「優良中堅企業フェスタ」を実施することを提案。昨年度も行ったが、今年度は「働きがい」について考え、就活への意識改革を図ることを訴えた。実際に来年1月27日に3年生を対象に学研都市キャンパスで9社を招いて同フェスタを開く。
 
メンバーらはネット上にサイトの立ち上げも検討したとしており、やはり学生と企業の交流が大事としてイベント開催にした、などと発表に当たった杉原航輝君らが語った。
 

▲トンボクラスの井手さん(下左端)らは日本の制服の可能性を語った

■トンボクラス(テーマ:ヨーロッパ市場でのスクールガールファッションの普及可能性調査=指導・松中吉喜講師/井上修輔講師)
 
トンボは本社・岡山県の学生服メーカー。井手未来さんら3人の説明によると、外大のPBL受講者と留学生へのアンケートから始めた。日本では制服のイメージが「若さ」「青春の象徴」などプラス面が強いが、外国では「コスプレのイメージが強い」「かわいいと思うが、着られない」などが挙がり、留学生の自国では「売れない」という回答が7割を占めた。
 
ファッション大国フランスの関係者にもヒアリング調査。日仏センターやフランス在住の日本人ファッションデザイナー、日本貿易振興機構(JETRO)、フランス人留学生らに当たった。その結果、フランスでのスクールファッションの普及は厳しいことがわかったが、制服受け入れを目指し、ビジネスモデルを考案した。
 
日本のアニメや漫画好きな20歳前後の女の子向けに日本の制服を着て自分だけのコスプレを楽しむ「君が憧れになれ」。さらにおしゃれに敏感な14~18歳の女子中高生に「大人かわいいを日常へ」としてベースの制服デザインの色に変化を持たせ、手持ちのスカートやパンツとの組み合わせで着こなしてもらう、とした


▲中国からの訪日客に向けた商品を提案するANAクラスの樋上さん(下右端)ら

■ANAクラス(テーマ:関西エリアへの訪日外国人旅行客の拡大=指導・西田透教授)
 
こちらのクラスも訪日旅行者のアンケートや業界関係企業への聞き取り、関連資料の分析・読み取り調査から開始。観光立国は今後の日本の経済発展の一つの柱として見込まれているとして、取り組んだ。
 
「泊まる」「買う」「食べる」「遊ぶ」「観る・学ぶ」「移動する」の旅行6大要素それぞれに日本での課題とその解決策を拾い上げた。「食べる」では外国人は食材表示が読めないので、宗教的な信条に触れるおそれがある。それにはピクトグラム(絵文字)での対応を挙げた。
 
こうした点をまとめて訪日観光客を増やすためには、地方分散▽リピーターへの対応▽閑散期対策▽関西ならではの素材の厳選など8項目を掲げた。さらに数が多い中国、台湾、香港の3カ国・地域からの訪日客向けの具体的な関西周遊のプランを提案した。PR方法にも発表した樋上早紀さんらが付言した。
 
              ■
 
クラスによっては、PBLに取り組んだことで、責任感が増し、報告・連絡・相談が自然とできるようになった。チームワークができた。協調性が団結力になった、積極性が発信力につながったなどの効果を語っていた。
 
傍聴した各提携企業の代表も学生たちの努力を評価する声が多く聞かれた。


▲発表の講評を行う提携企業の代表者

 

PAGE TOP