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概要

外大通信デジタルブック

GotenyamaCampusGlobal Town09――御殿山キャンパス・グローバルタウンの開学まで1年となりました。新キャンパスは、関西外大70年余の歴史でどう位置づけられるのでしょうか。谷本 本学は不留の精神に基づき時代の潮流を踏まえて着実に発展してきました。社会経済や教育内容のグローバル化に合わせた戦略のもと、教育環境として重要なキャンパスを充実させ発展してきたのです。 今回は中宮に近接する御殿山に新キャンパスを開設することで、中宮・学研都市の2キャンパスが一本化できることになりました。これにより、全学挙げての体制が構築できることになります。その出発点が2018年です。――新キャンパスの目玉は本学学生と海外からの留学生が学・食・住をともにする700人規模の居住スペース「Global Commons 結― YUI ―」です。新しいタイプの国際交流拠点と位置づけていますが、どのような経緯で構想されたのでしょうか。谷本 グローバル人材とは、高度な語学力を有し、異なる国や文化、民族、歴史、宗教への洞察力と、異なる価値観への寛容さを持ち、客観的論理的思考力を身に付けた人材です。そうした人材の育成に向け、留学生と本学学生が一緒に住む世界の縮図をつくろうと考えたのです。 毎年、留学生は約40か国から360人程度来ます。外大ビジョンで「キャンパスは〝ちきゅう?」とうたっていますが、Global Commonsが地球になるわけです。 住むだけでなく、学びの場も必要になりますが、教室にいくという概念も捨て、住んで、学んで、体験して、そして成長するという国際交流の拠点にしたい。それが御殿山キャンパスの狙いであり、その最重要施設と位置づけられるのがGlobal Commons 結―YUI―です。―― キャンパス内の施設は、GlobalCommons 結― YUI ―のほか、低層教室群はイタリア語で郊外の広大な庭付きの別宅などを意味するVillaと名付けるなどユニークです。どんな発想からですか。谷本 普通の学校にはしたくないという思いがありました。学生には浮き浮きした気分で大学に来てほしい。イタリアだと電車、バスに乗って、今日はベネチア、明日はフィレンツェといろいろな都市に行けます。そういうイメージで、キャンパスを街にしようと考えました。大学が街で、いったん入れば帰りたくなくなるようなところにと。そういうものをつくると、勉強にも身が入り、学校という施設も有効活用できます。勉強もできるカフェ・コモンズをつくり、コーヒーチェーンにも入ってもらいました。 また、街にしてしまえば、留学生が集まっている建物にわざわざ行かなくても、留学生も街に出てきますから、自由に会えます。こういう発想でキャンパスをつくった大学は、ほかにはないだろうと思います。――キャンパスの一体化は、学生にとってもメリットが大きいと思います。谷本 中宮キャンパスでは、本学学生と海外留学生が共に出会い、一緒に活動できる環境として、7号館をつくり、留学生の授業とキャリアセンターをそこに移しました。キャリアセンターはカウンターをなくし、7号館に入れば、自然とキャリセンターを通らざるを得ない形にし、学生が弁当を食べたり、待ち合わせしたりできるスペースを設けました。そうすると、留学生も待ち合わせ場所として利用するようになります。その結果、自然と本学学生と留学生との交流も増えました。 御殿山キャンパスもそういう発想から、学生が入っていきやすいところにしようと工夫しました。すべての施設を本学学生と留学生が使えるので、異文化体験ができ、真の国際交流が生まれてくると思います。外国に行かなくてもキャンパス内の活動を通してグローバル人材が輩出できるのではないかと期待しています。 学生生活については、全学部の授業科目の一部を両キャンパスで開講することを予定しています。これにより、全学の学生が異なる雰囲気の2つのキャンパスを利用して勉学に励むことができます。クラブ活動についても、両キャンパスの利用が可能になることから、豊富な人材が集まり、学生同士の交流が活発化し、1+1=2以上の効果が生まれてくるのではないでしょうか。――御殿山キャンパス・グローバルタウンの建設は、外大ビジョンを定めた「関西外大ルネサンス2009」の整備事業の第10期に位置づけられると聞いています。谷本 新キャンパスは、関西外大ルネサンス2009にのっとったものです。ただ、つくって終わりではなく、稼働させて、成熟させなければなりません。今後は大学を取り巻く環境がさらに変化するので、社会の流れを見据え、不留の精神に基づき、荒波をしっかりととらえていきたいと考えています。不留の精神に基づくキャンパスの変遷史グローバル・コモンズは留学生と本学学生が共生する世界の縮図キャンパスの一体化で課外活動が活性化するウキウキした気分で、毎日を過ごして欲しい!