「Intercultural Engagement Program(以下IEP)」参加者の声をお届けする同コンテンツ。
第5回の今回は、Kansai Gaidai College Team(KGC)でチームリーダーとして活躍されている短期大学部英米語学科2年の山本菜摘さんのインタビューをお届けします。
IEPは関西外大の学生が主体となって企画・運営するオンライン国際交流プログラムです。
詳細については、コチラの記事をご覧ください。
なお、今回はの記事はIEPの取り組みを広報活動などを通じて支える「IEP SUPPORTERS」に所属し、山本さん同様短期大学部に在籍する中瀬さんがレポートしてくれました。

短期大学部英米語学科1年の中瀬望愛です。
よろしくお願いします!
※記事内の情報はすべて取材時のものになります。
IEPには1年次より積極的に参加。オンラインで英語に触れる!

コロナ禍となって留学に制限がかかり、その代わりとなるような英語学習の機会を求めていたという山本さん。

そんな時にIEPの存在を知り、1年次から積極的に参加しました。

毎週のように参加されていたんですか?

月に2~3回くらいです。
基本的には日曜日とか空いた時間にタイミングが合えば参加する感じで、ハロウィンやクリスマスなど季節のイベントは欠かさず参加しました。

私もオンラインでの国際交流は興味がありますが、一方で「英語が通じるのかな?」って不安も小さくありません。
そのあたり、山本さんは最初から海外の留学生の方とコミュニケ―ションがうまく取れていましたか?
と聞いてみると、
「まったく、うまくいきませんでした!」
という回答。今思えばよくあの英語力で参加していたなと…。
具体的には、
- 留学生同士の会話のスピード
- 慣れないアクセント
- 言いたいことがうまく表現できない
など「ついていけない」「わからない」だらけだったようです。

じゃ、くじけて、そのまま挫折したのかというとそんなことはなくて、

わからないから止めておこうではなく、わからないからこそもっと積極的に参加しようと思いました。
その推進力となったのが、「ネイティブの人と話したい!」という想いです。

強いですね!!!
また、イベント中はネイティブの人がわかりやすい英語で話してくれるほか、主催者側の日本人学生たちも
「こんな風に問いかけてみたら?」「もっと簡単な英語で大丈夫だよ」
といった声かけをはじめ、手厚くサポートしてくれるので、それも挫折せずに続けられる要因となったようです。

実際に、最初の頃は「ほとんど何を言っているかわからない」といったこともありましたが、それでも何かしら気づきはあるので、参加して無駄になることはありません。
周りのみなさんもしっかり支えてくれますし、安心して参加できました。

お話を伺っていると勇気が出てきました。
私も参加してみようかな。
アメリカ・イギリス・オーストラリア英語の違いを体感

IEPのさまざまなイベントを通じて、英語力を少しずつ向上させていった山本さん。
その中で、
- アメリカ
- イギリス
- オーストラリア
各国の英語の違いも実感することができたといいます。

国によって発音やアクセントに違いがあると聞いていましたが、実際にいろいろな国の留学生の方と関わることで、そのことが体感できました。

特にどこの国の方の英語が聞き取りにくいとかあるんですか?

オーストラリアの方のアクセントが独特で、聞き慣れていないせいか他の国の英語に比べて聞き取りにくかったですね。
IEPを通じて、そうした自分の弱点がわかったのもよかったと思います。

オンラインを通じて、いろいろな国の学生とコミュニケーションが取れ、各国の英語や文化の違いなどに触れられるのも大きな魅力ですね!
自ら手を上げチームリーダーに

1年次の秋学期、2年次の春学期と、1参加者としてIEPを体験した山本さんですが、2年次秋学期がスタートする前の2021年8月から主催者側のスタッフとしてIEPに関わっています。

短大の先生から「やってみないか」とお誘いのメールをいただいて。
学生生活最後にすばらしい機会をいただき、その中で自分の成長も促せればと、迷うことなく引き受けました。

山本さんは、 Kansai Gaidai College Team(KGC)でチームリーダーをされていますが、こちらはどういった経緯でリーダーになられたのでしょうか?

