「ヴィーガン」(ビーガン)と聞いて、どういったことを思い浮かべますか?
昨今、日本でもよく耳にするようになりましたが、具体的にどういった人のことを指すのか――例えば、ベジタリアンとの違いは何なのか?など、きちんと答えられる人は少ないのでしょうか。
関西外大では毎年750名前後の外国人留学生がやってきますが、その中にヴィーガン、ベジタリアンの学生がいます。
そんな彼の中から今回は3名の留学生に集まっていただき、ヴィーガン・ベジタリアンになったきっかけや、実際の生活の様子などとともに、日本のヴィーガン対応などについても伺いました。
具体的には、
- ヴィーガンとベジタリアンの違いについて
- ヴィーガンとベジタリアンの留学生座談会
- 手作りのヴィーガン料理・レシピをご紹介!
- 留学生おすすめのヴィーガン対応のカフェ・レストラン
- 大阪のヴィーガン対応のスーパー
※クリックすると該当記事に飛びます。
といった各コンテンツをご紹介します!
*インタビュー内容は取材時のものになります。
学生プロフィール
座談会に登場いただいたのが、こちらの三人。それぞれのプロフィールは以下の通りです。
ドイツ出身のBernhard Steiger(ベアニー)さん。

学生プロフィール
- Bernhard Steigerさん(愛称:ベアニーさん)
- ドイツ出身
- テュービンゲン大学(University of Tubingen)
- 専攻 Japanese Studies
- ヴィーガン歴:約3年

2015年に東京へ観光にきて、日本の文化やホスピタリティに興味を持ちました。
アメリカ出身のLauryn Mcmeans(ローリン)さん。

学生プロフィール
- Lauryn Mcmeansさん(愛称:ローリンさん)
- アメリカ合衆国(ヴァージニア州)出身
- ランドルフメイコン大学(Randolph-Macon College)
- 専攻 Studio Art、副専攻 Japanese Studies
- ベジタリアン歴:約2年

小さい頃からアニメや映画に親しみ、特に大好きだったのがジブリの作品で、そのなかで自然と日本への関心が高まりました。
オランダ出身のDaisy Siemerink(デイジー)さん。

学生プロフィール
- Daisy Siemerinkさん(愛称:デイジーさん)
- オランダ出身
- エラスムス・ロッテルダム応用化学大学(Rotterdam University of Applied Soiences)
- 専攻 International Business
- ヴィーガン歴:約半年(その前段としてベジタリアンとして数年過ごす)

高校で「アジア経済」という授業をとったのが日本に触れるきっかけで、その後「Abroad in Japan」というYouTubeチャンネルを見て、興味を持ちました。
日本の文化を学び、自国と比較するのが面白いです。
ちなみに、関西外大での留学期間中、みなさんは御殿山キャンパス・グローバルタウン内 にある「GLOBAL COMMONS 結 -YUI- 」で生活を送っています。
「結」の施設紹介などについては、下の記事をご参照ください。
ヴィーガンとベジタリアンの違いについて

最初に、ヴィーガンとベジタリアンの定義や違いについて簡単に説明しておきます。
一般的に、ベジタリアンは肉や魚を食べないのに対して、「完全菜食主義者」と訳されるヴィーガン(vegan)は、プラスして卵・乳製品・はちみつなど動物性食品をいっさい口にしません。
※ヴィーガンはベジタリアンの中の1つということになりますが、記事内では便宜上、ヴィーガン=動物性食品を食べない人、それ以外の菜食主義者をベジタリアンとして区別します。
そもそもベジタリアンとは、
ベジタリアン (Vegetarian) という言葉は英国ベジタリアン協会発足の1847年に初めて使われた。ベジタリアンという言葉は「健全な、新鮮な、元気のある」という意味のラテン語 ‘vegetus’ に由来する。
出典:日本ベジタリアン協会
一口にベジタリアンといってもさまざまな種類があり、
- ヴィーガン(植物性食品のみを食べる)
- ラクト・ベジタリアン(肉類や魚介類、卵を食べない。宗教上の理由でそうしている人が多い)
- ラクト・オボ・ベジタリアン(肉や魚を避け、乳製品、卵、はちみつは食べる。欧米に多い)
- ペスコ・ベジタリアン(植物性食品と魚、卵、乳製品は食べる)
さらに細かく分けると9種類もあるという。

