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概要

外大通信デジタルブック

31大阪湾観光船でのイベント企画▽香港から滋賀県への旅行商品発売▽新商品開発――など数多く実現化しました。さらに、機内販売商品開発のANAクラスは、14年のPBLグランプリ大会で準グランプリにも輝いています。 PBLは、7年間で約50の企業・行政・団体(重複あり)と連携、1千人近い学生が履修。多くが卒業後、大手企業および優良中堅中小企業で活躍しています。神田教授は「PBLは就職の面接で有利に働いています。PBLは単に就活力を高めるものではなく、社会から信頼される力、社会で活躍できる力を高めることをめざしています。面接で『PBLってどんな授業?』と深掘りした質問をされれば、おのずと特別な強みとなり、自己アピールにつながっていると思います」と、履修効果を強調します。□高い履修生の就職率 元履修生も「PBLを通してチームワークの大切さ、討論することを学び、グループ面接でも積極的に発言することができました」と、効果を話しています。キャリアセンターでPBLを担当する坪田悟課長補佐は「PBLが就職に役立つことを理解して履修する学生が大半で、学修したことが確実に活かされています。例えば18年卒( 16年度の履修生)の就職 2012年4月に始まった国際言語学部(現・英語国際学部)のPBLには準備段階から携わりました。何をテーマに、どの企業・団体と組み、期間は半年か1年か――。白紙状態からの出発でしたが、企業勤務時代(サントリー出身)に大学と連携した取り組みを行っていたので、その経験が生かせたと思います。 提携先探しは当初、正面から行って断られ、人脈を頼ったり、売り込みと口説きのアプローチをかけたりしました。その結果、大阪府商工労働部、京阪電気鉄道、叶匠壽庵(和菓子メーカー)、千日前道具屋筋商店街振興組合の4者から合意を取り付け、コラボする学生4チームが「いかに顧客を増やすか」などの課題に取り組む形でスタートしました。 企業側には当初、最低限、最初の授業と最後の報告会への出席を依頼しました。だが、やってみると、なかなかおもしろいとあって、何度も来られる企業も出てきました。チーム数は翌年から一気に7チームになり、現在は8チームになっています。 PBLは生きたテーマをこなす実学ゆえに、学生は自分で考え、動き、説明することが求められ、課題解決力や自主性、コミュニケーション力を養います。4月に始まり、秋学期が終わる頃には見違えるほど大きく成長し、自信も深めます。 授業を通して培った力は就職活動にも有利に働きます。優良だが学生に知名度のない中小企業をPRする課題に向き合った履修生は、会社の理念や社長の人柄にひかれ、この会社に就職しました。日本アイ・ビー・エムに入社した中国人留学生は「PBLをやってよかった。就活のウリとなり、企業の人と抵抗なく話せた」といっていました。 3月末で本学を退職します。PBLの7年間を振り返り、最初はどうなるかと不安でしたが、どうにか道筋をつけられたと思います。何より学生が成長する姿をみるのはうれしいことです。今後は外に向かって「PBLの関西外大あり」をアピールし、飛躍することを願っています。学生の成長する姿を見るのが何よりうれしいなかの・まこと/神戸大農学部卒、同大大学院農学研究科修士課程・経営学研究科博士前期課程修了。サントリーを経て、2008年関西外大講師、国際言語学部特任教授、同教授、英語国際学部教授。Profile英語国際学部のPBLをけん引した中野誠教授国際言語学部PBL履修の1期生亀田製菓に勤務する中野真弥さん率は98・0%、さらに実就職率は95・5%と全学合計より13・0%高い数値です」と分析しています。 13年度授業からPBLを担当するANA出身の西田透教授は「17年度までの5年間に100人の学生が私のクラスを履修し、うち40人が航空業界に就職。12人は客室乗務員職です。18年度履修生も7人が航空業界をめざしています。授業の成果として学生たちの『就業力』は着実に上がっています」と話しています。さらに、御殿山キャンパス・グローバルタウンと中宮キャンパスの教学一体化に伴い、外国語学部の教員も英語国際学部のPBL担当に加わり、さらに層の厚い充実した授業となっています。( 30ページから続く) PBLの履修は、就職活動に大きく役立ちました。まず「思ったことや考えをはっきりと伝えられるようになった」点だと思います。PBLのグループワークで、自分の意見を仲間に伝えたり、企業の方に向けてプレゼンテーションしますが、その経験から物怖じせず、自分の意見が言える度胸がついたと思います。 面接時、PBLのことについて聞かれましたが「企業が悩んでいるリアルな課題を解決する授業です」と説明しました。「他の大学生よりもひと足先に社会を経験しています」というような形でアピールしました。PBLを説明することで、多くの企業採用担当の方々に興味を持っていただいたことを覚えています。就職したあとも、PBLで経験したさまざまなことが、いまの仕事に生かせています。