ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

外大通信デジタルブック

新刊 本学教員の書いた本『続・現代意味解釈講義』澤田治美著、開拓社/4300円+税『UNITED STATES ENGAGEMENTin the ASIA PACIFIC』酒井英一ほか著、Cambria Press『Towards a Nonkilling World: Festschrift inHonor of Prof. Glenn D. Paige』酒井英一ほか著、Gandhi Media Center『中国山地民族研究集刊』牛承彪ほか著、社会科学文献出版社THE GAIDAI 2016年(平成28年)6月1日 第284号[ 14] 英語キャリア学部の滝川好夫教授が、消費者支援に力を尽くした個人・団体に消費者庁から贈られる今年度の「ベスト消費者サポーター章」を受章した。5月20日、兵庫県企画県民部県民生活局長から本学の研究室で、賞状と記念のメダルが伝達された。 滝川教授は今年3月、神戸大学を退官し名誉教授に。本学では2年間非常勤講師を務め、今春教授に着任した。兵庫県では、県民生活審議会委員を務め、県消費者教育推進計画検討会では座長として昨年3月の同計画「ひょうご〝消費者力?アッププラン」の策定に尽力。また、昨年6月まで神戸大学生活協同組合理事長として消費者啓発活動にも尽くしたことなどが受章につながった。 金融経済論、金融機構論という固い専攻分野を、消費者目線で読み解き、生活者の視点での研究をモットーとしている。きっかけは、1990年代前半、ブリティッシュ・コロンビア大学客員研究員として留学したカナダでの体験。モノづくりの企業より、モノを買う消費者が力を持った社会で暮らし、「大学は、企業で働く人材を育てるが、同時に彼らは消費者でもある。消費者としてしっかりしないと、企業が正しく育つことはない」と気付いた。 金融論の教科書は、金融機関の視点で書かれることが多く、「貸出金利」という表現が一般的。それを滝川教授は「借入金利」で一貫し、消費者としての見方が重要であることを学生に示してきた。消費者の力を選挙権にたとえることもある。有権者は選挙の際に投票によって良い社会を作ることに参画できる。一方、消費者として何を購入するかによって経済社会を動かすこともできるのだ。そこで、滝川教授はこれを「経済的投票」と位置付ける。 日常の消費生活は「デイリー・デモクラシー」の実践。良いモノを買うことで、良いモノを作っている企業を育てることができる。悪いモノを買わなければ、それを作っている企業を良い企業に変えることが可能と説く。 「日本経済の中核をなすのは企業。その企業を育てるには消費者の力がものをいう」とも主張する。また、「お互い様」という社会連帯意識(道徳)を取り入れた経済運営が21世紀の日本を動かすという「道徳経済」を提唱している。『お買いもので世界を変える』日本弁護士連合会消費者問題対策委員会著、岩波ブックレット/所蔵:中宮図書館3F一般和書新着本『女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか?』松村秀著、講談社現代新書/所蔵:中宮図書館3F一般和書「女子高生が名門大学生に勝てるはずがない! ?」。本著では“グルグル思考”と称した思考力を鍛えた女子高生たちが、東大生と大勝負!を行っています。彼女たちは事前知識がない分、枠にはまった考え方を全くしないので、答えを導くプロセスが参考になります。登場する“グルグル思考”とは、自らの力だけで考え、試行錯誤を繰り返し、チャレンジし続けて答えを導き出すというものです。皆さんも思考を鍛え、知力パワーを身につけたいと思いませんか?皆さんはお買いもので世界を変えることができると思いますか? 本書では、ある一家の一日を通して身の回りに起こりうるトラブルやその対処法、私たちの日々のお買いものが及ぼす影響について簡潔に解説されています。「消費者市民社会」とは何か、持続可能な社会にするために私たちに出来ることは何か、お買いもの(消費)の仕方を意識することでよりよい世界へと変えることができるかもしれません。そのきっかけとなるお勧めの1冊です。暗いニュースが続き、沈みがちな気持ちもこの本を読めば誰もが笑ってしまいそう。赤塚不二夫生誕80 年記念作品アニメ「おそ松さん」が40年の月日を経た今なお大人気だとか。「おそ松くん」や「ひみつのアッコちゃん」の主題歌の作詞を手掛けたのが井上ひさし。今は亡き二人の天才がタッグを組み、井上ひさし(2010 年没)が当て書きしたコントに、赤塚不二夫(2008 年没)が同じテーマでイラストと漫画を描き下ろしたのがこの本で、単行本未収録作品全9 編が収められています。ファンならずとも、ぜひ手に取って読んでみて下さい。『おべんとうと日本人』加藤文俊著、草思社/所蔵:学研都市図書館3F子どものころは遠足や運動会のお弁当を楽しみにしていた人も多いのではないでしょうか? 