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概要

外大通信デジタルブック

13 京阪電気鉄道では、米フロリダアトランティック大学出身のディエゴ・ラミレズ君が、鉄道施設や関連するテーマパークで実習を行いました。ラミレズ君は「この体験を活かして、ぜひ日本で働きたい」と抱負を語りました。 ラミレズ君に与えられた課題は、京阪電鉄や駅、テーマパークへの訪日客の視点で、利用しづらい点はないか。同社のホームページに改善すべき個所はないか―などを指摘し、提案するというもの。また、ひらかたパークでのフィールドワークでは、訪日観光客をより多く受け入れるための施策を考えることでした。 実習最終日の6月15日、大阪市中央区の同社本社で、訪日客受け入れのための環境改善について、プレゼンテーションしました。ラミレズ君は京阪特急の座席指定特別車両「プレミアムカー」について、「プレミアムカー券という別のチケットが必要だということが、外国人には分かりにくい」「アメリカには24時間表記の時刻表がないので、例えば21時の下に小さく『9PM』を入れると分かりやすい」などの改善を提案。一方で、訪日外国人旅行者専用乗車券「サイトシーイングパス」について「割安感があり、留学生の友人にも勧めたい」と感想を話していました。 一方、ひらかたパークに対しては▽ホームページの外国語版を、日本語のページ並みに充実させるべき▽パーク入り口のイベント案内には翻訳版が必要▽SNS・ユーチューブの活用―など誘客への提言をしました。 本社オフィスでデスクを並べて2週間、彼を見つめてきた経営企画部の長澤正治課長は「課題に対してよくここまで仕上げてくれました。アメリカに戻ることになっても、日本のオフィスで得た感覚を忘れないで、日本とアメリカの架け橋となってほしい」と、労いました。 実習を終えたラミレズ君は「日本で仕事をすることも考えています。アメリカに帰ることになっても、この体験をいい経験として思い出にしたいです」と話しています。駅表示板やひらかたパークを留学生が訪日客の視点で見た京阪電気鉄道株式会社Keihan Electric Railway Co., Ltd.(写真上)京阪電鉄本社で社員を前に改善点をプレゼンするラミレズ君 (写真下)ひらかたパーク案内板について提言したパワーポイント画面 海外から本学の留学生別科で学ぶ留学生が日本国内の企業、教育・行政機関、団体で就業体験する「海外留学生グローバルインターンシッププログラム(KGIP)」。4回目となる2018年度は、アメリカ、オーストラリア、メキシコ、トルコなど14カ国・地域の留学生56人を対象に、企業18社、小・中・高校16校、総領事館など行政機関4の計38カ所に派遣されました。概ね2~3週間の派遣で、なかには3カ月間の長期に及ぶ実習もありました。留学生たちは「貴重な経験ができました」と成果に満足そうでした。