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概要

外大通信デジタルブック

大学院・大学谷本義高学長2014年度学位記授与式学長式辞ご卒業おめでとう。今日は史上最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタンの少女、マララ・ユスフザイさんの話から始めます。医師になることを夢見ていたマララさんは3年前、イスラム過激派に襲われます。理由は女性の教育の権利を否定し、学校を破壊する過激派の暴力と恐怖を告発し、教育の大切さや平和への思いを訴えたことでした。私たちには想像もできない不条理な世界ですが、偏見や憎悪、暴力、貧困などで学校に通えない子どもたちや女性が大勢いるのも事実です。奇跡的に一命を取りとめたマララさんは一昨年の夏、国連本部で演説します。「タリバンは銃弾で黙らせようとしたが、私の中では弱さや恐怖、絶望が死に、強さと力、勇気が生まれた」「明るい未来のために、学校と教育を。1人の子ども、1人の教師、1冊の本、1本のペン……それで世界は変えられる」。マララさんの思いは人々の胸を打ち、ノーベル賞へとつながります。それにしても「弱さや恐怖、絶望」が死に、「強さと力、勇気」が生まれるとは、なんという心の勁さ、「1人の子ども、1冊の本、1本のペンから、世界を変える」とは、なんという意志の強さでしょう。マララさんから教えられ、学ぶべきことはたくさん、たくさんあるようです。「勇気なくして、生きていくことはできない」「勇気こそがチャンスを広げ、危機を救い、自信を与える」。哲学者のヴィトゲンシュタインはこう述べ、「勇気を持って世に漕ぎ出していきなさい」とアドバイスしています。みなさんはこの2年間、高等教育のファーストステージである短期大学部で、多くの知恵と力を身に付けました。次なるセカンドステージへ向かう準備は整ったのです。マララさんほどではないにしても、多くの困難が待ち受けているでしょう。しかし、ヴィトゲンシュタインの言うように、勇気を持って挑戦し続ければ、困難がチャンスになり、世界を変えることも可能です。マララさんに負けないよう、未来を見つめて歩んでください。短期大学部谷本榮子学長つよみなさん、ご卒業おめでとうございます。今年は、本学にとって創学70周年に当たるとともに、4年前に開設した英語キャリア学部の第1期生を送り出し、本学の歴史に新たな1ページを加えました。私は、みなさんが入学したとき、繰り返し述べた言葉があります。それは「目的意識を持って常に学び続けてください」ということです。これから社会に飛び出すみなさんが、どうすれば勝ち残れるか。それには「常に学び続ける」ことです。長州藩・幕末の志士、吉田松陰も「常に学び続けた人」でした。みなさんとほぼ同年齢の23歳のころ、「猛省録」に次の言葉を残しています。「力を用ふること多きものは功を収むること遠く、其の精誦する所は乃ち終身忘れざるなり」と。「全精力を集中して学んだことは、生涯忘れることはないであろう」と説いています。向学心旺盛な松陰は、西洋列強の優れた軍事技術を自分の目で確かめたいと、黒船来航時、小舟で艦船に近づき「乗せてほしい」と懇願。「乗船すれば外国留学も可能だ」と考えましたが失敗し、密航を企てたとして投獄されました。みなさんも、これから社会という荒波を航海することになります。開国派・松陰の手法には問題があったかも知れませんが、その行動力には、学ぶべきところはあるでしょう。みなさんが、社会に出ても、自身の目で常に広い視野で物事に立ち向かう気構えだけは持ちたいものです。みなさんは、これまで多くの人と出会い、教えられ、刺激を受けたはずです。重要なことは、その出会いを如何に良きパートナーとすべきかだと思います。松陰が開いた松下村塾でも、世に抜きんでた弟子たちとの出会いが、やがては日本の夜明け、近代日本の誕生に繋がりました。これから、みなさんの前には多くの失敗が待ち構えています。大きな決断を迫られる時が来るでしょう。しかし、みなさんが入学時に立てた目標を糧に、リスクを恐れず、荒波を乗り越えてください。これからも「目的意識を持って、常に学び続けてください。そして、隣人に優しい人になってください」。ちからもちおおとおそのせいしょうところすなわしゅうしんわすこうおさ[5]THE GAIDAI 2015年(平成27年)4月1日第277号Snapshot Gallery3483人はばたく今年は自撮り棒が大活躍。あちらこちらでこの光景が民族衣装で臨んだ「ASEAN+3」大学コンソーシアム卒業生のペ・ジユンさん祝辞で「枚方市にまた、帰ってきてください」と、言葉を贈る竹内脩市長手荒い胴上げで高々と宙に舞う卒業生沖縄出身の上原万佑佳さんのあでやかな紅型後輩を相手にお別れパンチを放つボクシング部マネジャー