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概要

外大通信デジタルブック

33スキー漬けの4年間になった」と振り返る。 合宿費や用具費を捻出するために練習の合間にアルバイトに精を出し、シーズン中はスキー部創設者の先輩が営む長野県内のロッジに居候し、1日の仕事が終わった後、練習に励んだ。先輩たちの熱心な指導が実を結び、関西の競技会で入賞するほどのレベルだったという。 卒業は男女雇用機会均等法施行の年と重なった。就職したソフトウエア開発会社では、女子社員も残業時間が月200時間を超えた。家には寝に帰るだけという生活に「このままではスキーも出来なくなる」と見切りをつけ、小中学生対象の英会話教室の講師に転職した。 マラソンにも取り組み始めた。大学時代のスキー部の夏の練習はサッカーと走ること。トレーニングはできていた。次々に目標ができた。 「フルマラソンを走りたい」――1987年の篠山マラソンを4時間37分で初完走して実現。「大阪国際女子マラソンに出たい」――2012年の福知山マラソンで3時間13分を出して出場資格を獲得し、13年の大阪国際女子で3時間8分。「いつかは100㌔マラソンを完走したい」――2016年4月の奥熊野韋駄天ウルトラマラソンでサブテン( 10時間切り)の8時間38分のコースレコード。そして、16年大阪マラソンを経て、17年大阪国際女子でも2時間59分23秒のサブスリー成し遂げた。 英語教室の講師を20年ほど続ける傍ら、午前中の空き時間を利用してヘルパーの資格を取った。講師と介護職員の二足のわらじ生活は次第に介護に傾き、4年前に介介護の仕事を天職と決める護一本に決めた。 「高齢になり、ぎりぎりの生活を送っている人も多い。そんな人たちの中に入っていく介護の仕事は、人の人生の最後の瞬間を輝かしいものに変えることができるかもしれない。奥が深く、多くのことを学べる」と、天職と決めた。そのことを悟らせてくれた事業所の上司の言葉が背中を押したという。 ヘルパーの責任者として職場を束ねながら、認知症高齢者介護の専門家を目指し勉強中という。毎日朝5時に起き、10㌔を走り、シャワーを浴びて職場に向かう日々だ。 後輩たちに「夢を持とう」と呼びかける。「好きなものを見つけて、打ち込んで、チャレンジし続けていると、私のように50歳を過ぎてもわくわくした人生を送れます。少しぐらいつまずいても、楽しみを大事にしてほしい」。での・ひろみ/1963年大阪市平野区生まれ。86年関西外大外国語学部英米語学科卒。社会福祉法人・三秀會(大阪市生野区)の「ヘルプセンターいらか」サービス提供責任者。介護福祉士。87年の篠山マラソンでフルマラソン完走。2016年大阪マラソンで初のサブスリー(3時間切り)達成。2017年10 月にシカゴマラソン出場予定。Profile2016年大阪マラソンで初のサブスリー達成勤務先の社会福祉法人前で