ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

外大通信デジタルブック

131. ユニークな授業を支える教育環境。教室と通路の間に壁はなく開放的2. 児童が作ったマインクラフトの作品を説明3. ホワイトボードの壁に投影した映像に板書4. 英語の本を読む児童が多い図書室5. 広い廊下には児童の作品の展示も(いずれも京都市北区の立命館小学校で)12345 注目されたのは、正頭さんの?仕掛け“で、授業の各段階へ児童の提案や発見で進んで行くことだった。アクティブラーニングの実践だ。正頭さんは「プログラミング的思考や21世紀型スキルが求められる活動ですが、なにより英語でチャレンジすることに価値があったように思います」という。 この他にも、ゴールから逆算して設計・計画する学級経営メソッドの提唱など、正頭さんの活動は広く深い。 「大学生のときには、夢や目標は特になかった」と振り返る。 「名誉な賞にノミネートされて光栄です。でも、教職も大学4年次から履修して、ずっと教員を目指してきたわけではありません」。ゼミで学んだ「アメリカの法律」が大学での学修で最も印象に残っている。 そのうえで「夢がない分、目の前のことを好き嫌いせず、全力で取り組もうと決めて、英語の勉強には一生懸命でした。いろんなことにも懸命に取り組み、たくさんのアルバイトも経験しました。あまり人がしていないようなアルバイトを率先してやっていました」という。 学ぶうち、目標ができた。 「一流の教師になりたい」 子どもたちに、最も大切だと教えることは2つ。 「挑戦する勇気を持つ」 「人のために学ぶ」 2点を浸透させるため、教壇に立つ正頭さんが、常に自分を戒めているモットーがある。 「子どもは可能性の塊なんです。それを極力奪わないようにと、意識しています」 教育環境は時代によって刻々と変化する。最前線に立つ教師は、それを敏感に感じ取らねばならない。 「暗記重視の学習から知識活用の時代に突入しています。そうした世界では、ICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)や英語を自由に使いこなせることが、グローバルスタンダードへの第1歩になると思います」 後に続く者へ、正頭さんはアドバイスをおくっている。夢がないからこそ懸命に一流の教師を目指してグローバルティーチャー賞 英国の非営利教育団体「バーキー財団」が、世界の教育者を対象に、優れた功績を顕彰する目的で2014年に創設。第1回優勝者発表は15年3月。日本人は、16年に中学校教師がファイナリスト10人に、18年に高等学校教師がベスト50人に選出。日本人の小学校教師では正頭さんが初のベスト10人選出。19年発表の同賞は昨年12月、世界約150カ国約3万人からベスト50人を選出。2月に10人に絞り、3月にアラブ首長国連邦・ドバイで優勝者が発表される。