「Intercultural Engagement Program(以下IEP)」参加者の声をお届けする同コンテンツ。
第6回の今回は、前回の山本菜摘さん ( 短期大学部英米語学科2年 )同様、 Kansai Gaidai College Team(KGC) のチームリーダーを務めるAustin Henry(オースティン・ヘンリー)さんのインタビューをお届けします。
IEPは関西外大の学生が主体となって企画・運営するオンライン国際交流プログラムです。
詳細については、コチラの記事をご覧ください。
なお、今回はの記事はIEPの取り組みを広報活動などを通じて支える「IEP SUPPORTERS」に所属する出口くんがレポートしてくれました。

外国学部英米学科3年 の出口湧です。
よろしくお願いします!
※記事内の情報はすべて取材時のものになります。
日本語や日本文化を深く学びたいと関西外大への留学を決意

現在、関西外大の留学生別科で授業を受けるオースティンさん。
コロナ禍で来日が適わず、オンラインでの受講となっていますが、学べる機会をフル活用しようとIEPにも参加しているといいます。
そんなオースティンさんが、日本に興味をもち、留学を志すきっかけのところからお話を伺いました。
アニメや漫画が日本語との出会いのきっかけ

子供のころから言語学習が好きで 、まったく違う文化背景を持つ人たちと交流 することに興味があったというオースティンさん。
そして高校生の時、専攻する語学を選ぶ際に日本語をセレクトしたそうです。

日本語を学ぼうと思ったのは、日本のアニメや漫画がきっかけ。
最初に見たのは14歳の時でした。

ちなみに、どんなアニメを見ていたんですか?
『ドラゴンボール』とかジブリ作品 とか??

『ブリーチ』というアニメがお気に入りでした!

日本はもちろん、世界でも人気ですよね!
在籍しているエイドリアン大学では地域学の「Japanese Studies(日本学)」を専攻。
今は日本語を中心に、日本の文化や歴史を学んでいるそうです。
江戸時代に興味があり、『五輪書』を読む!?

オースティンさんは、日本の歴史や文化を学ぶ中で、特に江戸時代に興味をもったそうです。
中でも、鎖国制度やサムライに高い関心を示しました。
好きな侍や武将について聞いてみると…

宮本武蔵が好きで、ちょうど今、彼が記した『五輪書』を読んでいます。

へえ~、すごいですね!
『五輪書』を日本語で読むだけではなく、今後は英語への翻訳にも挑戦したいというオースティンさん。
日本人でも読んでいる学生はそんなに多くないと思いますが、ほんとにすごいですね。
友人からの勧めもあって関西外大に留学

日本学を専攻するオースティンさんは、日本への留学にも以前から興味があったといいます。
関西外大を選んだのは、海外協定校だったということもありますが、本学に留学をしたことがあるお友達から「関西外大の教授や学生がすごく優しかった」とおすすめされたのが一番のきっかけになったようです。
コロナ禍の現在、日本への留学は実現していませんが、オンラインで留学生別科の科目を受講し、それ以外にもIEPの活動に精力的に取り組まれています。

お友達から「すごく優しかった」と聞かれてましたが、実際の外大生の印象はどうでした?

特にIEPでは日本の学生の方と交流する機会がたくさんありますが、 みなさん、とても優しくて居心地がいいです!
イベントも楽しく、「このプロジェクトを手伝いたい!」と思ったことが、IEPのチームリーダーになるきっかけにもなりました。
IEPの活動を通じて仲間ができ、日本語のスキルも向上!

オースティンさんがIEPに参加したきっかけは、友達づくりはもちろん、日本語をもっと話せるようにな
りたかったことが一番の理由です。

地元では日本語の日常会話を練習できる場所は限定的で、ぜひ留学してスキルアップしたいと思っていました。
現状、来日はできていませんが、「日本語を勉強する場」としてIEPを活用できればと考えました。

なるほど!
留学生別科がスタートした2021年春学期にIEPに参加。
「楽しい」→「このプロジェクトを手伝いたい」と想いが発展し、秋学期よりKGC Team のチームリーダーとしてIEPに関わっておられます。
初のコラボ企画で人とのつながりが生まれる「イベントのパワー」を再認識