ベジタリアンは食生活だけを指すが、ヴィーガンは生き方そのものを表すというところが違いの一つで、例えば牛革やウールなどの動物性素材を購入しないなど、食以外の部分でも制約を設けている。
また、ヴィーガンも細分化するとダイエタリー・ヴィーガン、フルータリアンなどに分かれる。
ダイエタリー・ビーガン (Dietary Vegan)は、ビーガン同様、植物性食品のみの食事をするが、食用以外の動物の利用を必ずしも避けようとしない。
出典:日本ベジタリアン協会
フルータリアン (Fruitarian) は、ビーガン (Vegan) との違いは植物を殺さない(絶やさない)食品のみを食べること。 (リンゴの実を収穫してもリンゴの木は死なないが、ニンジンは死んでしまう)
ヴィーガンとベジタリアンの留学生座談会

ヨーロッパ――特にベアニーさんの母国でもあるドイツはヴィーガン先進国で、人口の約10%がベジタリアン・ヴィーガンだというが、「実際に、自分たちの周りではほとんどいません」とのこと。
ヴィーガンは日本ではまだまだ認知度が低いが、みなさんの国ではどうなのか?を訊いてみると、
アメリカ出身のローリーさんによると、西海岸など新しいカルチャーの発信の場となっている地域は比較的ヴィーガンの人がいるが、地方ではまだまだ少ないという。
つまり、世界的に見てヴィーガン・ベジタリアンはまだまだマイノリティで、そのぶん苦労などもあると思うが、その実際のところや、日本での応対などについて訊いてみた。
ベジタリアンやヴィーガンになったきっかけ

――最初に、みなさんがベジタリアンやヴィーガンになったきっかけから教えてもらえますか。

2年前、当時付き合っていた彼氏がベジタリアンで、その人と生活していく上で環境的な問題や、動物愛護のことなどを考えるようになって、自分も食生活を変えていこうという感じになりました。

私は6か月前にヴィーガンになりました。「動物を食べることを原理的に正当化できない」というのが理由です。
もともとベジタリアンで、彼氏がヴィーガンだったんですけど、彼に影響される感じで、私もヴィーガンを始めてみました。
――半年前というと、ちょうど留学で関西外大にやってきたくらいの時(=2022年8月)ですか?

そうです。ヴィーガンは食べてはいけないものの制約が多くて、なかなか踏み切れなかったんですけど、関西外大への留学で生活環境が大きく変わるので、これを機にチャレンジしてみようと思いました。

私もベジタリアンからヴィーガンになりましたが、ベジタリアンになったきっかけは2017年のイスラエル旅行でした。
現地でたくさんのお肉を食べ、その反動で一度お肉を食べない期間をつくってみようと思って、帰国後に「肉なし」の生活を過ごしたんですけど「全然なくても問題ないな」と気づいたんです。

私は今現在ベジタリアンですが、ベアニーさんの場合、自然とヴィーガンに移行していった感じなんですね。

そうですね。最初は「お肉を食べなくてもいけるかもしれない」っていうところから始まって、それと同時にやっぱり世界的な情勢――貧困問題とかもよく言われるんですけど、そういった倫理的な問題も大きく影響しています。

ベアニーさんが指摘した「貧困問題」とは、例えば食用の牛を太らせるために、飼料としてコーンなどを大量に与えている。一方で、途上国などで飢餓に苦しんている人々も存在している。
それだったら、飼育用に与えられているコーンなどの食物を貧しい国の人々に行き届くようにすれば、飢餓の問題がなくなっていくんじゃないか。その視点が「肉食を止める」という行動の倫理的な問題意識となっている。

ヴィーガンの話題になると、だいたい「何が食べられるか」という食の問題だけにフォーカスされ、その背後にある倫理的な問題まで言及されることはほとんどありません。

たしかに。ベジタリアンっていうと、そうでない人たちから「すごい!」って反応になるというか、決して否定的な受け取られ方はしないんですけど、やっぱり話題になるのは食べることが中心になってしまいます。

