2021年秋学期から「Intercultural Engagement Program(以下IEP)」全体を取りまとめるプロジェクトマネジャーを務めたYvonne TA(イボンヌ・タ)さん。
その活動の功績が認められ、本学の国際交流に貢献した外国人留学生を対象とした「グローバル・アンバサー」にも任命されました。
そんなイボンヌさんが、2022年夏に来日。
その際にインタビューを行い、日本への思いやIEPで学んだこと、今後の展望などについてお伺いしました。
なお、IEPは関西外大の学生が主体となって企画・運営するオンライン国際交流プログラムです。
※今後は、対面を前提としたイベントが主流になる予定です。
詳細については、コチラの記事をご覧ください。

学生プロフィール

学生プロフィール
Yvonne TA(イボンヌ・タ)さん
カリフォルニア州立大学 サンマルコス校 3年
大学ではキネオロジー(運動学)を専攻し、将来は整体療法を手がけるカイロプラクターをめざしている。
小学生のときに見た日本のアニメや漫画(『NARUTO -ナルト-』や『フルーツバスケット』)、アイドルの嵐やAKB48が好きになり、日本のポップカルチャーに興味を持ったのが日本語を知るきっかけだった。

アイドルの楽曲の歌詞やアニメのセリフなどに触れるなかで、日本語も少しですがわかるようになりました。
また高校2年生のときに、私のクラスに日本人留学生が1年間来て、その子と仲良くなったことが日本のことをより好きになるきっかけになりました。
留学生としてやってきた日本人の女の子とアニメや漫画の話をしたり、アメリカの文化について教えてあげたり、日常的にコミュニケーションを交わしているうちに、イボンヌさんの日本語も上達していった。
そのなかで「もっと日本や日本語について勉強したい!」という思いが強くなり、海外協定校だった関西外大のオンラインプログラムを利用することを決意する。
他国の文化に触れ、世界中に友だちをつくることを目的にIEPに参加
2021年1月から、オンラインで開催された関西外大のASP(ASIAN STUDIES PROGRAM)に参加。
その登録を行っているときに「IEPのリーダー募集」の案内に目が留まる。

関西外大について何も知らないし、知人もいなかったので、「友だちを作るきっかけになれば」と思ってIEPに参加しました。
IEPでの活動について
2022年春学期実績の実績として、IEPは主に以下の7チームで編成されていた。
- Project and Outreach Team
- Language Learning Team
- Cultural Broadcasting Team
- Spanish Learning Team
- Chinese Learning Team
- Kansai Gaidai College Team
- Media and Marketing Team
※今後は、対面を前提としたイベントが主流になり、チームも再編される予定です。
このなかでイボンヌさんは2021年春学期にチームリーダーとしてKGC(Kansai Gaidai Colleg)チームに入る。
また2021年秋学期にはBroadcastingチーム、2022年春学期にはMedia Marketing Teamチームのリーダーを務めるとともに、IEP全体を取りまとめるプロジェクトマネージャーも2学期間担当した。
IEPで出会った外大生に大きな影響を受ける

――印象に残っているイベントはありますか?

たくさんのイベントに関わってきたので、すぐに1つを思い浮かべられないですが、私が参加した最初の年にプロジェクトリーダーを務めてくださった村上達哉さんと横道亜未さんのお二人の存在が印象に残っています。
【村上 達哉さん】
【横道 亜未さん】
――具体的に、どういったところが印象に残っていますか?

お二人ともすごくやる気があり、周りを巻き込み、より良くしようという熱意にあふれる姿勢がすばらしかったです。私自身、多くの刺激をうけました。
――2期目となる2021年秋学期以降はイボンヌさん自身もプロジェクトマネージャーとして活動されましたが、村上さん、横道さんの影響は少なからず受けた感じですか?

