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概要

外大通信デジタルブック

[11]THE GAIDAI 2016年(平成28年)2月17日第282号Campus Life関西外大の最新ニュースはホームページにも掲載していますhttp://www.kansaigaidai.ac.jp/トルコ、日本両国で学び、教員養成に取り組む│トルコというと、和歌山県串本町沖で沈んだエルトゥールル号の話などを描いた映画「海難1890」が制作されました。チャクルエルトゥールル号が沈没して多くの死者を出しながら、串本の漁民が乗組員の救助に力を尽くしたことは、トルコの人なら誰もが知っています。イスタンブール出身の私が日本に関心を持ったのは、小学生のころにテレビで見た日本の時代劇がきっかけです。徳川家康に仕える、主人公の外国人にあこがれ、いつか日本に行きたいと思っていました。日本でいう「センター試験」を受験し、応募した18大学のうち、チャナッカレ県の国立チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学教育学部の日本語学科に合格したことで、日本語の勉強が始まりました。│日本での生活が通算10年以上。住み心地がいいのですか?チャクル学生時代に1年間、日本語・日本文化研修生として広島大学へ初めて留学。大学卒業後、教育経営の分野で定評のあった筑波大学に留学し、2008年から大学院で学びました。筑波大学におられ、本学で非常勤講師も務めている吉田武男先生の勧めもあって、昨年4月から本学の教壇に立っています。日本の教員養成に携わり、研究を重ねながらも、根底にあるのは、トルコの教育を良くしようという使命感です。ただ、日本は先進国だと思っていたのに、期待を裏切られた面もあります。単一民族の国だからでしょうか、外国人に選挙権がないなど、受け入れてくれないところがあります。多民族・多文化のトルコから来たこともあって、同化が求められているようで面食らいました。│トルコの教育について、教えてください。チャクルトルコの義務教育は12年間です。子どもたちに労働させてはならないという規定もあります。でも、学校に通えず、働かされている子は大勢います。いつか、弁論大会に出た日本人を案内していて、2歳の子どもが街角でティッシュを売っている光景に出くわしたことがあります。これではいけないと思いました。日本とトルコの教育が近代化されたのは同じころです。でも、トルコでは政権交代が激しく、その度にスクラップアンドビルドの繰り返し。教育も例外ではなく、本当の近代化が進みませんでした。│日本の教育や教員について、感じることはありますか?チャクル細かいところまで試行錯誤し、実践している日本の教育に学ぶべきことはたくさんあります。しかし、日本の先生たちは朝早くから深夜まで働いて、クレイジーと言われています。部活など、何でもかんでも学校でやっていて、地域でやるべきことも多いのではないかと思います。でも、先生方もそれを喜んでやっているのが、面白いところです。学校から離れたら、家庭や地域に任せたらいいのに、どこまでいっても学校に責任がつきまといます。日本に特徴的な「人まかせ」の文化のようにも感じます。│教育や教職に関する科目のほか、トルコ語や比較文化研究という科目も担当されています。チャクル外国語学部の総合科目D・トルコ語はわずか3カ月間の入門編です。あいさつなどの日常会話にふれてもらう程度。履修する学生も「トルコ語を修得しよう」という意識ではないので、英語やスペイン語を教えるのとは違います。少しだけ文法をやり、会話や体験などを盛り込みます。食べ物の話や文化を紹介しますが、「入門」ではあっても話せるくらいになる授業にしたいですね。そして、初級、中級のトルコ語を教えることのできる科目ができたらいいなと思っています。│現在抱えている課題やこれからの研究について教えてください。チャクルトルコの近代教育の変遷を論文にまとめ、日本から発信したいと考えて取り組んでいます。また、日本の優れた教育実践をトルコへいかに導入するか、研究を深めたいと考えています。