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概要

外大通信デジタルブック

24 「近い将来、開発途上国で様々な仕事のチャンスがやってくる。英語や西洋文化を学んでおくことが大切」。高校時代、ある先生に言われた一言。それが開発途上国の支援に携わるという目標を与えてくれた。 ここは、フランス・パリにある経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部。外務省在外公館専門調査員として働き、OECD対外関係委員会を担当している。OECDは、軍事、文化以外のあらゆる分野における実証分析と政策提言を行う国際機関で37の国が加盟している。主な仕事は、新規加盟国、ブラジルや南アフリカなどOECDがキーパートナーとして認定した国との関係構築、東南アジアや北アフリカ・中東など特定の地域と協力関係を進めるための戦略を練っている。これらを議論するために必要な情報を集め外務省と協議し日本政府としての対応を決める。議論する過程で膨大な資料を読み込み、時には他国のOECD代表部との会食やミーティングに同席し、必要な情報を得る。大変なことも多いが、外交を通じて日本の国益や世界の経済成長、国際社会における日本の影響力を高める一翼を担っていると思うとやる気がみなぎる。すなはら・じゅんぺい/1987年京都生まれ。2010年関西外国語大学外国語学部英米語学科卒。10年枚方信用金庫に入社。14年青年海外協力隊でマラウイへ派遣。16年イギリス・ブラッドフォード大学院へ進学。17年青年海外協力協会近畿支部。現在は、OECD日本政府代表部 専門調査員。Profile外交の最前線先進国と開発途上国ともに発展を目指す途上国の現場を知るためJICAでマラウイヘ 海外で働くというとマッキンゼーやゴールドマン・サックスといった外資系企業で働くことをイメージしていた。しかし、「国際関係論」でグラミン銀行というバングラデッシュで無担保の少額融資を専門にする銀行について学ぶ機会があり、海外で働くといっても様々なフィールドがあることを知った。自分がしたいのはこれだ。金融と開発の分野で、現地に根差した支援。卒業後、すぐに大学院に進学するか民間企業で働くか迷った。社会人の先輩に相談すると「まずは日本の社会を知り、人と人との繋がりの大切さを学んだ方がよい」とのアドバイスを受け民間企業に就職を決めた。将来、金融分野で開発援助に携わりたかったので基礎を学ぶため信用金庫に就職を決め約4年間働いた。 青年海外協力隊(国際協力機構JICA)でアフリカ大陸南東部に位置するマラウイへ。マラウイの公用語は英語。しかし、住んでいた農村部では現地語のトゥンブカ語が主要言語。そんな現地では電気や風呂もなく、ドラム缶に水を入れ薪で温めて入ったことも。 JICAで課されたミッションは、農家の収入向上だ。農村部私にとって海外で働くとは関西外大で見つけた目標私の夢の叶えかた? 視野を広げ世界を舞台に砂原 遵平外大人 VOL. 6 OB・OG InterviewOECD日本政府代表部