そうですね。参加者が楽しく、学生にとって有益となるイベント開催ができるよう意識していました。
Media Marketing Teamでは、広報活動が中心のチームだったので、プレゼンや専用アプリを使用した資料づくりなど、個々のスキルアップにつながるイベントが開催できたのではないかと自負しています。
――IEPの活動を通じて、日本語は上達しましたか?

実はASPを受講する前、日本語ができる方だと思っていたのですが、日本語が上手な留学生がたくさんいて、自分はまだまだと痛感しました。
ただ、ASPの授業やIEPで毎週のように日本人学生と話をするなかで、着実に日本語は上達していったと思います。これからも、もっともっと勉強したいです!
グローバルアンバサダーに選ばれ、関西外大のインターンに参加

かねてより来日することを熱望していたイボンヌさんは、今年(2022)の夏休みに来日を計画。
また、同じタイミングでASPのグローバルアンバサダーにも任命され、本学の国際交流部のインターン生として7月末に来日を果たす。
滞在期間中は関西外大の教育施設「グローバルコモンズ 結 -YUI-」※1に宿泊し、約1週間の関西外大の日々を満喫した。
※1 グローバルアンバサダーの特典として、「グローバルコモンズ 結 -YUI-」での一時的な宿泊が認められています。

コロナ禍の現在は各階のユニットの行き来が禁止されていていましたが、多くの学生と知り合うことができ、「結」での時間は楽しかったです。
インターン生としてIEPのイベント・運営の企画立案などを担当

国際交流部のインターンとしては、次学期のIEPの運営についての計画立案や準備などの業務を担当。
そのほか、2022年秋学期より留学生の受け入れを本格的に再開し、約560人の外国人留学生が本学にやってくる準備の一環として、彼らと外大生の交流を促進する企画のアイデア出しなども手がけた。

滞在期間中の8月7日にオープンキャンパスがあったので、「留学生と話そう MEET Global Friends!」というイベントにも参加しました。
オープンキャンパス当日はIEPの仲間がサポート

オープンキャンパス(OC)当日は、来場した高校生たちの個別相談に対応したのをはじめ、IEPを中心とした関西外大での活動などについてのプレゼンテーションも行った。

基本的には日本語でお話しましたが、1回目のプレゼンのときは緊張もあって、言葉が上手く出てこない場面がありました。
ダメだったポイントをチェックし、改めて話す内容と言葉(日本語)を確認し、2度目のプレゼンは問題なくスピーチできたと思います。高校生のみなさんの役に立てればうれしいですが、私自身とても楽しく、貴重な体験になりました。
ちなみに、今回のOCの企画はイボンヌさん自ら発案したもの。
その実現に向け、イベントの準備や当日のサポートを手がけてくれたのが、IEPで知り合った関西外大の学生たちだった。

突然のお願いだったけど快く引き受けてくれて、本当に助かりました。
当日参加してくれた高校生のみなさんはもちろん、サポートしてくれたIEPのメンバーにも感謝しています。
IEPの仲間との再会、もとい対面で初めて会う!?

イボンヌさんの今回の旅の大きな目的となっていたのが、IEPで知り合った関西外大の友人たちに会うことだ。
オンライン上では毎週のように顔をあわせ、旧知のような友だち関係になっていたが、実際に対面で会うのは今回が初めて。

今秋から留学に参加する友だちもけっこういたので、みんなが離れ離れになる前に今が多くの人と会えるいい機会かなと思いました。
日本以外の友人にはすでに会いに行っていた

「新しい友だちを作る」ことを目的にIEPに参加したイボンヌさんだったが、実際の活動を通じて、友だちづくり以外に、日本や諸外国のさまざまな文化に触れることができたのがよかったという。
そして、日本人以外にもたくさんの友だちができた。

実はIEPで知り合ったカナダとメキシコ、オランダの友だちには実際に会いにいったんですよ。今回の旅行では、日本にいる外大生のみんなと会えるのを本当に楽しみにしていました。
ちなみに今回の来日で、IEPで知り合った13人を含む、約20名の友だちと顔をあわせた。
そのうちの一人で、イボンヌさんに会うために地元の福岡から駆けつけてくれた野本 綾里さん(外国語学部 スペイン語学科 2022年3月卒業)にお話を伺った。
来日の知らせを受け、仕事終わりに福岡から駆けつける