周囲の反応に関しては、僕の場合もだいたい同じ感じですね。でも実際は倫理的な問題外が大きく、世界情勢や飢餓の問題、動物の命への尊厳といったことなどを考えたときに、「肉は食べないでおこう」と自分の中で決めました。
日本のベジタリアン、ヴィーガンへの対応について

欧米諸国に比べ、日本はヴィーガンやベジタリアンへの認知度、理解度が高いとはいえない。
実際に、現状の日本で生活をしてみて、ヴィーガン/ベジタリアンとして感じたことや苦労したことなどについて訊いてみた。

基本的に、日本では外食でヴィーガン料理を食べられるところがほとんどありません。

大学でも同じで、キャンパス内で販売されているもののほとんどはヴィーガンに非対応です。

お二人の言う通りで、必然的に自炊するという選択になるわけですが、日本にはスーパーにベジタリアン専用コーナーがない場合が多いので、食べられる食材を見つけるのにすごく苦労します。

ヴィーガンだともっと厳密で、動物性食物を一切口にしないので、例えばパンやチョコレートにミルクが入っていたら食べられません。
海外だと商品のパッケージにヴィーガン認証のマークが付いているので、一目見てそれが食べられる食材かどうかの判断がつくんですよ。

日本の場合、一目見てわかるマークがないから、パッケージに書かれている成分表を確認することになります。
ただ、日本の食材だと英語で書かれているわけではなく、ローリーさんが言ったように確認するのにすごく大変で、本当にスーパーで買い物するだけで2~3時間はかかります。

きちんと選別していると時間がかかりすぎるし、私の場合ベジタリアンということもあるので、途中から厳密チェックするのをやめ、ざっくり「肉の入っていないもの」を基準に買うようになりました。

――日本のスーパーはベジタリアン/ヴィーガン専用のコーナーがなく、食材選びが苦労するということは今のお話でよくわかったんですけど、かといって外食も一般的ではないということで、そのなかでよく作る定番の料理みたいなのはあったりするんですか?

ガーリックブレッドとカボチャのスープですね。パンプキンスープをよく作っています。

蕎麦をよく食べます。そこに野菜をアレンジしたり。簡単に作れて、食材もすぐ手に入るので便利です。

一番よく作るのは野菜カレーで、あとは豆腐を使った料理と、ベアニーさんと同じくカット野菜と焼きそばですね。

――カレーと聞くと菜食主義の人は食べてはダメみたいなイメージがありましたが、肉が入ってなかったらOKってことですね。

ルーには動物性の原材料が入っているのでヴィーガンの方だとダメなんですけど、私はその手前のベジタリアンなので一応OKです。
ちなみに、日本でもヴィーガン用のカレーも販売されていたりします。

まさに私はヴィーガン用のカレーのルーを買って、野菜といっしょに食べたりしてますよ。

ヴィーガンって聞くと、野菜しか食べてないように思われることがよくあるんですけど、大豆ミートをはじめヴィーガンフードもどんどん開発され、けっこういろいろと食べられるんですよ。
チョコレートとかも普通に食べていますし(笑)。
※みなさんが自炊したヴィーガン料理は、後ほど写真付きでご紹介します!
食べ物だけではなく、衣服や化粧品などへの配慮も

先のお話で出たように、日本はまだまだヴィーガン/ベジタリアンに関しての認知度が低い。
菜食主義者になるかどうかは個人の自由だとしても、「多様性」という言葉が日常的に使われるようになった昨今、そうした人たちへの最低限の配慮は必要だろう。
そうした「ビーガン・ベジタリアン理解」という観点から、来日して気づいた問題や課題について訊いてみた。

ヴィーガニズムへの理解がほとんどないので、まずはそれがどういったものなのか、きちんと理解することが必要だと感じます。
先ほどから話題に上がっていますが、「ヴィーガン=お肉を食べない人」という認識で、多くの場合、その背景にある倫理的な問題はスルーされているように感じます。

例えば、学期がスタートする際のオリエンテーションの場などでヴィーガンのことを紹介するなど、現状を変えようと思ったら、まずは認知度を高めるところからだと思います。

菜食主義などについて、日本では議論する場が少ないように思います。
自分がなる/ならないに関わらず、対話を通じて相互的に理解を深めることが大切ではないでしょうか。
――啓蒙まではいかないまでも、ヴィーガンのことやその背景にある飢餓問題や動物愛護のことなどを発信していきたいといった思いはあるんですか?

