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概要

外大通信デジタルブック

9 | THE GAIDAI No. 303 Autumn, 2020初の語学研修生33 人を派遣到着翌日、上海外国語学院で集合写真に収まる研修生授業風景第1回研修生を率いた野村亨教授上海の名所、外灘(バンド)で学学生の短期語学研修を実施することで大筋合意しました。この合意を受け、協定書が交わされました。 協定書に基づき、翌1984年7月1日?20日の日程で、上海外国語学院での語学研修「中国語短期セミナー」に本学学生33人が派遣されました。 7月1日昼前、大阪空港を飛び立った一行は2時間余りで上海・虹橋空港に到着。「天気は快晴で、我々の来訪を熱烈歓迎するように、気温34度と、今年一番の暑い日であった」と団長の野村教授は当時の報告書に記しました。 学生たちは「留学生楼」と呼ばれる宿舎に滞在しました。猛暑の中、冷房設備はなく、扇風機だけの質素な生活を体験しました。 2日目の午前8時半から、担当教員数人により、学生一人ひとりの中国語のレベルを測るクラス分け面接が行われました。その結果、各班10?12人の3クラスに分けられました。 授業は7月3日から始まり、毎日午前8時から11時40分まで、10分の休憩を挟んで3時間半程度実施されました。午後は市内見学に出かけたり、博物館や庭園の参観が組まれたりしました。また、授業前の早朝6?7時、同学院の体育教員に依頼して太極拳の講習が行われました。 最終日の13日、卒業試験の代わりとして、グループまたは個人による朗読、歌唱、寸劇などの発表が披露され、担当教員が評価を行いました。担当教員はいずれも若い女性教員で、授業態度は厳しいが熱心で、学生たちに慕われました。学生たちは研修を終え大学を離れる際、別れを惜しんでなかなかバスに乗ろうとしなかったということです。 2週間の研修を終えた学生たちは、上海から列車で旅行に出発しました。行き先は、江蘇省無錫、同省の省都・南京、さらに南京から約1500㌔離れた首都・北京。無錫では太湖、南京では孫文をまつる中山陵、北京では繁華街の王府井、故宮、万里の長城などを見学しました。 野村教授は「第1回目だったので、すべては試行錯誤だったが、学生諸君も中国という特殊事情をわきまえて協力してくれたため、一人の重病人、重大事故もなく終了できた」と報告書に書いています。野村教授はこのときの参加学生と今も連絡を取り合っているといいます。 「天気は快晴  我々の来訪を熱烈歓迎」 研修後、無錫、南京、北京へ 列車の旅