駐大阪・神戸米国総領事館クリストファー・テジリアン領事によるオンライン特別講演
「U.S. Foreign Service Careers – A Discussion of Possible Careers in the Diplomatic Service of the United States –」(米国外務局の採用情報-米国外交官としてのキャリアのご紹介)を12月9日(木)に開催しました。
駐大阪・神戸米国総領事館と関西外大・国際交流部の共催で、外大生と留学生別科で学ぶ海外の留学生5名を含む計24名が参加。
講演では、多くの国で外交官としての経験をお持ちのクリストファー・テジリアン領事から外交官をめざされたきっかけをはじめ、米外務省の歴史や業務内容、外交官として必要なスキル、求められる人材像などについてお話いただきました。
駐大阪・神戸米国総領事館によるオンライン特別講演

クリストファー・テジリアン領事のプロフィールはこちら。
- ニューヨーク市出身
- 複数の職業を経験した後、33歳からアメリカ外務局(U.S. Foreign Service )にて外交の道へ
- 外交官歴・22年目。前半11年はスペシャリスト(情報マネジメント)、後半11年はゼネラリストとして勤務。
職務内容がまったく異なるスペシャリストとゼネラリストは、採用試験も異なり、同氏のようにキャリアの途中で変更することは極めて稀とのこと。
クリストファー・テジリアン領事の赴任先国(都市)
- ジョージア(ティビリシ)
- アフガニスタン(カブール)
- 日本(東京)
- スイス(ジュネーブ)
- フィリピン(マニラ)
- カナダ(オタワ)
- 日本(大阪)
各国に2~3年滞在。
その他、ワシントンD.C.(本部)での語学などの訓練期間もあるそうです。
外交関連政府機関・組織の説明

講演では、歴史から 組織(仕組み・規模) 、 ミッションの種類・内容 、学生として参加できるプログラム(インターンシップなど)についてお話いただきました。
また、求められる人材像として挙がったのは、ダイバーシティの観点から 多種多様な経歴や専門・学問分野を持つ人材 。
例えば、 前職が教員・ジャーナリスト、弁護士、エンジニアなどのキャリアを積んでから外交官をめざす人も。

私自身もそうですが、複数の仕事を経て外交官として活躍する人も少なくありません。
いろいろな職業を経験した人が外交の分野で活躍されています。
アメリカの外交官試験のシステムについて

具体的な選考試験(ゼネラリスト)の内容は、
- 筆記試験
- 論文試験
- 面接試験
- 適正検査・試験
など、1年以上かけて選考が行われます。

公平公正に実力を審査される難関試験です。
GeneralistとSpecialistの職務の違いについて
■Generalist(ゼネラリスト)
いわゆる外交官としての職種。大使館・領事館の運営、海外にいる米国人のサポートや米国へのビザ発給、文化交流、外交・経済政策に関するミッション遂行などを担う。
■Specialist(スペシャリスト)
特定分野における知識・能力を活かし、外交任務を支える職種。例えば、施設、IT、健康面などの面を支える仕事などに携わります。

ちなみに、現在私は ゼネラリストとして、ビザ発給部門と領事部門の管理職を兼ねています。
クリストファー・テジリアン領事 ショート・インタビュー
――外交官をめざすきっかけは?

アメリカは完全ではありませんが、 greatest forceであると信じています。
私が外務局に入ったのは、そんなアメリカという国家を代表し、世界に貢献するため、そして世界を体験するためです。
――最後に学生へのメッセージをお願いします。

外交官試験は難しく、また合格するには努力だけでは克服できない要素もあります。よって、その道一本に絞るのではなく、いくつかの選択肢のうちの1つとして追求すべきだと思います。
通常、少なくとも20年間は勤務する仕事なので、この職業に就くかどうかを考える際には、多くの国をまたぐ移動、家庭状況や配偶者のキャリア関連での難しさ、赴任先国の選択は自分でコントロールできないことなどを考慮することも大切です。
さいごに
この記事では、現役の駐大阪・神戸米国総領事館によるオンライン特別講演の模様をご紹介しました。
アメリカの外交官の役割や実際のお仕事の内容、心構えなど、幅広くお話くださったテジリアン領事。

あなたがどんな専攻で何を勉強しようが、文系であれ、理系であれ、大学で学んだことは外交官の仕事に必ず役に立ちます。
一人ひとりの得意分野が外交官としての資質につながっていくので、ぜひ専門性や長所を伸ばしていってください。
と最後に力強いメッセージを学生たちに送ってくださいました。