最終的なヴィーガンになるのかベジタリアンになるのか、もしくはならないのか、その決定に関しては人から言われるのではなく、自分の気づきとか自分の決断ですべきだと思います。
私の兄弟がヴィーガンになりましたが、強制や説得をしたわけではなく、自分の意志でそうなりました。

同意見で、自分の選択肢は間違っていないと自信を持っていますが、それを人に強要しようとは思っていません。
だから、ヴィーガンについて訊かれたら私の意見は述べますが、それを聞いてどうするかは、その人次第です。

基本的には同じ感じですが、違った角度から一つ補足すると、例えばコートとかダウンジャケットとかもそうですけど、
動物製の製品を使わないことのベネフィットとか、その製品が作られる裏側の部分を知ることはいいことなんじゃないでしょうか。

――なるほど。食べ物のことばかり言ってましたが、動物を使った革製品などを使うことにも抵抗があるということですね。

はい。ただ、ダウンなどにグース(ガチョウ)の毛が使われているから絶対に着ないというわけではなく、古着を買ったりはしています。

新製品を買うのは少し抵抗があるということで、私も同じような感じです。

あとは動物園とか水族館とか、要は「生き物が商品として働かされているような環境」とは距離を置くようにしています。

同じ観点からペットショップにも否定的で、犬や猫を見て「小っちゃくてかわいい」というよりも、生後数週間とかで親元から離された側のことを考えた時に、やっぱりかわいそうと、そういう視点で考えてしまいます。

ペットショップで動物を買うのだったら、保護犬・保護猫みたいなシェルターから引き取ってあげる方がいいと思います。
あと、ペットフードには動物性の食材が使われているものも少なくないので、自分は植物性のものしか食べないのに、飼っているペットにそれを与えるというのはやはり抵抗がありますね。

服やペット以外だと化粧品などもそうで、乳製品をはじめとする動物性の成分が入っているものは特にヴィーガンの方だとダメということになってしまいます。
まず最初は食事や着るものといった自分のことから考え始め、そこから周りの環境――例えばペットや動物園、さらには世界情勢といったさまざまなことに考えを巡らせる。
そのなかで疑問に思ったことなどに対して、自分がどう行動するのかを考えたときの一つの答えが、動物性の製品を食べない、着ない、使わないといったことで、みなさんのお話を聞いてベジタリアンやヴィーガンが単に「何を食べるか/食べないか」の問題ではないことが、改めて実感することができた。
うどんはOKだけど、魚ベースの出汁が入っているとNG!?

これまで皆さんにお話いただいたように、日常生活を送るうえでは、スーパーや飲食店でのベジタリアンやヴィーガン・フードの対応、非対応の問題がある。
食べ物関連のことに関しては比較的イメージしやすいが、それ以外での困ったことや問題などがないか聞いてみた。

ANIMAL PRODUCT(動物製品)と言われたときに、肉だけを連想することが特に日本人の方は多いですね。
例えば、身近なところだと日本食のうどんは麺自体は大丈夫ですが、出汁がダメで食べられなかったりします。
――あ、カツオとか魚から取った出汁はダメってことですね。

そういうことになります。日本の料理はけっこう魚を原料としているものが多いので、ヴィーガンの人は食べられません。私はベジタリアンですが、魚は個人的に食べないようにしています。

サラダもなんでもOKかというとそうではなく、チーズがかかっていたり、動物性の成分が入ったドレッシングが入っていたりするとダメです。
あとは乳製品はいろいろなところに含まれますが、パンでもお菓子でも、ミルクが入っていたりすると口にできません。

先ほど話した背後にある倫理的な問題も含め、そういう深いところまでの理解が行き届いていないところが、問題点としては1つ挙げられると思います。

それが単に誤解されているだけだといいんですけど、意識高い系とか「流行りでやってるんでしょ」っていうようなことで捉える人がいたりもして…。

――ハリウッドのセレブとか有名インフルエンサーがやってるから、みたいな。

誤解から勘違いにまで発展していて、日本人の方の場合、そこまで悪意のある偏見とかはないと思うんですけど、単純に正確な情報というか、理解度が低いというのはあると思います。

