関西外大「日本語インターン留学」体験談

日本語インターン留学は、関西外大の海外協定大学で日本語教員のアシスタントをしながら「日本語教員としてのキャリアを積む」ことを目的とした留学です。
日本語インターン留学を経験し、現在、留学生別科で日本語を教えている外国語学部の川光真二准教授がご自身の留学体験を伝えます。
※インターン業務内容や費用は、派遣先大学や派遣年によって異なります。具体的な条件は事前によく確認してください。
川光 真二(Kawamitsu Shinji)准教授プロフィール
関西外国語大学 外国語学部英米語学科卒業。関西外国語大学 日本語教員養成課程 修了。マーシャル大学大学院英語学研究科修士課程 修了 修士(英語学)。マサチューセッツ大学大学院アマースト校教育学研究科博士課程 修了 博士(教育学)。マーシャル大学在学中に、大学院アシスタント(日本語担当)として現地の高校で日本語クラスを担当。その後、マサチューセッツ大学、マウント・ホリオーク大学、スミス大学でティーチングアシスタント(TA)として日本語教育に携わり、2019年に帰国。2020年関西外国語大学 外国語学部 助教、2024年4月より外国語学部国際日本学科准教授に就任。
詳細はコチラの記事をご参照ください。
日本語インターン留学での仕事

私のインターン業務は、現地の高校で日本語を教えることでした。
クラスを2つ受け持ち、1つは私一人でカリキュラムを考え、テストの作成から評価まで、クラス運営すべてを担当しました。
もう1つはチームティーチング形式だったため、同じプログラムで留学していた関西外大の卒業生と2人で、クラスを運営しました。
時には厳しい態度で接することが求められ、問題を起こした生徒については、高校に報告書を提出するなど生徒指導の要素も含まれていました。
日本語インターン留学先での学びと費用

マーシャル大学ではインターンをしながら、大学院修士課程の英語学研究科に在籍しました。
現代英語学、言語学概論、社会言語学など言語に関する授業を履修し、修士号を取得することができました。
費用については、マーシャル大学により大学院の2年間の学費が免除され、インターンの報酬が支給されました。大学の施設利用費、家賃、食費、交通費などは自己負担でした。
日本語インターン留学で得たこと

留学経験や海外旅行の経験がなかった私は、大学院を修了できるのか、アメリカの高校で日本語を教えることができるのかと、留学前に大きな不安を抱えていました。
しかし、多くの友人、先輩、先生方に支えられ、無事終了することができました。さらに、マーシャル大学の留学生受け入れ体制は体系的に整っていて、非常に心強かったです。
また、私自身が留学したことで「留学生」の気持ちや環境を理解することができました。
言語運用能力に対する自信のなさや海外に住む不安が常にある状況で、「教員の役割とは何か」「言語を教えるとは何か」を、「留学生」と「教育者」の両方の立場から考えることができたのは貴重な経験でした。現在教えているクラスの運営にこの経験を生かしています。
「日本語教育」を自分のキャリアにすると確信できたのも、このインターン留学での収穫でした。
これから「日本語教育」でやっていけるのか、どのようなキャリアを積み、どのようにそのゴールを設定するのか、家族の理解を得られているのか。実際にインターン経験を積みながら模索し、日本語教育に携わる先生方から様々な話を伺いました。
十分な情報を収集し、具体的なイメージを描けたことで、今、日本語教員の道を歩んでいます。
日本語教員をめざすみなさんへ
日本語教育は、大学や日本語学校などの教育機関をはじめ、地方公共団体、企業、個人レッスン、ボランティアなど、国内外の様々な場で行われています。
ぜひ、いろんな現場で教えていらっしゃる先生方から話を聞き、皆さん自身がどのような形で日本語教育に携わりたいのか、考えてみてください。