Intercultural Engagement Program(以下IEP)の Project & Outreach Teamによる大学院進学やキャリアにつながるオンラインイベント「アメリカ大学院進学の魅力発見講座」が2021年10月7日(木)に開催されました。
今回のイベントでは、関西外国語大学の提携校の一つであるマーシャル大学から福永先生をお招きし、
- アメリカの大学院進学のメリット
- 修了後のキャリア
- コロナ禍のアメリカ教育界事情
などを現地からお話しいただきました。

「留学やアメリカの大学院の魅力を知ってもらいたい!」と思い、IEPの学生スタッフの方などと一緒にイベントを企画させていただきました。
当日は、大学院進学や日本語教員などに興味を持つ50名の学生が参加。
ゲストスピーカーの具体的で魅了溢れる体験談が、学生たちの将来の可能性や視野を大きく広げるきっかけになったようです。
海外協定校マーシャル大学によるオンライン講座を開講

マーシャル大学は、アメリカ・ウエストバージニア州にあります。
今回のマーシャル大学とのコラボ企画には、リベラルアーツ留学で同大学に2019年8月から行っていた野本さんが深く関わってくれました。
野本 綾里さん 外国語学部 スペイン語学科 4年生
所属:IEP(プロジェクトマネージャー)
2021年9月、野本さんは学生アシスタントとして、留学先のマーシャル大学と関西外大生20名程との交流イベントをサポート。
そのイベントの振り返りを、マーシャル大学の先生や本学の国際交流部職員、IEPのチームリーダーたちと行っていた際、マーシャル大学の福永先生より「アメリカの大学院について話をしたい」という申し出がありました。

私自身マーシャル大学留学中に、福永先生から大学院の魅力や実態などを何度も伺い、興味深い内容であると感じました。
それだったらIEPで開催し、より多くの学生に聞いてもらおうと思ったのが、今回のイベントが立ち上がった経緯になります。
関西外大生へアメリカ大学院進学をおすすめする理由

講座を担当いただいたのは、マーシャル大学で教鞭をとられている アンダーソン福永奈津紀先生。
先生の詳しいプロフィールはこちら。
アンダーソン福永奈津紀 先生 愛称 Nacky(ナッキー)先生
鹿児島県出身。鹿児島純心女子短期大学 英語学科卒業。オーストラリアの高校で日本語教員助手として1年間勤務した後、日本大学に進学。
同大学卒業後、Georgia大学(アメリカ)の大学院へ留学し、GA(Graduate Assistant=大学院生助手)として日本語を教えながらTESOL※の修士号と外国語教育の博士号を取得、現在は2006年8月以降マーシャル大学のModern Languages 学科長を務める(研究内容は、教育における学習者の意欲や独自性、大衆文化、談話分析、言語人類学)。
福永先生が、アメリカの大学院進学をすすめるポイントは以下の通り。

大学院は少人数制で、興味のある分野での研究を深めることができます。
ディスカッションベースで「やり方」ではなく「何が問題かを社会問題として捉える考え方」を教えてくれる授業が多いため非常に面白いですよ!
そのほか、
- 在籍中に培った英語力を用いて、専門的な知識を学ぶ楽しさがある
- アメリカでは学士号・修士号・博士号の有無によって給与面での優遇に差がある
- GA(Graduation Assistant)として母国語を教えることで大学院の学費が免除となる制度が多くあり、学費援助にプラスして、決して潤沢とはいえないが、給与支給もある
- 日本語講師として求められる資質はコミュニケーション能力であり、英会話スキルを培った関西外大生はより大学院進学および日本語講師に適している
- 修士(大学院)への進学は、就職後でも、自分探しでも大丈夫
といった数多くのメリットを挙げてくださいました。
修士号と博士号の違いについて
博士号の最初2年は修士号の延長線上ともいえますが、最終年度は自分で立てた研究プランについて指導教員と共に研究を深める形式となります。修士号まで取ると講師として働けますが、博士号を取得すれは終身雇用の道も開けるとのこと!
GA(大学院助手) の現地採用情報の紹介も!