あとはヴィーガン食に対応したレストランが少ないという話もありましたが、京都の観光街に行くと、外国人観光客も多いのでヴィーガンレストランもけっこうあるんですよ。
ただ、一般の飲食店に比べて価格が高くて、気軽に入れない。

だから、非ヴィーガンの友だちと出かけた際に、対応したレストランに行こうとすると「いや、ちょっと高いよね」っていう話になって…。
そういったときに、精神的な負担はやっぱり感じます。

自分のなかの問題だといいんですけど、デイジーさんが言ったように、周囲との関係となると気をつかわないといけない側面は少なからず出てくる感じですね。
――みなさんのお話を伺って、まずは基本的なこととして正確な情報を知り、相手のことを理解するのが大切であるということを改めて実感しました。

しっかり理解するには問題に対する関心をもつことが大事になってきます。
日本人の方は相手への配慮という意識が強く、それが踏み込んで対話できない要因にもなっているので、その点を乗り越えてもっとコミュニケーションを取れるといいですね。

たしかに、海外で「ヴィーガンなの」って言うと、いつから? どうやってなったの?とかいろいろ質問が来るんですけど、日本だと「そうなんだ」で終わっちゃうことが多いかもです。
他人事だとやっぱり右から左に流れてしまうので、そういう意味ではまずは自分のこととして考えるのが大切だと思います。

「考える機会」ということでいうと、アメリカの場合、住宅街から比較的近い場所にたくさんの農場があります。
そこで自然と家畜の存在などを意識しますが、日本の場合は都市と農場の物理的な距離があるので、精神的にも距離ができてしまうのかもしれません。
ヴィーガン・ベジタリアンになって良かったこと

ヴィーガンやベジタリアンになると、食べ物を中心に制約も多くなるわけだが、メリットも少なからずある。
その点についても訊いてみた。

自分の考えで、決断、行動するということがまず自分にとっていいことだと思います。
また、以前とは違う視点を持って食生活を送ることで、その裏側にある社会的な背景などに考えが及ぶことなどですかね。つまり、視野が大きく広がりました。

まず地球に対して優しいということと、健康面でも明らかに体調がよくなりました。

日常的に食物繊維を多くとるので、単に健康というよりも内臓など身体の内側からいい影響がある感じですね。
手作りのヴィーガン料理・レシピをご紹介!

ヴィーガンだからといって野菜ばかりを食べているわけではないことは、これまでの皆さんのお話からもよくわかった。
一方で、じゃ、どんなものを食べてるの?とよくわからない部分も少なからずある。
というわけで、ここでは料理上手で名高いデイジーさんにご協力いただき、自身で作ったお手製の料理やそのレシピなどについてご紹介してもらった。
まずは上の写真でデイジーさんが手にしているサンドイッチのご紹介から。
生クリームを使わない特性フルーツサンド

「結」の同じフロアに住む友だちといっしょに作ったそうで、材料は以下の通り。
- マスカット
- パインナップル
- 特性メレンゲ
生クリームに乳製品は使えないので、卵白のみを使用してメレンゲを作ったのがポイント!

美味しく作ることができ、友だちにも好評でした!
ピタパンのフルーツミックス&ヨーグルト

ピタパンにフルーツを乗せてベイクし、ヨーグルトと一緒に食べたもの。

手軽に作れるので、朝食などにおすすめです。
手巻き寿司

アボガドなど、野菜たっぷりの手巻き寿司。

せっかく日本に留学したので、手巻き寿司にも挑戦してみました!
留学生おすすめのヴィーガン対応カフェ・レストラン

ヴィーガン料理のレシピの紹介に続いて、
留学生たちが日本で訪れたベジタリアン・ヴィーガンに対応したカフェやレストランで食べた料理を紹介してもらった。
ヴェジタリアンの人も、それでない人も、よかったら一度覗いてみてください。
※取材時に店名の確認が取れたお店のみ店舗情報を掲載しています。
ベジミート丼


