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Gaidai Topics外大の今を知る| トピックス |THE GAIDAI No. 300 Winter, 2020 | 18 国際文化研究所(IRI)の第6回IRI言語・文化コロキアム公開講座「見えない『わたしたち』―マイノリティからみる歴史・地域・共生の姿―」が1月25日、中宮キャンパスのICCホールで開かれました。黒田景子・鹿児島大学教授、新江利彦・鹿児島大学特任准教授、石井由香・静岡県立大学教授の3氏がマレーシア、オーストラリアのマイノリティ(少数派)の現状や中国・ベトナム―日本間の結婚に伴う移住事例などをテーマに講演した後、野村亨IRI所長(外国語学部教授)の司会でパネルディスカッションを行いました。 黒田教授は、かつて「不真面目なムスリム」など差別的に呼ばれたタイ国境地域に居住するマレーシア北部のムスリム(イスラム教信者)の歴史と現状について話し、彼らの情報について根拠のない説が拡散する背景について言及しました。新江准教授は、8、17、20世紀の国際結婚の事例を紹介し、それぞれの苦難を伴った生活について講演。また、石井教授は、豪州への移民の歴史を振り返り、アジア系オーストラリア人のアイデンティティについて検証しました。 野村教授は「いずれも我々自身が関わっていかざるを得ない問題。共生社会にどのように関わっていくべきなのか一人一人が考える機会になった」と話しました。 イベロアメリカ研究センター主催の2019年連続公開講座「外国人労働者との共生―ラテンアメリカと日本を結ぶきずな―」(全3回)がICCホールで開かれました。2018年の改正入管法により日本で働く外国人労働者が増えていく中、外国人労働者との共生について真剣に考える機会となりました。 第1回(昨年11月4日)は筑波大学の明石純一准教授による「転換期を迎えた日本の外国人・移民政策―課題と展望」を開催(「外大通信」299号に掲載)。第2回(同11月19日)は本学外国語学部のジャケリネ・ラゴネス助教が「デカセギから移民まで―日本における第1世代と第2世代の日系ペルー人家族の到達点」と題して、第3回(同11月26日)は立命館大学環太平洋文明研究センターに所属し、本学の非常勤講師も務めるディスネル・グタラ氏が「日本に住むスペイン語圏の国にルーツを持つ児童生徒が直面する問題と現状について」と題して講演しました。 ラゴネス助教は、日本に居住する日系ペルー人家族を検証した事例を紹介し、日本人と日系ペルー人の間の文化や教育、社会システムに関する違いについて説明しました。一方、グタラ氏は、日系人が日本で生IRI 言語・文化コロキアム公開講座見えない「わたしたち」 ―マイノリティからみる 歴史・地域・共生の姿―イベロアメリカ連続公開講座「外国人労働者との共生 ―ラテンアメリカと 日本を結ぶきずな―」活するには「就学に関する制度」「言葉」「人とのつながり」の3つの壁があり、それは金銭面や学力、コミュニケーション不足の問題につながると説明。現在、国内では外国人児童が直面する問題への課題に対してさまざまなサポート体制があり、その1つであり自身も携わっている「母語教室」の取り組みについて話しました。 林美智代・イベロアメリカ研究センター長(外国語学部教授)は今回の連続公開講座を総括して、「3講座を通して、『働く人の背後には必ず家族がいる』ということを含め、外国人労働者との共生を考えなければならないと再認識しました」と話しました。ラゴネス助教講演後のパネルディスカッショングタラ氏日本に住むスペイン語圏の国にルーツを持つ児童生徒が直面する問題と現状についてデカセギから移民まで日本における第1世代と第2世代の日系ペルー人家族の到達点第2回第3回日本に住む日系人の現状や今後の課題などを講演