オースティンさんにとって最も印象に残っているイベントは 、Chinese Learning Teamとのコラボ イベント「KGC×CLT Tai Chi ~太極拳~」でした 。
こちらのイベントは、
世界で最も熱い運動である「太極拳」をオンラインで体験できる企画!
そのなかで日本語や英語を楽しみながら学びます。
というもの。
KGCチーム独自の取り組みではなく、他のIEPチームといっしょにイベントを運営する初のコラボ企画。
共通の目的を持ち、協力しながら課題解決に取り組めるというコラボ企画ならではの魅力が体感できたそうで、

普段関わりを持たない人たちともつながれるのは、イベントの持つパワーだと思いました。
小さなイベントでも大きなつながりが生まれることを、主催者の一人として実感できました。

なるほど、イベントを主催して初めてわかる魅力ですね 。
ちなみに、オースティンさんがこれから開いてみたいイベントはありますか?

翻訳の勉強をしているので、翻訳関連のイベントを開催してみたいですね!

オースティンさんが取り組んでいる「日本語を英訳」するケース以外にも、英語の小説の日本語訳に挑戦している学生なども交えて、何かしらのイベントができると、いい意見交換の場になりそうですね。
友だちができ、日本語が学べる最良の環境

留学生から見たIEPの魅力を聞いてみたところ、
- 友だちがたくさんできる
- 日本語を練習する機会が得られる
という答えが返ってきました。
特に、コロナ禍で日本に来られない現状の今は「日本語を話せる環境」が貴重なようです。

アメリカのような多文化国家だと日本人とふれあう機会も少なからずあるのかなと思いましたが、そうではないのですね。

都市部を少し離れると、なかなかそういう機会はありません。
母国では日本語を話す練習をするのに限界があり、IEPのイベントはそれを補ってくれるのでとても魅力的です。
英語をはじめ、日本語 、中国語 、スペイン語などさまざまな母語を持つメンバーが集まるIEP。
そこでの文化的な交流はもとより、日常的なコミュニケーションを通じて語学を学べるのも大きな魅力となっているようです。
まずは日本への留学。そして、翻訳家として仕事をするのが目標

2021年9月に4年生となり、卒業まであと1年となったが、在学中に日本への留学は実現したいというオースティンさん。

IEPで出会った日本の友だちに会いたいです。
そして、旅行にも行きたい! まずは京都の金閣寺を訪問してみたいですね。

京都は関西外大からも遠くはないので、ぜひ一緒に行きましょう!
そんな日本が大好きなオースティンさんの将来の目標は、翻訳家になること。
日本語の書籍などを英語に翻訳する仕事をしたい!ということで、将来的には日本で働くことも視野に入れているといいます。
『五輪書』を読んで、英語に翻訳するほど日本語や日本の歴史に精通するオースティンさんならではの夢ですが、他にも挑戦したいことがあるようで、

今は難しいけど、いつかは英語から日本語への翻訳にもチャレンジしてみたいですね。

すばらしい目標ですね。ぜひ実現してください!
高校時代はヘビーメタルバンドを組んでいた!?

今回の取材はZOOMで行いましたが、インタビュー中、気になっていたのがオースティンさんの部屋に飾られている数本のギター。
音楽をやっていたんですか?と聞くと、

高校の時、ヘビーメタルのバンドを組んでいました!
とのこと。
コピーバンドではなく、オリジナルの楽曲を演奏していたそうですが、今は大学での勉強が忙しくて、音楽の活動はしていないそうです。

日本の音楽で好きなのはあったりするんですか?

人間椅子がお気に入りです!
こちらは、キングクリムゾンの「21世紀のスキッツォイド・マン」(21st Century Schizoid Man)のカバー。
3ピースバンドながら超絶技巧で完コピをしています。

すばらしい演奏ですね!
さいごに
IEPでは関西外大の学生はもちろん、海外協定校の留学生たちもチームリーダーとして数多く参加しています。
その中の一人が、今回登場いただいたオースティンさんですが、お話を聞いてみて驚いたのがまず日本語が上手なこと!

しかも、「五輪書」を読んでいるのをはじめ、日本の歴史や文化にも詳しいことに驚きました!
ぜひ来日して、日本の文化を体感してもらいたいですね。

僕も留学は実現したいと思っているので、日本に行った際はよろしくお願いします!
オースティンさんの事例に限らず、IEPでは日本人学生と海外の留学生がオンラインを通じて日常的にコミュニケーションをとっています。
それが異文化交流の実践の場になっているのはもちろん、相互的な語学学習の場にも。
興味をもった方は、ぜひ参加してみてください!