野本さんはイボンヌさんと同じ2021年1月からIEPに参加し、スパニッシュチームのチームリーダーを担当。
同年の8月からプロジェクトマネージャーとなり、そのタイミングでイボンヌさんとミーティングで顔をあわせる機会が多くなった。
2022年3月に卒業し、現在は地元福岡の食品メーカーに勤務している。今回、イボンヌさん来日の知らせを受け、休日を利用して福岡から駆けつけた。

仕事が終った後に新幹線に乗って大阪入りして、ホテルに一泊して、本日大学に来ました。

ありがとうございます!
――初めて対面で会ってみて、感想はいかがですか?

ZOOMの画面越しに何度も会話はしていますが、ボディタッチもできず、距離を感じることもありました。リアルに会ってみて変な感覚です(笑)。

野本さんのことは画面越しにきれいだと思っていましたが、実際に会って本当に美人だなぁと思いました。

ありがとう(笑)。

――IEP時代のお互いの印象についてお聞かせください。

野本さんはリーダーシップがあり、新しいアイデアをどんどん提案する姿勢がすばらしいと感じていました。また性格が明るく、みんなで作り上げていく雰囲気を作ってくれ、自分もその提案に乗かっていくことで楽しめました。
私はプロジェクトマネージャーの中で一番年下だったので最初は気をつかっていましたが、野本さんのお陰で自分の意見も遠慮せずに言えるようになりました。

イボンヌさんはイベントがより良く回るよう、常に先回りして動いてくれるのでとても頼りになる存在でした。
例えば、イベントを企画する際にプレゼン資料のスライドを英語で作るのですが、こちらが依頼する前に表現などのチェックを済ませてくれているなど、彼女のおかけでイベントの準備などもスムーズに進みました。
――お二人ともIEPのプロジェクトマネージャーを務められましたが、やってみてどういった点が一番成長しましたか?

現状の問題点を見つけてどう改善するか考え、集団や組織がうまく回るように意識して行動していました。その意味では、全体を俯瞰的に見る視点と、マネジメント能力が成長したと思います。

私もうまく回っていない点を見つけて、そこを改善することに注力しました。考えるだけではなく、実際に行動に移す「行動力」が身についたと思います。
――最後に一言お願いします。

本当に会えてうれしかったです。わざわざ福岡から来てくださって、感謝しています。

今でもLINEなどでやりとりはしていますが、実際に顔をあわせる機会はほとんどないので、滅多にないチャンスだと駆けつけました。私もイボンヌさんに会えて、すごくうれしいです。
卒業後もインスタグラムでIEPのイベントをチェックしていますが、今後は卒業生も参加できるイベントがあってもいいかもしれませんね。期待しています!
さいごに

今回のイボンヌさんの来日を聞きつけ、IEPで知り合った多くの仲間たちが駆けつけてくれました。
留学の派遣・受入れも本格的に再開し、今回のような「オンラインイベント/プログラム」で知り合った学生同士が、実際に対面しリアルの場で交流を深めるという機会も今後増えてくるでしょう。
アメリカに帰国し、2022年秋学期はカリフォルニア州立大学で学ぶのと並行して、これまでと同様オンラインでIEPに参加する予定だというイボンヌさん。

IEPは今後は対面イベントが多くなるので、オンラインのプログラムに人が集まるか心配ですが、これからもASPのアンバサダーとして広報活動をがんばり、参加者を増やせればと思います。
具体的には、関西外大の海外協定校のASP生以外の学生にもさらに門戸を開き、日本に留学できない学生たちに一人でも多く参加してもらえる仕組みをつくれたらと考えています。私自身、今後のIEPの発展を楽しみにしています。ご期待ください!