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概要

外大通信デジタルブック

11は非常に活動的です。重要なことは、第一に世界を知ること、新しい人々、新しい文化を知ること。第二にアカデミックなことを学ぶことだろうと思います。コンシグリ 異なる文化、異なる人々に興味をもち、対話の能力をもつこと、異なる国の人と友人になりたいと思うことが重要だと考えます。人間関係は国によって異なり、ラテン人は友好的です。他人の文化には寛容に、自らの文化には誇りを持つ。そうすれば関係をよくすることができる。ロドリゲス 私たちはグローバルに結ばれた社会にいます。残念なことに、私たちは地理的に分断されているだけでなく、政治、イデオロギー、宗教、経済においても分断されています。留学は、現地の学生や教員と関わることを通して、その国の政治や宗教について理解を深めることができる重要な機会となります。谷本 学生の人生を決めるターニングポイントになると考えています。職業選択や人間性を構築するうえで重要なのが高等教育における留学だと思います。日本では電車は時刻通りに来る、モノを置いていてもとられない、安全で便利な国で、それがグローバルスタンダードだと思いがちです。しかし、他国は必ずしもそうではない。真の異文化体験ができるのが留学です。――グローバル市民(global citizens)の定義は何でしょうか。ロドリゲス 大学では、グローバル人材の育成につながるような教育をしたいと常々考えています。どこの国に住むにしても、世界に適合しなければならない。我々は、学生がグローバル人材となるような経験、技能を提供する必要があります。コンシグリ 我々は学生に真実を理解する力を提供しようと試みています。起こっていることを知るだけではなく、真実を知ることが重要です。情報があふれるなか、聞く能力、真実を見分ける能力が求められます。デジタルなど様々なスキルにも対応しなければならない。コッコ グローバル人材は、ものを考える上で国境を感じない人々だと考えています。高度に教育されたグローバル人材はとても重要です。そうした人々は寛容で、他人の意見をよく聞き、知識をもち、新たな情報や考えを受け入れる準備ができています。谷本 仮に国境がなくなったとしても、人々の外見の違いからはじまって、内面の違い、宗教観、民族の歴史などについての寛容さがなければいけないと思います。それを理解したうえで、相手とコミュニケーション、ネゴシエーション、ファシリテーションをとっていくとすれば、それらに対する深い洞察力のうえに寛容さが必要になってくるでしょう。――貴大学のミッションは。人的資源を育成するプログラムについてお聞かせください。コッコ 我々のミッションは非常にシンプルで、「ハーガヘリアは新たなキャリアに向けた門戸を開いている」です。大学は学生が卒業後、目指すキャリアに就けるよう全力を尽くします。そこには、インターナショナル・グローバルなアプローチといったいくつかのアプローチがあります。コンシグリ 我々は、イノベーション能力を上達させようとしています。イノベーションに関する分野をまたいだ科目を設け、デジタルに関する能力、機械・人工知能などの分野における管理能力を育成しています。社会的責任として、国内の貧困などの問題を学生に理解してもらうことも大切です。ロドリゲス インターナショナリゼーションを重んじ、研究者も、災害や地震など世界的な側面に焦点を当てています。学長になって9カ月ですが、グローバル市民を育成することに焦点を当ててきました。学生たちに、世界は相互につながり、相互に依存していることを理解させるよう努めています。谷本 外国語大学というと、外国語を勉強するところと思われがちです。語学は必要だが、それをベース、ツールとして幅広い教養を備えた学生を育成するのが本学のミッションと考えています。それによって、国際人となるべく能力を身につけるような教育をさらに推進していこうと考えています。グローバル人材はものを考える上で国境を感じない世界は相互につながり、相互に依存している握手するコンシグリ、ロドリゲス、谷本、コッコ各学長(左から)◇出席者(敬称略)谷本 義高関西外国語大学学長ハビダン・ロドリゲス米ニューヨーク州立大オルバニー校学長テーム・コッコフィンランド・ハーガヘリア応用科学大学学長ホセアレハンドロ・コンシグリアルゼンチン・ブラスパスカル大学学長ハビダン・ロドリゲス米ニューヨーク州立大オルバニー校学長テーム・コッコフィンランド・ハーガヘリア応用科学大学学長