KGCチームのキックオフミーティングで他のメンバーと顔合わせをしたときに、留学生を含めみなさんとてもいい方ばかりで、素直に自分のことを話すことができました。
「このみんなを自分が率先して引っ張っていきたい」そう想って立候補したのが、リーダーになったきっかけです。

おお、やっぱり力強いですね!
2021年秋学期の編成では、KGCチームは、
- 関西外大生 3名
- アメリカ人学生 1名
- メキシコ人学生 1名
の全5名で、そのチームリーダーとして現在山本さんは活躍されています。
ゲームに運動?! KGUチームのオンラインイベントの中身について

KGCチームでは主に、
- KGCジム(主に体を動かすイベント)
- KGCゲームセンター(さまざまなゲームを通じて語学力を向上させる)
この2つをテーマにイベントの企画・運営に取り組んでいます。
1つ目のKGCジムでは、ヨガやストレッチなどの運動を通して英語を学びます。

全体で体操やヨガの動きなどをYouTubeなどで確認してから、ブレークアウトルーム(Zoom上のミーティング参加者を少人数のグループに分ける機能)内で、お互いの体の動きを英語で教え合います。

楽しそう!
ストレッチやヨガ以外にも、
- ラジオ体操
- ダンス
- 太極拳
など、さまざまなイベントを開催しています。
2つ目のKGCゲームセンターでは、簡単なゲームに取り組み、遊びを通じて英語を学びます。
これまでのイベント事例として、
- お絵描きしりとり
- ワールドウルフ(人狼ゲーム)
- インサイダーゲーム
などを開催。

簡単なゲームですし、しっかりとルール説明もあるので、安心して参加できますよ。

ゲームをやりながらだと自然とコミュニケーションも生まれそうですし、英語がまだそんなに得意じゃない学生にもいいかもしれませんね。
最も印象的だったイベントは、マイナス評価が付いたもの!?

参加者として、運営スタッフとして、これまでにさまざまなイベントに関わった山本さんに、印象に残っている企画について尋ねてみました。

一番印象に残っているのは、KGCゲームセンターの『ワードウルフ(人狼ゲーム)』。
これは、「ルールがよくわからなかった」と、初めて厳しい意見が返ってきたイベントです。
毎回、リフレクションといってイベント終了後に参加学生に簡単なアンケートを書いてもらいます。
そのリフレクションには、いつものように「楽しかった」という意見があった一方、「ルールがよく分からなかった」という参加者の声もあったといいます。

人狼ゲームは日本での認知度はそこそこありますが、海外では未知のゲームで、ルールも少し複雑なため、しっかりとその内容を周知するのが難しかった側面がありました。

それで、「難しかった」というアンケートが返ってきたわけですね。
その意見を今後のイベントに活かすため、
- もう少し簡単なゲームにする
- ルール説明の時間を長くする
など、KGCチーム内で「ゲームをより多くの人に楽しんでもらうため」の施策について、話を深めるきっかけになったそうです。

内容が面白いゲームはある程度ルールが複雑ですし、そのバランスが難しいですが、そうした気づきを与えてくれるきっかけになったイベントとして印象に残っています。

マイナスな評価からも、いろいろな発見や学びがあるわけですね。
世界中の誰もが楽しめるイベントを企画したい

今後、どんなイベントを企画してみたいですか?という問いに対し、

外大生、留学生を含む、全世界の学生が楽しめ、なおかつ語学がしっかりと学べる、そんなイベントを手がけてみたいです。
と答えてくれました。
イベントで取り組むダンスやゲームが楽しく、面白いものであるのはもちろん、その中でより外大生と留学生の交流を活発なものにし、語学力も自然と高められる。
「そういったことを常に意識、これからもイベントの企画を進めていきたい」と力強く語ってくれました。
そして、現在もさまざまな楽しいイベントが企画されています。
もし、この記事を読んで面白そうと思っていただけたら以下のイベントへの参加を検討してみてください!
KGC×CLT Tai Chi ~太極拳~

