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概要

外大通信デジタルブック

291. 好きな演目は「坂本龍馬もの」2. 龍馬の名言を英訳し、ボードに書き示す3. 2003年、留学生別科修了式後に自作の「墨絵」の前で担当のスコット先生㊧と記念撮影4. 玉田玉秀斎さん㊧と「同時通訳講談会」を開く5. 2人の軽妙な掛け合いに会場から笑いが起こる12345ん)に出会い「好きな日本の歴史を講談で語りたい」と、玉秀斎さんに教えを請うた。 13年10月には、講談界の大御所・四代目旭堂南陵師匠に入門。いまの「旭堂南春」の名をもらった。翌11月には、南陵師匠が主宰する「講談日本一亭南陵会」でデビューした。17年に日本の永住権を取得すると、ALTを辞め本格的に講談の道に。 得意演目の坂本龍馬を知るためにたびたび高知県を訪れ、講談に磨きをかけた。また、鹿児島県を訪問し、西郷隆盛の子孫から話を聞くほどの行動力と熱心さで、幕末ものにも深みが増した。 今年2月から、玉秀斎さんと組んで「同時通訳講談会」を始めた。自らは日本語で語り、玉秀斎さんが英語に訳すというスタイルで、この会は7回目を数える。互いに留学経験のある2人が抑揚のある2カ国語のやりとりが迫力と軽妙さを醸し出す。冒頭の台詞は、同時通訳講談会での演目「坂本龍馬とお龍」の始めの語りである。間髪入れず玉秀斎さんが英語に置き換えると、会場からは盛んな拍手がわき起こる。 「人間、好きな道によって世界を切り拓いていく」―。講談に出てくる龍馬の名言を英語ではどう表現するか。公演前、ボードに書き込む光景はちょっとした英語教室だ。 これから、講談が中心の生活になるという。夢はと尋ねると「一番は日本人になりたい」。永住権の次は日本国籍の取得をめざすという。そのうえで、講談師として幕末の歴史を多くの人に広めたいという。とはいえ、着物の着付けを一人でこなすなど、日本人を超えたアメリカ人だ。 一方、師匠の南陵さんに弟子への期待度を聞くと、「少し稽古が足らんな。もっと稽古せんと、プロなんやから。これから本格的に講談をやるんなら、甘えてたらあかん。外国人と言われて珍しがられるのは今のうちだけや」と手厳しい。 これから留学をめざす本学の学生には「When in Romedo as the Romans do(郷に入れば郷に従え)」の心構えが必要で、留学先で何かを学ぶためには、大切なこと。自分も日本でのモットーにしてきたという。隆盛公の子孫にも会う