KANSAI GAIDAI UNIVERSITY
世界とつながるヒントがここにある、
高校生向けWEBマガジン

世界で活躍する鍵となるのは「主体性」。 学生たちが「世界と協働」するIEPとは?

まえがき

こんにちは。Take Action! 編集部です。関西外大には世界中の学生とつながることができる “Intercultural Engagement Program(以下、IEP)”というプログラムがあります!IEPは海外の学生と協働しながらさまざまなプロジェクトを企画・運営する、新しいカタチの国際交流プログラム。この記事では、IEPがどんなプログラムなのか、その魅力に迫っていきたいと思います!

IEPの活動おさらい まずは、簡単にIEPのこれまでの活動を簡単に紹介します。IEPは2020年よりスタートしました。コロナ禍での発足なので、活動はすべてオンラインで実施。初年度のIEPの企画メンバーは、外大生と海外の学生あわせて40人以上で、7つのチームに分かれ、チームごとに毎週イベントを主催。2020年秋学期と2021年春学期でのイベント開催数は計325でした。学生たちがゼロから企画・運営をしたIEPは、内容もさまざま。多国籍な留学生たちとヨガを楽しむYoga Sessionや、英会話で交流を深めるEnglish Cafe、企業とコラボレーションしたビジネスワークショップ、オンライン中国留学やデジタルアートクラス、キャリアワークショップなどチームごとの個性が光るイベントが勢揃い!

「主体性」を大切にするIEPとは?

ーIEPが生まれた背景と、そこに込められた想い

世界中で活躍する人材を輩出してきた関西外大。創立以来、実体験を通した学びを大切にしてきました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により国境を超えた移動をともなう交流が困難に。世界中の教育機関が大きな影響を受けました。

このような状況のなか、留学生の受け入れや派遣を担当する国際交流部では、「どのような環境下でも、海外の学生たちとの交流を通じて成長できる環境をつくりたい」と検討を重ね、2020年9月より世界中の学生とつながることができるプラットフォームとして、IEPが発足されました。

IEPについての特集 (関西外大通 NO.304より)

IEPは学生たちが主体となって取り組むプロジェクトです。学生の主体性に重きを置いているのには理由があります。それは、「これからの時代を生き抜く力」を身につけてもらうためだそう。ICT、IoT、AIという言葉をニュースや授業で聞いたことはありませんか?今後これらの技術革新が進めば、生活する場所や働く場所に関係なく、情報の多様化とグローバル化がさらに加速。情報が溢れ、変化が激しい時代はすでに到来しているといえます。しかし捉え方を変えると、情報の質や量が増え、自由に選択できる時代でもあります。「関西外大生には、情報の波に飲み込まれるのではなく、自らの意思を持ち情報を選択する。そのために、主体的に『課題を見つける力』と『解決していく力』を身につけて欲しい」という国際交流部の想いが込められたプロジェクトがIEPなんですね。

ICT:情報通信技術 IoT(Internet of Things):モノのインターネット化 AI(Artificial Intelligence):人工知能

ー留学生とともに “ゼロ”から生み出していく

IEPでは 文化や言語の壁を越えた協働による“実体験” を通した成長を大切にしています。例えば、外大生だけでイベントを企画し、留学生を招けば、国際交流は実現できますよね。しかし、IEPでは企画から、留学生と共に練り上げていきます。そのため「大学からあえてアイデアは提供せず、外大生と留学生がチームで『何を企画するのか』、実行するには『何が課題なのか』をゼロから話し合うところからスタートしてもらう」そうです。もちろんコミュニケーションは全て英語(チームによっては中国語やスペイン語の場合も)。まさに外大生と留学生との “協働”が求められています。日本では、このような機会は少ないので、プログラムとして環境を整えてくれるのは嬉しいですね。

では早速、実際に開催されたイベントを紹介します。IEPでは、企業とのコラボレーションによるワークショップも開催しました。今回は卒業生に協力してもらい実現したイベントをレポートします!