イベント後半では、マーシャル大学がオファーするGAポジション(現地採用情報)についてもお話しいただきました。
ご紹介してくださったのは、AKiko Praylowさん。
AKiko Praylowさん
現在、Marshall大学で、WV地域の日本文化貢献活動を行なうJapanese Outreach Coordinator として勤務中。同時に、土曜補習校の教師として教えながら、大学院の授業も受講中。

大学では文化イベントを計画したり、日本語のクラスのお手伝いをしたりしながら、大学院の授業や研究にも取り組んでいます。
今回の講座で、参考事例として言及された具体的な募集要項は以下の通りです。
- 勤務先:West Virginia国際学校(補習授業校)の教員
- 勤務日数:週1回
- 対象:保護者が現地日系企業などで勤務する児童・生徒
- 指導する科目:国語、算数のほか、日本ならではの季節行事を行う
時期や大学によって条件が変わる前提ですが、アメリカでの大学院進学や勤務について、より現実的に考えられる貴重な機会となりました。
本学教員による留学体験談

3人目のゲストスピーカーとしてご登場いただいたのが、本学の川光先生です。
関西外国語大学 川光 真二 助教授
関西外国語大学 外国語学部英米語学科卒。日本語教員養成課程を修了。卒業後、2010年8月から2年間、マーシャル大学に日本語インターン留学。
インターンを務めながら同大学大学院でM.A.(修士号)を取得。留学終了後に進学したマサチューセッツ大学アムハースト校(アメリカ)でPh.D.(博士号)取得。2020年4月から現職。
初めての海外経験が関西外大卒業後の大学院留学(=マーシャル大学での日本語インターンシップ・プログラム)だったとのことで、そこから約10年間におよぶ大学院での経験をお話し下さいました。

自然豊かできれいなキャンパスや大学周辺の環境に癒されながら、興味のある分野を学習できた経験は非常に楽しく、人生を豊かにしてくれました。
マーシャル大学には、図書館やジムなど大学院生にとっても利用しやすい施設や環境が整っていて、快適でしたよ。
また、イベント終了時にはQ&Aセッションが設けられ、参加者が直接質問できる機会も。
イベント終了後も続々と質問が寄せられ、ゲストスピーカーの先生方には時間の許す限りお答えいただき、非常に実りの多い時間となりました。
イベント参加学生の声
イベント終了後、アンケートを行い、参加者50名中36名の回答を得ました。
その中のいくつかをご紹介します!
今まで考えたこともなかった海外大学院への留学について知るきっかけになった。(2年生)
海外大学院に興味を持ちました。今後、費用などの詳細を調べ、前向きに検討したいです。(1年生)
実際の経験者、生の声が聞ける大変貴重な講座でした。大学院のイメージが180度変わりました!(4年生)
どうやってアメリカの大学院に進学したのかについての興味深いお話を伺えました。(2年生)
修士号と博士号の違いがわかった(2年生・中国人留学生)
留学をするのに金銭面で躊躇していましたが、奨学金が豊富にあることを知り、自分の夢を諦めなくていいと感じることができました。(2年生)
話が面白かった。大学院のイメージが変わった。モチベーションが上がった。(2年生)
IEPメンバーの方の司会進行がよく、楽しく受講することができました。ゲストスピーカーの方の話も、これからの人生に役立てられるような重要なお話で、聞くことができてよかったです。(2年生)
詳しくお話を伺えたので、楽しかったです。海外の生活の様子について知れたのもよかったです(1年生)
参加学生の評価はおおむね好評で、現地での大学院での学びや生活の様子を具体的に知るいいきっかけになったようです。
さいごに
アメリカの大学で教壇に立つ現役の先生に、「アメリカの大学院」のお話を聞くという貴重な時間となった今回のイベント。
ゲストスピーカーとして、実際にマーシャル大学の大学院で学んでいる方、修了した本学教員も登場し、よりリアルに、多様な角度からお話を伺うことができました。
今後もIEPでは、キャリアにつながるイベントや留学生との交流イベントなど、さまざまな企画を準備しています。

きっと皆さんの興味、関心に触れるイベントがあると思いますので、気軽に参加してください!