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概要

外大通信デジタルブック

Mandai-ike外国語学部 小嶌 典明 教授一つでも感じるところがあれば、それでよい万代池は、大阪市住吉区にある池。周辺は万代池公園として整備されている。本学は1953 年、近くに関西外国語短期大学を開設。草創の地として受け継がれている。こじま・のりあき/1952年大阪市生まれ。神戸大学法学部卒業。同大大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(法学)。専門は労働法。大阪大学大学院法学研究科教授などを経て2017年4月から関西外国語大学外国語学部教授。大阪大学名誉教授。小渕内閣から第1次安倍内閣まで規制改革委員会の参与などとして雇用・労働法制の改革に従事。著書に「職場の法律は小説より奇なり」(講談社)など多数。Profile 「『へえ』と感じることが一つでもあれば、しめたもの。外国との比較といっても、そう難しく考える必要はないのである」。 この二月に出した本『現場からみた労働法――働き方改革をどう考えるか』(ジアース教育新社)第一部「講話編」の最後を、小職はこう締めくくった。 「例えば、二〇一七年のドイツの労働裁判所統計と、同年のわが国における総務省統計局の労働力調査(詳細集計)を比べてみる。 すると、ドイツにおける解雇事件数(約一八万件)は、わが国の会社都合(会社倒産・事業所閉鎖/人員整理・勧奨退職)による失業者数(計一九万人)に、ほぼ匹敵することがわかる。 ドイツは、訴訟も多ければ、解雇も多い。少なくとも解雇制限法は、解雇を抑制するのにはそれほど役だっていない。このように想像をたくましくするのもよい」。 冒頭に記した文章の前には、このような例を置いた。 授業では英文のテキストを教材として使用しているが、国際関係研究○○といった科目においても、日本のことをまず知ってもらうという点に狙いを定めている。ヨーロッパの物真似はもうやめよう。最近では、それが原稿を書く際のモチーフともなっている。 小職が専攻する労働法の世界は、ひょっとすると亡国の道を歩んでいるのではないか。そんな憂国の情から、ネット配信のアドバンスニュース(http://www.advance-news.co.jp/)に寄稿する、といった活動にも従事している。 同サイトのトップページ右上段にある検索エンジンで「小嶌」と打込めば、これまで寄稿したすべての記事が一覧できる。 学生諸君が「へえ」と感じるかどうかはわからないものの、一度覗いてもらえると幸いである。The Gaidai 関西外大通信 No.296 Winter, 2019 2019年2月28日発行 発行:関西外国語大学 〒573-1001 大阪府枚方市中宮東之町16-1 http://www.kansaigaidai.ac.jp/万 代池