京都にあるヴィーガンカフェで食べたベジミート丼です。照り焼き風味のタレがかかっていて絶品でした!
ちなみに、ベジミートとは…
べジミートを使用したハンバーガー

ヴィーガンでもハンバーガーが食べられます。
中に入っているのは、べジミートです。

京都にあるヴィーガンカフェでベジミートを使用したハンバーガーを食べた時の写真です。ヴォリュームがあり、味もおいしかったです!
お店情報「ヴィーガンレストラン アインソフジャーニー京都」
- 住所:京都府 京都市 中京区 新京極通 四条上ル中之町 538-6
- 定休日:不定休
- 公式サイト:こちら
ヴィーガン丼

こちらの写真は、ローリンさんが休暇を利用して東京を訪れた際に食べたヴィーガン丼です。

醤油風味に味付けされた野菜がとてもおいしかったです!
うどん「名代おめん 四条先斗町店」

うどんの麺自体は植物性のものなので問題ありませんが、出汁が魚介系とかだとヴィーガンの人は食べられません。
こちらのお店では、鰹節を使用せず、
- 昆布
- しいたけ
- 野菜
で出汁を取り、ヴィーガンにも対応。

その他、天ぷらなどもヴィーガン対応で、英語のメニューもあるので外国人の方に特におすすめのお店です。味もおいしかったですよ!
お店情報「名代おめん 四条先斗町店都」
- 住所:京都府京都市中京区四条通先斗町西入ル柏屋町171-1
- 定休日:火曜日
- 公式サイト:こちら
乳製品を使わないパフェ

ヴィーガンは動物性の食材を口にしないので、牛乳などの乳製品が使われているパフェやアイスは食べられません。
それだけに、ヴィーガン対応のパフェは貴重なようです。

このようなパフェを食べれるお店は少ないので、もっと身近に食べれるようになることを願っています!
イタリアン「Pettirosso Kyoto ペッティロッソ 京都」

ナチュラルカフェレストランを謳うイタリア料理店で、化学調味料や遺伝子組み換え食品は使わず、なるべく京都のオーガニック野菜を使用した無添加の菜食料理を中心に調理されています。

パスタランチなども食べることができ、ヴィーガン対応のお店ですが、かなり美味しいと思います。
お店情報「Pettirosso Kyoto ペッティロッソ 京都」
- 住所:京都府京都市下京区塗師屋町92-2
- 定休日:月曜日、火曜日
- 公式サイト:こちら
大阪のヴィーガン対応のスーパー

ヴィーガン・ベジタリアンを対象とした商品を豊富に取り揃えているスーパーが近所にはないという話がありましたが、日本でも一部ヴィーガンに対応したお店が出てきています。
というわけで、関西外大がある大阪を中心に、関西のヴィーガン・ベジタリアンフードに特化したスーパーをいくつか紹介します!
BIO-RAL(ビオラル)

大手スーパー「ライフ」が展開し、「自然の恵みをいかしたオーガニック食品や健康にこだわった体にやさしい商品を豊富に取り揃え」る。
「BIO-RAL(ビオラル)」は、からだに優しい素材や製法、健康や自然志向にあわせたプライベートブランドです。「安心できるものを選びたい」「素材の味を大事にしたい」「健康的な食事を心がけたい」そんなあなたに選んでほしい商品を揃えています。
出典:株式会社ライフコーポレーション
健康志向のスーパーということで、いわゆるヴィーガン専門店ではないが、無農薬野菜をはじめ健康を意識した食材が多数取り揃えられている。
オーガニック系スーパーとしては比較的価格も安く、品揃えも豊富ということで人気だ。
大阪市内には、現在(2023年2月)以下の3店舗が運営している。
ビオラル 靭店
- 住所:大阪府大阪市西区靱本町 3-5-18
- 最寄り駅:地下鉄千日前線「阿波座駅」9番出口より徒歩約1分、地下鉄中央線「阿波座駅」1・3番出口より徒歩約3分
- 電話番号:06-6447-5511(10:00-21:00)
- 営業時間:10:00-22:00(ビオラルガーデン・セリア10:00-21:00)
- 駐車場:9台
ビオラル エキマルシェ大阪店
- 住所:大阪府大阪市北区梅田3丁目1-1
- 最寄り駅:JR「大阪駅」1階桜橋口すぐ
- 電話番号:06-6342-0171
- 営業時間:9:00-22:00
- 駐車場:なし
ビオラル セントラルスクエアなんば
- 住所:大阪市浪速区湊町1-2-3
- 最寄り駅:JR「JR難波駅」下車すぐ、大阪メトロ四つ橋線「なんば駅」下車すぐ、近鉄・阪神「大阪難波駅」下車(徒歩)4分 四つ橋筋湊町交差点を左に大きく左折
- 電話番号:06-6634-0300(受付時間:開店~21:00)
- 営業時間:9:00~24:00 (小麦の郷はあさ8:00から・くらしの品売場は22:00まで・ドラッグコーナーは21:00まで)
- 駐車場台数:300台
ムスビガーデン 大手通店

