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概要

外大通信デジタルブック

オフェンスコーチの木村樹さんと打ち合わせする実行委員として企画・運営するAGAIN BOWLの会場で(最前列)=2019年1月、澤木さん提供NEW ERA BOWLの控室で米国選手たちと(左から2人目)=キンチョウスタジアムで2012年7月、澤木さん提供マネジャー当時の2012年、西日本学生大会に出場したリンクスの選手たちと(最後列左端)、澤木さん提供再開した自主練習についてマネジャーに指示する新型コロナウイルスによる活動自粛が明けて、再開した練習を見つめる15 | THE GAIDAI No. 302 Summer, 2020年。LYNXになって10年。節目のときとぶつかった。 監督就任の打診を受け、当時がよみがえった。「部の礎を築いた先輩の思いを途切れさせたくない」と快諾した。 監督としてのスタートを前に、新型コロナウイルスが立ちはだかった。初めて練習に立ち会った直後から活動を自粛せざるをえなくなった。選手とはもっぱら、LINE(ライン)でコミュニケーションをとらざるをえず、職場からの帰路は、ひたすら返信を書き続けた。 それでなくても、新監督の就任がメディアに次々と取り上げられて選手たちは困惑し、新体制に戸惑いを感じている。「コミュニケーションがしっかりとれるのだろうか」と不安が襲った。 「チームスポーツの中でもアメフトは特にスタッフの力が大きい。コミュニケーションさえとれていれば、選手はスタッフの考えを受け入れてくれます」という。 条件付きながらも練習が再開になると、「選手からレクチャーを受けたマネジャーが時間を管理して、主体的に練習に取り組んでいました。何も言われなくても、自主的にやってくれていました」と部内のコミュニケーション力の高さを強く感じた。 現在、人材紹介会社で転職支援の仕事に携わる。1日当たり5?6人と面談している。モチベーションを維持しつつ、自己実現の力をつけてもらうためのカウンセリングは、アメフト部でのマネジャー経験と大きく重なって見えた。 「目的を持って自分で決めてアメフト部に入って来る子は少ない」という。入部当初は全くの初心者だった選手が、成功体験を積み重ねて「もっと勝ちたい」「もっと強くなりたい」と口に出すようになる。選手の成長を間近で見ることができるのが、一番のやりがいだ。 スタッフができることは「自分の意志で決めたことに動機付けして、成功体験させてあげること。アメフトを通じてやりたいことを見つけて、人生のプラスにしてくれたらそれでいい」という。 「マネジャーが120%力を出さないと勝てない。選手と同じモチベーションと視点がないと強いチームにはならない」が信条だ。 国内初の女性監督ということで注目を集め続けている。自身に競技経験はない。技術面はパートごとのコーチに任せ、監督としての自分の仕事はチームビルディング、チームマネジメントだと考える。 「この1年は試行錯誤でやっていくことになるでしょう」と話す。そして、「組織が変わるには3年かかります。3年でどのぐらいの仕組みができ上がるかが課題です」とチームづくりに思いを巡らしている。 当面の目標は関西学生リーグ3部への復帰だ。「学生時代は悔しい思いで現役を終わりました。やり切った感がなくて悔しかったんです」と繰り返す。監督となった今、全力で自分たちのチームをつくり上げ、目標に迫るとの決意は固い。 「関西外大には、みんなと自然にコミュニケーションがとれる雰囲気がある」と感じている。そして「選手たちとともに、外大の未来創造に寄与していきます」と力強く語った。高いコミュニケーション力全力で目指せ「3部復帰」マネジャーの力がチーム左右