最近では、健康志向や節約などで昼食にお弁当を持参する人が増えたといいます。雑貨店では色とりどりのお弁当箱やグッズが並んでいます。デパートの駅弁大会は毎回盛況だそうです。キャラ弁を作って写真をネットに投稿する人もたくさんいます。食材が、お弁当箱の中に詰められるまでに、色々な生産者や流通を経て、調理されて私たちの口に入っています。身近な食文化として、きょうのおべんとうを一口食べる前に、それらに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。『井上ひさし×赤塚不二夫の笑劇場』井上ひさし・赤塚不二夫著、河出書房新社/所蔵:学研都市図書館4F││現代社会の問題点が多岐にわたって網羅されていますね。松田 本書は外国語学部における社会学の授業で、私が作成・配布していたリーディング資料がもとになっています。従って、社会学の専攻でない人でも社会学についてバランスよく学べるよう心がけました。留学先で社会学系を履修する人のためにも社会学のさまざまな下位分野の紹介になるよう考えました。││推薦文献の紹介で知識に広がりもあります。松田 本書は社会学全般についての入門書で、広範な分野をカバーしています。しかし、特定分野に関心を持つ人のために、各章末にその分野の推薦文献を入れました。こちらも各分野の入門書として適切なものを選んであります。││急激な国内外の動きに「現代社会学」はまさに生き物。迅速な改訂に苦労も。松田 本書は通算で第16刷になりますが、必要に応じて細かい変更を加えてきました。今回は第3版となる全面改訂です。社会情勢の変化に対応し、各種統計も更新しました。読者に親しんでもらえるよう、社会学者の肖像はすべてイラストにしました。現在は、政府資料や専門文献などをインターネット上で入手できるので、以前のように図書館をさまよい歩くことは少なくなりました。││先生の科目を履修していない学生にも一般教養に触れられる最適のテキストでは。松田 多くの人が無理なく読めるように工夫しました。社会学を履修する人でなくても独習できるよう書いたつもりです。また当初から、想定読者は「日本の大学で学べる日本語能力を持つ人」です。かつてアメリカの大学で日本語を教えた経験を生かし、日本語学習上級者が読解できるよう心がけました。さらに日本国籍でない読者もいることを想定した書き方にしてあります。││留学を志望する学生にどう読んでほしいですか。松田 留学先で社会学を履修する人は本書を一読しておき、留学先では巻末の欧文索引を活用してください。本書にはそんな辞書的な使い方にも堪えるはずです。社会学の専門用語は英語などの訳語や音訳語が多いので、私の授業や配布物では原語をカッコ内に併記しています。以前、はじめに言ったリーディング資料を留学に持参した学生が「先生、あれメッチャ役に立つ」とメールをくれました。そこで本書では、原語併記を徹底させ、欧文索引をつけたのです。聞外国語学部教授 松田 健『テキスト現代社会学?第3版?』(ミネルヴァ書房/2800円+税)・・ 「今回は芸能コラムか」と思われた方はお間違いです。本日は、私を救ってくれた、世界に冠たる日本芸術の話をさせていただくつもりだ。その名は「落語」。若い方を中心に「落語」と聞いただけで「古い」「つまらない」といった声が聞こえてきそうだが、実はかく言う私がそうだった。なんとも自分が愚かしい。 私が初めて落語に親しみを覚えたのは50を控えて大阪での単身赴任を始めた頃、気まぐれでipodに入れた何席かの落語を聞き始めたことがきっかけだった。それからは暇があれば、図書館、レンタル店で落語CDを借り漁り、本を読み、思い切って寄席やホールに出かけ、と落語は私のしがない単身生活を大いに豊かにしてくれた。 落語は、一人の演者(噺家)が、どの演目も同じ和服姿で、たいした小道具も使わず、何人もの役を演じ分けて物語を進めていく究極の話芸である。世界でも類を見ない様式の高度な個人演芸と言ってよい。聴き親しんでいくと、庶民が激しく言葉を交わし合う中にも感じられ志ん朝一門/文藝春秋1619円+税私の 押し外国語学部教授 西山 明彦『よってたかって古今亭志ん朝』る救いのある物言いや、随所に挿入された小さな笑いのくすぐり、噺家固有の語りのリズム感などが何とも心地よい。盗人、詐欺師の類もたまに登場するが、どこか間が抜けていて、根っからの悪党は出てこない。落語に親しめば、日本語の良さや昔の人情の機微を再発見すること請け合いだ。 本書は、数ある噺家の中で、その語り口に私が最も癒される古今亭志ん朝師匠(故人)の弟子たちによる回想録だ。好きな噺家の人物像にふれることでまた落語の奥深さを知る。本書はそうした多くの書籍のなかの一冊である。落語を知るには自分のアイドルを見つけるのも有効だ。 ところで私の授業には、敬愛する噺家さんのようなオチはありませんので。お後がよろしいようで。L I B R A R Y N E W S 図書館ニュース L I B R A R Y N E W S「ベスト消費者サポーター章」を受章した外大このひと滝川 好夫 教授英語キャリア学部