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概要

外大通信デジタルブック

THE GAIDAI 2016年(平成28年)12月21日 第287号[ 4]関西外大の最新ニュースはホームページにも掲載しています http://www.kansaigaidai.ac.jp/ Gaidai News JAL国際線のCA・水谷茜さん=写真=との座談会が行われた7105号教室は、整理券をもった学生50人ずつが15分ごとに入れ替わる人気ぶりだった。 水谷さんは、国際線のニューヨーク、フランクフルト、東南アジアなどの路線に乗務し、現在、国際線ファーストクラスの乗務に向け勉強していると自己紹介した後、黒板に並べた十数枚のスライドを1枚ずつ手に取ってCAの仕事について語った。 航空機の種類や出発前の事前ブリーフィング、コックピットのパイロットらとのあいさつ、機内での飲食のサービスなどについて説明した後、「CAは体調管理が難しい。大切なのは、よく寝ること、よく食べること、よく笑うこと。日本に帰ったときは、そのことを心がけています」と話した。 質疑応答では、「入社前と入社後でイメージが変わったことはありますか」との質問に、「もともと雰囲気がいい印象の会社でした。入社したのは破綻後に採用が再開したときで、『新しい人が来てくれるのを待っていた』と言ってくれて、うれしかった。先輩たちも気遣ってくれ、後輩のいいと思えることを書く〈いいねカード〉をもらったりしました」と答えていた。 印象に残ったエピソードについて聞かれると、「国内線に乗っていた新人時代、初めて飛行機に乗ったらしい小学生が窓から外を見るなどしてワクワクしている様子だったので、メッセージとキャンディをあげたら、後から返事がきたこと」と紹介し、乗客への気配りの大切さを強調した。 ANAのCA・辻野千鶴さん=写真=との座談会では「育児休暇」など、2児のママさんCAとしての経験に質問が集中した。 辻野さんは、小学1年と幼稚園児を育児するため、4年間休職したという。「CAは時短勤務が難しいが、今年は5割程度の出勤日数で働かせてほしい」など育児中は希望を聞いてもらえるという。子育て後も辞めてほしくないことから、「ANAには、できるだけ長く働き続けられる環境は整っている」と話す。このほか「エアラインスクールに通うべきか」「留学は行った方がいいか」などの質問が出ていた。 座談会に参加した男子学生は「男子のCA採用はないのですか」と質問。「総合職の人が一時的に乗務することはあっても、男子は少ない」という。しかし「外資系やLCCでは見かけることもあるので、ぜひ挑戦してほしい」とエールを送った。 航空業界への就職をめざす学生が業界の魅力を知って、夢の実現に道を拓いてほしい―。全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)2社の協力を得て「関西外大エアラインフェアincollaboration with ANA&JAL」が12月10日、中宮キャンパスで開かれ、学生約600人が参加した。フェアは基調講演、シンポジウム、OB・OGおよび、航空業界内定者と在学生の座談会など多彩なイベントが行われた。 谷本記念講堂での第1部では、谷本義高大学学長の挨拶に続き、ANA取締役専務執行役員・河本宏子氏による「お客様と仲間の笑顔を最高の歓びに―航空業界を目指す皆さんへ」と題した基調講演が行われた。 河本氏は、①航空業界全体を取り巻く環境は、今どのような状況にあるか②航空事業のなかで、何を大切にしているか③ダイバーシティ(多様性)を取り入れることの重要性とANAの取り組み―の3点について話した。まず国内航空需要について「新幹線ネットワークが発展して、新幹線の方が便利なのではないかと言われている。しかし、国内航空需要も作っていかなければならない。事実として旅客数は2006年をピークに減少を辿っているが、その減った部分を海外からのお客さまに、国内でLCC(格安航空会社)を活用して利用者を増やせないか、いま各社が考えている」。一方、国際航空の需要は「アジア・太平洋地域を中心に、かなり需要が膨らんでいくことが予測されている」としている。今後について、「海外からのお客さまを取り込みながら、なだらかなラインではあるが旅客を増やせないか。国際旅客もLCCなどのブランドを使って、業界全体を大きくすることができないかというのが、今われわれが持っている戦略だ。グローバルマーケットで見たとき、そこにはチャンスがあるし、ANAだけではなく、日本の航空業界が翼を伸していこうとするなかでは、みなさんのような若い力が必要になってくる」という。 ANAグループがめざすものは、世界をつなぐ心の翼で未来に貢献する「経営理念」、確かな仕組みで安全を高める「安全理念」の両輪で回っており、理念に基づく「安全」「お客様視点」「社会への責任」「チームスピリット」「努力と挑戦」の行動指針が掲げられたブックを、ANAグループ3万6000人全員が持っているという。最も守るべき「安全」では、パイロット、客室乗務員(CA)は乗務する資格をキープするため、年に一度の緊急想定訓練を行い、飛行機で仕事をしていない人も含めた全グループ社員が対象の緊急脱出訓練やヒューマンエラーへの教育を実践していると説明した。 ダイバーシティの必要性について河本氏は、「個性を大事にして一つの方向に向かって強い会社を作ろう。それが会社が生き残るということで、その原動力は『人財』であったり、『女性』の活躍だ」として、経営戦略としての女性の活躍推進をあげた。いまANAの女性役員は4人。グループ会社には5人の女性社長が生まれ、経営の場に出て行っている。また、日本初の3万時間のフライトを達成したCAが現在も乗務していることが紹介された。さらに、社員アスリートが働きながらひとつのゴールを目指しており、これが私たちにとっても大きな刺激になっているという。最後に、「多様な人財がそれぞれの個性を生かして、未来を作っていく。そんな会社、そんな業界をめざしている」と講演を結んだ。in Collaboration with ANA & JAL航空業界を目指す君へ河本氏が基調講演ANA取締役専務執行役員JAL座談会CAの仕事を説明ANA座談会質問は育児休暇基調講演をするANAの河本取締役専務執行役員真剣な表情で講演を聞く参加者