筑波大学の大学院で書きかけた博士論文も完成させ、学位取得も目標の一つ。授業の改善を心がけながら、研究活動にも力を入れていきます。研究とは違いますが、ボランティア活動に取り組もうと考えて、計画を進めています。「子ども食堂」です。子どもの貧困が注目され、日本でも各地に出現しています。晩ご飯を食べられない子どもたちが大勢いるはず。本学の食堂に集めて食べてもらうような活動ができないでしょうか?学生がこうしたボランティアを経験することで、人材育成にもつながるし、大学の地域貢献にもつながるのではないでしょうか。│関西外大の学生たちの印象は?言いたいことはありますか?チャクル筑波大でティーチング・アシスタントなどを通じて、日本の学生との接触は経験を積んできました。でも、関西は初めて。親しみやすさを感じています。吉本などが根付いている土地柄なのでしょうね。注文はたくさんあります。まず本を読みなさい。スマホをいじっている時間を削ったら、読む時間ができるはずです。それと相手の言うことをきちんと聞いて受け答えをすること。理解するためには聞く努力が必要です。2015年3月、筑波大学大学院総合科学研究科博士後期課程単位取得退学。4月から本学へ。茨城県筑波市に妻と1歳半の長女を残し、考えてもいなかった単身赴任を経験中。試すことが好きといい、趣味の料理(トルコ料理とは限らない)にも創作が加わる。手作りデザートも自慢の一つとか。3月に40歳を迎える。プロフィル研究室から短期大学部短期大学部Murat Cak?r助教Murat Cak?r助教Vol. 38Vol. 38Vol. 38Vol. 38学から始めた日本語の勉強大クラップアンドビルドを繰り返すトルコの教育スルコ語の授業は文化の紹介が中心ト材育成にもつながるボランティア活動「子ども食堂」を計画中人ムラットチャクルビジネスの基礎知識とスペイン語をつなぐことを目的に、「第5回ビジネススペイン語の基礎」講座が12月19日、ICCで開催された。講師は有限会社インタースペイン代表取締役で、NHKラジオスペイン語講座講師、慶応大学総合政策学部非常勤講師の高木和子氏。就職が決まった4年生、留学先から帰国したばかりの3年生、意欲あふれる1、2年生の計14人が参加した。前半は「普段着のスペイン語を仕事で使えるスペイン語に着替えよう!」をテーマに、普段の自己紹介とビジネスの場面での自己紹介の方法の違いを学んだ。後半は、「人を動かすスペイン語」をテーマに、聞き手を説得するために客観的な事実とデータを示すことや、相手のメリットを考えることを学んだ。その後、参加者はスペインの出張先で自社製品を売り込む設定で、教室のホワイトボードに製品のアピールポイントを書き込み、プレゼンテーションを行った=写真。参加者からは「使う単語を少し変えるだけでフォーマルになることが分かった。就職活動に役立てたい」「物事を漠然と考えないで、分解して考えることの大切さを学んだ」「なりたい自分になるためにはどうすれば良いかが分かった」「スペイン語を学ぶ目的が見えてきた」といった感想が寄せられた。(外国語学部教授・和佐敦子)中国文化言語学の権威で上海・復旦大学の申小龍教授が1月27日、学研都市キャンパスで「なぜ中国語は最も優雅な言語なのか」と題して講演した。申教授は、最近の研究や科学的実験の結果、英語を聞くときは左脳が活発に働き、中国語を聞くときは、左脳と右脳の両方が活発に働くことがわかったと、英語と中国語の違いを説明した。こうした特徴に基づき、「英語は理性的な言語であるのに対し、中国語は理性と感性の両面を備えている」と指摘。中国語は特に、声調(アクセント)による音の高低が耳に心地よく響き、音楽のように感性に訴えると説いた。さらに、漢字が意味を表す表意文字であるため、簡潔で機敏な表現をする特徴があり、例えば、「我在台湾」(私は台湾にいる)のように、言葉が4音節でまとまる傾向が強いとし、「中国語は非常に美しい言語である」と語った。講演は、本学孔子学院主催の第1回大阪府内中国語スピーチ・朗読コンテストに合わせて行われた。中国語は左脳・右脳とも刺激申小龍教授(復旦大)講演普段着のスペイン語仕事で使いこなすにはSpanish高木和子・インタースペイン代表取締役「ビジネススペイン語の基礎」講座