英語学専攻

博士前期課程

英語学コース

言語を通じて社会の課題に取り組める人材をめざして

本コースでは、皆さんが大学で学んでこられた英語の使い方・仕組みに関する知識を深めるため、言語学の理論や分析法を学び英語学研究を進めます。そして、将来は、ここで獲得した英語運用能力、専門知識・研究能力、教養、国際性、実践力に基づき、言語の観点からグローカル化(Globalization+Localization)する現代社会の要請に応えうる人材をめざします。

本コースの流れは次の通りです。最初の2年間、博士前期課程(以下、前期課程)において、英語学研究を進めるうえで必須の専門知識・技術を習得し、英語学の基礎研究を行い、修士(英語学)の学位を取得します。次の3年間、博士後期課程(以下、後期課程)では、各自の研究をより一層研鑽し、博士(英語学)の学位を取得します。

本コース修了後には様々な道が開けます。特に、後期課程に進学し博士の学位を取得後、大学教員をめざすことも可能です。

本コースでは、具体的に、前期課程の専門科目「統語論」や「意味論」において、英語を始めとする言語の基本原理を学びます。また、その他の科目「音声学・音韻論」、「英語史研究」、「英語学特別研究」において英語の様々な特性に関する理論やその分析法を学びます。さらに、前期課程の専門演習科目「総合演習」、「修士論文」では、論理的思考力や批判的思考力といった研究者には必須とされる基礎的な資質を育成します。その他、第二言語としての英語の研究を進める英語教育コースの仲間とも机を並べる機会があります。そこでは、第二言語としての英語の習得過程や教授法に関する理論とその分析法(「コミュニケーション文法論」、「第二言語習得論研究」、「英語教員・学習者論研究」など)も学べます。

英語教育コース

確かな英語運用能力を備えた英語教育指導者を養成

現在のグローバル社会においては、確かな英語力を身につけた人材の養成が強く求められています。英語という国際語を使いこなし、自分の気持ちや考えを表現し、人と交渉できる能力は今後ますます求められていくでしょう。本コースではこうしたニーズに対応できる指導者の養成を目的とし、幅広い科目を開講しています。

具体的な科目名を挙げると、第二言語習得論研究、コミュニケーション文法論、英語学習達成度測定・評価研究、英語教員・学習者論研究、英語コミュニケーション研究などがあります。こうしてみると、英語教育には多くの領域があることが分かるでしょう。指導者としての観点、学習者としての観点、またそれらが指導や学習にどのように影響しているのか、さらには文法等の指導には、規則だけではなく、実際にどのように使われているのかという観点が重要になってくる等、これまで気づかなかったことにも触れることになるでしょう。また英語教育だけでなく、統語論、意味論、英語史研究、音声学・音韻論研究といった英語学関連科目や英米文学・英米文化研究など文学や文化に関する領域も学べるようになっています。学生の皆さんは、こうした科目の中から自分の専門分野に沿った科目を履修することができます。

またコースの修了には、修士論文、または特定課題研究が必須ですが、これについては総合演習という少人数ゼミが用意されており、2年間にわたりきめ細かい指導を受けながら、専門科目の内容を深め、自分の研究を論文としてまとめていくことになります。これらの過程を経験し、自分の専門領域について自信を持って教員として巣立ってもらうことを願っています。さらにもっと研究を進めたい場合には、本コース修了後、博士後期課程への進学も視野に入れてみてください。

授業科目等

科目区分 授業科目 配当年次 単位数
専門科目 統語論A 1 2
統語論B 1 2
意味論A 1 2
意味論B 1 2
英語史研究 1 2
音声学・音韻論研究 1 2
英語学特別研究A 1 2
英語学特別研究B 1 2
英語学特別研究C 1 2
英語学特別研究D 1 2
英語学特別研究E 1 2
第二言語習得論研究 1 2
コミュニケーション文法論 1 2
英語学習達成度測定・評価研究 1 2
英語教員・学習者論研究 1 2
英語コミュニケーション研究A 1 2
英語コミュニケーション研究B 1 2
英語教育特別研究A 1 2
英語教育特別研究B 1 2
英語教育特別研究C 1 2
英語教育特別研究D 1 2
英語教育特別研究E 1 2
英米文学・英米文化研究 1 4
専門演習科目 総合演習 I A 1 2
総合演習 I B 1 2
総合演習 II A 2 2
総合演習 II B 2 2
  修士論文 2 4
特定課題研究 2 4

