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概要

外大通信デジタルブック

THE GAIDAI 2016年(平成28年)12月21日 第287号[ 10]関西外大の最新ニュースはホームページにも掲載しています http://www.kansaigaidai.ac.jp/ Global Outreach フランス・ノルマンディーのカン市にある本学協定校、カン大学から10月13日、国際交流担当のブノワ・ヴェロン副学長ら4人が本学を訪れ、谷本榮子理事長を表敬訪問した=写真。カン大学は国立総合大学で、本学は2002 年以来、カン大学から64人の学生を受け入れ、45人を派遣している。 この日訪れたのは、ヴェロン副学長と国際交流の責任者、イザベル・トゥリニアックさん、外国語教育の責任者、シルヴィ・ルプティさんら4 人。ヴェロン副学長は「日本の大学とのつながりは少ないが、関西外大はカン大学と交流を続けてきた。この関係をもっと深めたい」と訪問の趣旨を語った。本学からは谷本理事長のほか、カン大学大学院出身の英語国際学部の神田修悦教授ら4人が出席。懇談はフランス語で行われ、国際交流部の齋藤千尋さんが通訳を務めた。 谷本理事長が、50 年に及ぶ本学の国際交流を一層充実させるために取り組んでいる、海外留学生グローバルインターンシップについて説明すると、ヴェロン副学長は「カン大学では、卒業間近の学生が韓国などでインターンシップを経験するケースが増えている。期間は2 ~ 3カ月から半年くらい」と話した。トゥリニアックさんも「フランスではインターンシップを経験したうえで職業に就くことが重要視されている。それを留学中に体験できるのは素晴らしい」と評価。谷本理事長は「留学生は未来からの贈り物と考えている。彼らの要望についても、様々な角度からサポートしている」と応えた。 スポーツを通して留学生と日本人学生が交流する「HIRALIMPICS 2016ASUTOMO」が11月5日、中宮キャンパスの学生広場で開かれた。約100人が参加。赤、黄、青、緑、ピンクの5チームに分かれ、6 種目で熱戦を繰り広げた。 昼食をはさんで「ドッジボール」や「借り物競走」などに取り組んだ。「しっぽとり」は、チームカラーと同じ色のテープを腰からつけ、互いに奪い合うゲーム。参加者たちはしっぽを取られないよう、必死に走り回っていた。 「障害物競走」では、顔を真っ白にして小麦粉の中に隠されたあめを探すなど、 中国の対外経済貿易大学(北京市)学生芸術団による日本公演が10月20日夜、中宮キャンパスの谷本記念講堂で行われた。中国伝統芸能の粋を集めた歌や舞踊、京劇などが一般の来場者も含めた観客約300人を魅了した。関西外大孔子学院の主催で、世界の孔子学院を統括する中国政府の国家漢語国際普及指導小組弁公室(国家漢弁)などが後援。同芸術団は2009 年以降、5回の海外巡回公演を行っており、日本公演は今回が初めて。 公演では11の演目が上演された。幕開きは、雑技のだしものとして代表的な「?花旦(しょうかたん)」。京劇の衣装や音楽、技巧とアクロバティックな動きをふんだんに取り入れた集団演技は一糸乱れぬ整然とした動きのなかにあでやかさを漂わせた。 この後、伝統楽器の二胡の独奏、民族歌謡の独唱と続き、京劇の代表作「覇王別姫」が上演された。きらびやかな衣装に独特の化粧をした男性団員が軽やかな踊りと歌唱力を披露した。また、日本のグループ「Kiroro」の曲「未来へ」と、その中国語カバー曲を男女4人が日本語と中国語で歌い分けた。馴染みのある曲がしっとりとした歌声で響き、大きな拍手が起きた。 終盤には、中央アジア・カザフ族の民謡「瑪依拉(マイラ)変奏曲」が登場。女性団員が、カザフの娘マイラが歌う遊牧民と草原の情緒あふれる曲を二胡の伴奏で声量豊かに歌い上げた。民族楽器による合奏「花好月圓」は、仲むつまじさを表現した題名の曲が6つの楽器で合奏され、独特の民族楽器の音色が会場を包み込んだ。 フィナーレは男女7人の古典舞踊「水墨中華」=写真。しなやかな踊りで青色を基調にした長い衣装を宙に舞わせて雲や水が流れるような中国画の世界を表現し、舞台は最高潮に達した。HIRALIMPICS 2016ASUTOMO100人参加 5チームで熱戦展開中国の学生芸術団が公演仏・カン大学から副学長ら4人来訪市民ら300人を魅了さまざまな〝障害〟を乗り越えてレースを行った。 盛り上がったのがチーム対抗の騎馬戦。4人1 組で騎馬を組み、上に乗った人の頭につけた金魚すくいのポイが、相手チームの水鉄砲で破られたら負けというルール。水鉄砲の水でびしょ濡れになりながら、相手チームの騎馬を懸命に追いかけた=写真。最後のチーム対抗リレーはスリリングな展開となり、大きな拍手と歓声が送られた。 大阪で生まれた72 歳の日系アメリカ人女性が、留学生別科で学んでいる。1970 年にアメリカ人男性と結ばれ、海を渡ったKay Raymond(ケイ・レイモンド、日本名・大久保和子)さん=写真。現在はニューハンプシャー州で生活し、プリマス州立大学の学生だ。50 年に及ぶ異文化体験を2 冊の本にしてアメリカで出版、エッグシェル・アートの分野でも大活躍。「忘れかけていた日本語を完璧にしたい」と本学に留学し、別科では日本語や陶芸に取り組んでいる。Kayさんは「留学中に、本の続編執筆と祖国・日本での出版を目指しています」と夢を語る。 Kayさんは高校を出て数年間、バンコクやシンガポールで生活。帰国して大阪市内で洋裁店を開いていた1970 年、アメリカ人のエンジニアと知り合って結婚し、同年9月に渡米した。しかし、日米2つの文化の板挟みとなり、苦労の連続。いったん帰った日本でも疎外され、アメリカに逆戻りした。 結婚当時の苦労話や子どもを抱えて頑張ったことを書きため、忘れかけたことを思い出しながら文章をまとめ直し、約5 年前に“Japanese wife”(日本人妻)として出版。さらに、“Japanese Mother”(日本の母)と題した2 冊目も合わせ、インターネット通販で約1300 部を売り上げている。 2人の子が独り立ちし、芸術感覚を磨きたいと、プリマス州立大学に社会人入学し、アートを専攻。数年前から卵の殻に色づけし、細かく割って紙などに貼り付けるエッグシェル・アートを手がけ、展示会などで評判を呼んだ。ファンもできて絵が売れるようになり、今ではKayさんの生きがいとなっている。 本学に留学してからは、学業優先。若いころに親しんだ日本語は、細かいニュアンスまで思い出し、ネイティブの日本人並みに上達。エッグシェル・アートをする余裕はないが、授業でのプレゼンテーションで本や絵の業績やたどってきた人生について留学生の前で話すなど、別科での学びは順調な様子だ。Kayさんは「留学中に、2 冊の本を日本語版にして発刊する夢をかなえたい」と話し、翻訳者や出版社を探している。米国で出版した2冊の本エッグシェル・アートの作品「日本で出版したい」エッグアートと著作に情熱日系一世のKayさん・72歳米から別科へ“里帰り”中