『オランダに届け!海外ビジネスワークショップ』をレポート

このイベントは、オランダに拠点をもつ日本企業とIEPとの共同企画で行われました。外大生29人と、オランダ・ロッテルダム応用科学大学のインターン生2人がメンターとして参加。「オランダで日本のビーガン食を販売するには」というテーマのもと、企業担当者への最終ピッチ向けて6週間(計12回)ワークショップ実施しました。

▲インターン生としてメンター役を務めたジルさんとマックスさん
国際交流部 和田さん

まずはメンターから商品企画に必要な知識を学生たちにレクチャーしてもらいました。内容は、ターゲットとなるペルソナの設定方法、商品コンセプトの作り方、商品の売り方、アイデアの見つけ方など、ビジネスの基本となる考え方です。ロッテルダム応用科学大学の学生は、1年生の頃から商品企画やビジネス立案の実践経験があります。そのため実践的な知識が深く、学生たちにとっても同年代の学生から学ぶことはとても刺激になったと思います。

なるほど!学生たちは企画を考えるための基礎知識からワークショップで学ぶんですね。もちろん留学生は英語で説明するので、内容をしっかり理解していないと大変。その後の商品企画にも影響します。実践的だからこそ、学びの精度が問われるんですね。

▲オランダにおける食品業界の動向や、商品のローカライズ方法を紹介するスライド

その後、学生たちは7つのチームに分かれ商品企画へ。学んだことを反映させながらアイデアを練ります。ユニークなプレゼンテーションにしようと、映像を用いるチームがいるなど、形式に捉われない自由な発想でプロジェクトに取り組んでいました。最終日には、企業の担当者に向けてピッチを行いました。実際に商品化できる可能性が高いことが評価され、『照り焼きヴィーガンピザ』が優勝商品として選ばれました。今回審査員を務めていただいた日本企業の担当者からは、非常に高い評価をいただきました。

国際交流部 和田さん
▲最優秀賞に選ばれた「Teriyaki vegan pizza」

素晴らしいですね!一部、審査員の方からのコメントも紹介します。

審査員コメント

「どの商品もレベルが高く面白かったです。中でもヴィーガンピザはマーケティング調査、ターゲットや値段の設定など背景をよく調べてありました。実際に商品化を視野にいれたとき最も現実味のある商品でした。オランダでも人気のあるピザにヴィーガン要素、さらに照り焼きという和風の要素を加えていたのも工夫が感じられます」

「みなさん時間をかけて、一生懸命取り組んで下さったのが分かり感激しました。オランダで浸透しやすいアイデアがたくさん出ていて、どのチームの商品も素晴らしかった。動画を使ったプレゼンテーションも面白かったです」

▲最終発表会の様子(オンラインという特性を活かして動画や音楽を盛り込んだ発表となりました)

このワークショップでは、ビジネスの基礎を学んだだけでなく実際に商品企画に取り組んだことで、学生それぞれにとって学びの多い機会となりました。終了後のアンケートでは、学生たちからもポジティブな感想がたくさん寄せられています。

中根 寛瑛

実は英語でプレゼンテーションするのは今回が初めてでした。相手を惹きつけるためのプレゼンテーションを目指して、TEDなどの映像を参考にしながら勉強しました。もっとも印象的だったのは、デジタル技術を駆使したユニークなプレゼンテーションをおこなったチームです。次のプレゼンテーションでは早速動画を用いてチャレンジしたいと思います。

私は、このワークショップでチームリーダーを務めました。どちらかとういとグループ行動は苦手でしたが、今回のプロジェクトで役割分担や采配の仕方、メンバーみんなのスケジューリング、 ミーティングをまとめるファシリテーターとして、多くのスキルを修得できました。私はリーダーに向いていないのでは? と考えていましたが、このプロジェクトを通して自分の新たな可能性を見出せたと感じています。

月溪 未菜
芝田 美梨

ビジネスの戦略、商品のアプローチ方法やプレゼンテーションの仕方など学びました。本当に役に立つ知識を得られたと思っています。このワークショップをもう一度振り返りながらまとめて、将来への資料 として残したいと思っています。

楽しいだけじゃ「本当の学び」には繋がらない。自分自身と向き合うことで経験する葛藤や努力。

―困難を乗り越えてこそ、学びがある

IEPのチームリーダーグループは言語も価値観も異なるメンバーで構成されています。当然、意思疎通がうまくいかないこともしょっちゅうです。同じことについて話をしても、留学生たちのスピードについて行けず悩んだり、文化背景の違いから理解が異なることがあったり。時間通りに集合できず、ミーティングが開始できないというハプニングが起きたり。考え方の違いが起因となって『自分ばかりが頑張っている』と考え込んでしまうなんてことも。こうしたさまざまな困難を乗り越えて、学生の皆さんは本気で取り組んできたんですね。

IEPではこのような経験こそが『実体験』として、今後に生かされると考えられています。「多国籍なメンバーと協働することで、分からないことや出来ないことが浮き彫りになります。だからこそ焦ったり、落ち込むこともありますが、『今の自分にできることは何か』を考えるきっかけになるんですね。そこで大切なのは『なぜこうなったのか』という原因や『どうすれば乗り越えられるのか』といった方法を客観的に分析、考えることなんです。」なるほど、そのプロセスこそが大きな学びの機会となるんですね。