博士後期課程

英語学と英語教育学の研究・教育力を備えた高度専門職業人の育成

博士後期課程英語学専攻の目的は、高度な英語運用能力を持ち、英語学や英語教育学の分野で自立して研究する能力と、今日のグローバル社会で活躍できる人材を育成する教育能力を兼ね備えた大学教員等の養成です。
この目的を実現するために、本専攻のカリキュラムの中に「専門科目」、「専門演習科目」、「自由科目」の三つの科目群を設けています。専門科目群には、英語学を専攻する学生のための英語学特別研究と英語教育学を専攻する学生のための英語教育学特別研究が用意されています。専門演習科目群には特別総合演習が用意されています。学生は、英語学、あるいは英語教育学の自分の専門内容に応じて1年次、2年次、3年次という段階を踏んで、研究指導教員等の指導を受けながら、博士の学位論文の完成をめざします。自由科目群には、高等教育に関する知識と大学教員に求められる学識を身に着けるための科目(高等教育論、大学教員論)が用意されています。
将来、大学などの高等教育機関で、自立して英語学や英語教育学の研究を行うとともに、英語の教授や英語学、英語教育学の教育を通してグローバル時代の人材を育成することをめざしておられる方は大歓迎です。

授業科目等

科目区分 授業科目 配当年次 単位数
専門科目 英語学特別研究 I A 1 2
英語学特別研究 I B 1 2
英語学特別研究 II A 1 2
英語学特別研究 II B 1 2
英語教育学特別研究 I A 1 2
英語教育学特別研究 I B 1 2
英語教育学特別研究 II A 1 2
英語教育学特別研究 II B 1 2
専門演習科目 特別総合演習 I A 2 2
特別総合演習 I B 2 2
特別総合演習 II A 3 2
特別総合演習 II B 3 2
自由科目 高等教育論 1 2
大学教員論 1 2

取得可能な資格

教員免許状の取得について

博士前期課程英語学専攻に教員免許状を取得するための課程を置いています。

1. 取得できる免許状の種類および免許状取得に必要な授業科目

【科目一覧】

免許状の種類
(教科)
免許法に定める
最低修得単位数
教科又は教職に関する科目 単位数 必修 選択 備考
中学校教諭
専修免許状
(英語)

高等学校教諭
専修免許状
(英語)
24 統語論A 2   4単位以上を
履修すること
統語論B 2  
意味論A 2  
意味論B 2  
英米文学・英米文化研究 4  
第二言語習得論研究 2    
コミュニケーション文法論 2    
英語学習達成度測定・評価研究 2    
英語教員・学習者論研究 2    
英語コミュニケーション研究A 2    
英語コミュニケーション研究B 2    
英語教育特別研究A 2    
英語教育特別研究B 2    
英語教育特別研究C 2    
英語教育特別研究D 2    

2. 専修免許状取得の所要資格

「中学校教諭(英語)」および「高等学校教諭(英語)」一種免許状をすでに取得している者、または、取得要件を充たしていることが条件となります。

一種免許状取得要件を充たしていない人(取得していない人)は、学部の科目を履修し、当該一種免許状取得の要件を充足しなければなりません。

教員からのメッセージ

英語学専攻 岡田 伸夫 教授

充実したコースワークを通して 高度な英語力と確かな英語授業力を身に付ける

本コースは、英語学、英米文学・文化、英語教育学の近年の研究に通じ、中学生や高校生にグローバル時代を生き抜く英語力の土台を身につけさせるための授業を創造・実践する力(英語授業力)を備えた教員、将来、中・高の英語教員のリーダーとして活躍できる力を備えた教員を養成することをめざします。

そのために、コースワークを重視し、専門科目として、英語学領域の授業(統語論・形態論、意味論・語用論)と英米文学・文化領域の授業および英語教育学領域の授業(コミュニケーション文法、第二言語習得、4技能の指導法、教材研究、測定・評価、アクションリサーチ、授業デザイン、教員・学習者要因)を開講しています。また、専門演習科目として、少人数クラスで行われる総合演習という授業を開講しています。学生は、専門科目を体系的に学び、総合演習で一人ひとりきめ細かな指導を受けることにより、高度な英語力と確かな英語授業力を身につけることができます。 本コースを修了するには、修士論文または特定課題研究の作成が必須ですが、どちらを選んでも専門科目と専門演習科目をしっかり学んでおけば自信をもって作成することができます。