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概要

外大通信デジタルブック

29もう一度チャレンジ英語作詞家デビュー日本のことも学んでほしいレッサンドロ・デル・ヴェッキオ氏に依頼。制作費の半分は活動に賛同するクラウドファンディング(不特定多数の人から資金を集める方法)で賄われた。 「私の声を多くの人に知ってもらい。11年ぶりの音源復活で『国際ヘビーメタル・プロジェクト』も復活させて、もう一度チャレンジする姿を見ていただきたい」と、たくましく話す。 音楽活動は、外大在学中からサークルでロックバンドを結成。卒業後もライブ活動を続け、2002年にヘビーメタルが盛んなドイツに単身乗り込んだ。たったひとり、現地でバンドメンバーを集め、現地レーベルと契約も交わした。04年にソロ・アルバムデビューを果たした。これが、最初の世界デビュー。 翌年、世界最大級のヘビーメタル音楽祭「WackenOpen Air」に日本人女性として初めて出演。その後、海外有名ミュージシャンとヨーロッパツアーを展開した。一方で「しっかりした英語で歌い、聴衆に語りかけるミュージシャンはどれだけいるだろうか」と考えるようになり、さらに文化、商習慣の違いもあって、06年にいったん帰国。音楽活動を休止した。 「まず言葉と文化の壁をぶち破りたい」。帰国の翌年にオランダの名門国立ライデン大学大学院に留学。英語言語と文化学の修士号を取得し、さらに商慣習の壁を破るため日本の知的財産管理技能士資格も取得した。帰国後、「英語作詞」「音楽英語」のプロとして、世界に羽ばたく若い日本人アーティストを支えた。 英語作詞家としては、ブータン国王の結婚式祝賀ソングを作詞するとともに、東日本大震災の犠牲者を追悼するチャリティーソングを制作。インターネットを通じて世界に発信し、曲のダウンロードによる収益金を義援金に充てる活動を行った。 こうした音楽活動を続ける過程で、もう一度世界に向けて音楽を発信したい気持ちが再燃した。「対立する国々の人たちも、コンサートでは声を合わせてひとつになり、歌詞(メッセージ)を共有することができる。日本人でも、しっかりした英語で想いを歌に乗せれば、世界のリスナーにメッセージは届けられる」。リリースした2曲は、音楽活動再開のステートメントだという。 外大の後輩には「折角、英語や外国のことを勉強してきたのだから、それを生かしてほしい。そして、外国の人に日本のことをもっと発信できるよう日本のことも知ってほしい。私も外大時代に『武士道』について学びました。自分ひとりの力は小さいけれど、それを外大全体の力にすれば、大きな力となって国際交流、国際貢献ができるのではないでしょうか」と、メッセージを送った。2014年10月、ベルギーでのライブ出発を前に自宅で構想を練る