実際にこのプログラムに参加した学生の皆さんのお話を聞いても、どんな「経験」を得られるかは人それぞれ違うと話していました。「失敗を乗り越えた経験から学ぶこともあれば、うまくいった成功体験からスキルが伸びたり、自信がついたりすることもある」のだとか。社会人になるまではなかなかこのような経験はできないので、とても貴重な機会ですね。自分は何ができて、何が足りないのかを自覚することで、理想の自分や夢に近づく第一歩となるかもしれません。

現在、IEPはすべてオンラインで開催しています。海外からも、たくさんの熱心な学生たちが集まってくれました。ミーティングや情報共有は、ZoomやSlackなどさまざまなデジタルツールを使用。便利なツールを駆使してコミュニケーションが取れるのもオンラインならではですね。

Learning Outcomes達成のために、目標をもって参加しよう

―Learning Outcomesで学修成果を客観視

IEPではプログラムでの経験を将来のキャリアにつなげることも視野に入れているそうです。そのために学びや体験の成果を客観的に理解することを重要視しています。IEPでの活動を具体的にどのようなスキルや知識の修得へ繋げるのかをLearning Outcomes(学習成果)として設定しているそうです。

Learning Outcomes(学修成果)とは、以下の5つです。

  • Intercultural Competence & Communication:異文化理解能力・コミュニケーション力
  • Innovation & Creativity:イノベーション/創造力
  • Strategic Problem-Solving:戦略的問題解決能力
  • Digital Fluency:ICTの活用力
  • Mind Set: Toughness/Leadership:マインドセット(粘り強さ/リーダーシップ)

それでは、このLearning Outcomesをどのように実践しているのでしょうか。国際交流部の方に聞いてみました。

国際交流部 越智さん

IEPの活動の中で、学生一人ひとりにLearning Outcomesを意識して、能力やスキルを身につけてほしいと説明しています。そして、どのように目標を実現するかの指標をつくり、活動を終えたときにはLearning Outcomesに基づいた振り返りを行っています。何を目指したいのかは人それぞれ違うので、身につけたい能力も個々で違ってOK。Learning Outcomesを意識しながら日々活動すると、社会で求められるスキルは何か、海外の人たちとグローバルな環境で共存するために必要な能力などが、自然と意識できるようになりますよ。

なるほど…!自由度の高い環境の中で、様々な体験を通して、キャリアにつながるスキルを戦略的に身につけることができるなんて。よくできていますね。私も学生であればぜひ参加したいです。

IEPでは「楽しかった」だけで終わるのではなく、何を得たのか、どういった能力が身に付いたのかを「語れる」ようになってほしいそう。なぜ、「語れる」ことが必要なのでしょう。

IEPに参加して自分だけのストーリーを語れる人になろう

自らの経験をわかりやすく相手に伝えるためには、「何を目標として活動してきたのか」「それによりどういった能力やスキルが身に付いたのか」さらに「今後にどのように活かしていきたいのか」を客観的に振り返りながらまとめる必要があります。そして、そのなかで関西外大のIEPの最も大きな特徴である、海外の学生との協働をどのように実現したのかを、日本語でも英語でも語ることができるようになれば、将来のキャリアにつながるストーリーが必ずつくれるはずです。

IEPは、学生の皆さんが「自分だけのストーリー」を描くためのプラットフォームです。IEPでのさまざまな経験を通して、自分がどうありたいかを考えてみてください。

グローバルな環境で活躍したいと考えている人はもちろん、自分に自信を持ちたい!と思っている人や、学生のうちに何か成し遂げたいと考えている人など、多くの学生さんにとって成長できる場がIEPにはあります。少しでも興味があれば、ぜひ参加してみてください。

今後のIEPについて

ここまで読んでいただきありがとうございました。IEPの取り組みについて、いかがでしたでしょうか?これからもIEPでは、さまざまな活動が繰り広げられます。「参加者」として活動に関わったら、その後は少しでも多くの人たちに「運用者」としても関わってほしいと願っています。それは、IEPは学生皆さんの自由な発想で作り上げる「国際交流」だからです。今までにはなかったものを、新しい視点からのアプローチで、「自分だったらこんな体験がしたい」という発想からアイデアを考えてみてください。それをIEPというプラットフォームで是非実現してほしいと思います。皆さんからのたくさんのアイデアをお待ちしています。