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概要

外大通信デジタルブック

Mandai-ike英語キャリア学部 塚田 泰彦 教授学ぶことを焦らないで、自分流の学びを創る万代池は、大阪市住吉区にある池。周辺は万代池公園として整備されている。本学は1953 年、近くに関西外国語短期大学を開設。草創の地として受け継がれている。つかだ・やすひこ/東京教育大学教育学部教育学科卒業。東京教育大学大学院教育学研究科修士課程修了。博士(教育学)。筑波大学名誉教授。2017年4月より関西外国語大学英語キャリア学部英語キャリア学科小学校教員コース教授。国語科教育および教育学関連の授業科目を担当。著書に『読む技術』(創元社、2014)、『語彙力と読書』(東洋館出版社、2001)等がある。Profile  学びに生じる混乱の原因には、押し寄せる情報の多さとそれへの対応の難しさがある。あなたは、自分のための情報処理の方法を自覚的に洗練しようとしてきただろうか。なんとなく、手元の情報端末の利便性の高いシステムに大半の判断を委ねてしまっていないだろうか。 現在の学びの環境は情報のネットワーク化が複雑に進む一方で、学習者の目には必要にみえる情報だけが表示されてくる。このため、例えば、ネットで提供される英語力アップのための多くのコンテンツも、一つ一つが学力不足の学生の不安を煽り、学生はどうしても自分の学びのペースを崩しがちになる。 学びの基本的な姿は、自分の既にある知識と技術と経験の「再生産+アルファ」という僅かな変化である。このため、学びにとって重要なことは、この変化を根底で支えつづける「学ぼうとする意欲や信念」を自覚的に形成することである。得てしてこの学びの基盤となるものを大切にする努力を忘れて、学びがまるで自分にとって新鮮で飛躍的な成長を約束してくれるかのように誤解し、結局、期待するほどのスキルアップにつながらないということになる。足もとを掬われて、学びのコンテンツのただの消費者に成り下がってしまう。 学ぶことは自分を創ることであり、知識や技術を増やすことは二の次である。生涯にわたって学びつづける習慣を支えることになる、この学びに向かう確たる信念は、今、この本学での学生生活で創らなければならない。The Gaidai 関西外大通信 No.294 Summer, 2018 2018年7月27日発行 発行:関西外国語大学 〒573-1001 大阪府枚方市中宮東之町16-1 http://www.kansaigaidai.ac.jp/万 代池