「生産者とお客様をむすぶ」「大地と食卓をむすぶ」「安心・安全をむすぶ」をコンセプトに、オーガニック食品を展開する。
マクロビオティックの考え方に基づき、食べ物自体が持っている香りや旨み、栄養を存分に引き出すこと、そして日本の伝統技術によりさらにその力を大きなものにし、体に優しく、安全・安心な食品としてお届けします。
出典:ムスビガーデン
日本全国の厳選された食品と海外オーガニック認定食品、また食品以外の生活雑貨や化粧品、書籍も取り揃え、健康で文化的な健康生活を応援して参ります。
マクロビオティック生活を提案すると同時に、最新の科学的・医学的知見に基づいた生活提案にも取り組み、添加物をいっさい使用しないな自然食品を数多く取り扱っているのが特徴。
店舗は東京に2店舗展開し、大阪は以下の大手通店が営業している。
ムスビガーデン 大手通店
- 住所:大阪市中央区大手通2-2-7 1F
- 最寄り駅:地下鉄谷町線天満橋駅下車、4号出口から徒歩10分、地下鉄谷町線谷町4丁目駅下車、4号出口から徒歩10分
- 電話番号:06-6945-0618
- 営業時間:10:30~19:30(月~土)、日・祝は18:00に閉店
ナチュラルハウス グランフロント大阪店

「国産オーガニックの専門店」で、ヴィーガン商品も豊富に取り揃えられています。
ナチュラルハウスの想いとして、以下の文章を掲げている。
自然と共存するため、不自然な行動を慎む。/すべての生命力を、余すことなく活用する。/その意思を、次の世代へと継続する。/それが、ナチュラルハウスの考える、オーガニックというライフスタイルです。
ひとりひとりのできることは小さいけれど、/あきらめない勇気、変えようとする信念、その祈りが大きな希望となるとき、/私たちは“未来”への恩返しができるのだから。出典:ナチュラルハウス
Organic Life & Sustainability
オーガニックは、ライフスタイルです。
老舗のオーガニック食品スーパーで、グランフロント大阪に出店している。
※関西圏では、神戸元町にも店舗有。
ナチュラルハウス グランフロント大阪店
- 住所:大阪府大阪市北区大深町4-1 うめきた広場地下1F
- 最寄り駅:JR大阪駅・阪急線 梅田駅・地下鉄御堂筋線 梅田駅 徒歩1分
- 電話番号:06-6485-7895
- 営業時間:10:00-22:00
さいごに

関西外大に留学中のヴィーガン・ベジタリアンの3人の座談会、いかがだったでしょうか。
- ベジタリアンといっても様々な種類がある
- ヴィーガンの人はサラダばかり食べているわけではない(意外とバラエティに富んでいる)
- 飢餓や動物愛護など、単に食の問題だけではなく、背景には社会問題や世界情勢がある
- 日本のヴィーガンへの理解度はまだまだ(スーパーがほぼ非対応で、一部の観光地を除きレストランも少ない)
- 主義や主張を広めたいわけではなく、自分で考え、自発的に問題意識を持ち、行動することが大切
といったことが、座談会を通して見えてきました。
みなさんの対話のなかにあったように、まずはヴィーガンがどういったものなのかをしっかりと知ることが大切です。
そこで誤解があると、偏見などにもつながっていくので、正確な情報を知り、それを起点に相手への理解を深める。改めて、そのことの大切さを座談会でのお話を伺って実感しました。
ヴィーガン・フードに関しては、本学は現状未対応ですが、日本でも有数の外国人留学生の受け入れ実績を誇るキャンパスとして、今後対応していくべき課題のひとつだと再認識しました。
そうした具体的な施策の一つひとつが、真の国際交流や多様性の尊重などにつながっていくのだと思います。