Chinese Language Teamとのコラボ企画! 世界で最も熱い運動である「太極拳」をオンラインで体験できる企画を実現! みんなで一緒に盛り上がりましょう!!
KGC Halloween Party

- 日時:10月30日(土) 9:00 pm – 9:50 pm (JST)
- 参加条件:チケットは「仮装」と「お菓子」
- 申し込みフォーム
昨年(2020)も好評を得たハロウィン企画。イベントの中身は「フリートーク」で、みんなで仮装を楽しみながら、自由におしゃべりしましょう!
※取材時の直近に開催されるイベントを紹介しています。
英語力はもちろん、IEPの活動のすべてが自らの成長につながっている

IEPに参加して、英語力が飛躍的に伸びたという山本さん。
日常的な会話はもちろん、オンラインでの国際交流を通じて、特にチームリーダーになって以降は「相手のことを尊重しつつ、自分の意見を伝える」視点も意識できるようになったといいます。

今でも十全にできているわけではありませんが、そういったことを意識して英語を話せるようになったところが、自分でも成長を感じるポイントです。

英語力以外で、チームリーダーになってから成長を感じる瞬間はありますか?
という質問に対しては、
「いつもです(笑)」
というお答えが返ってきました。
- 毎週行われるチームリーダーのミーティングのとき
- イベントを運営する当日
- チームメンバーや参加者に、自分の言葉で何かを発信するとき
- 参加者のアンケートを見ているとき
それら一つひとつの実務にいい緊張感をもって臨むことができ、それが自らの成長にもつながっていると山本さん。

例えば、イベントを運営していると「10人以上の人にメールを送る」といった機会も日常的にありますが、スペル間違いなどのケアレスミスのチェックはもちろん、「多くの人に何かを伝える」となるとけっこう頭を悩ませます。
それはミーティングやイベント時の発言も同じで、そうした緊張感があるなかでの作業や行動が、自分の成長を促してくれていると思います。

なるほど、納得です!
では、1参加者としてではなくチームリーダーになったことで、これまでとは取り組みや視点が変わったことはありますか?
こちらの質問に関しては、
周りの人を信頼し、頼ることの大切さを学んだといいます。

山本さんは思い立ったらすぐに行動するタイプで、グループワークなどでも「あの人忙しそうだから、この仕事は代わりに私がやっておこう」といったことが以前からよくあったといいます。

ただ、チームにはそれぞれの役割があり、何もかもを一人で手掛けるのではなく、 「任せること」「頼ること」もリーダーの務めだと気づきました。

その「任せることの大切さ」に気づいたのは、何か具体的なエピソードなどはあったのですか?

毎週チームでミーティングをしているんですけど、前週に自分の言ったことがあまり伝わっていないと感じることがありました。
私が1から10まで指示すると「自分事」として捉えられず、主体性を削ぐことにもなるかもと気づき、相手を信頼し、任せることの大切さを再認識した感じです。

まさに実践を通して「気づき」が得られたわけですね!
さいごに
IEPに参加すると、「海外の留学生とコミュニケーションを取る関西外大生」を目の当たりにする機会も普通にあります。
それを見て「私には無理!」ではなく、今そうして会話を楽しんでいる外大生も、山本さんがそうだったように、最初の頃はうまく話せなかったというケースは少なくありません。

私自身、留学生と楽しそうに話している他の外大生の方を見て、「私もあんな風になりたい!」と英語を勉強するモチベーションが高まりました。
そのほか、
- 留学生の友だちがたくさんできる
- 関西外大の中の人脈も広がる
ということで、IEPに参加することで、英語力の向上だけではなく大学生活がより充実したものになるというのも山本さんが感じた大きなメリットだそうです。
山本さんのIEPおすすめポイント!
- 海外の人と話す雰囲気など、実際にやってみないとわからないので、まずは一度参加を!
- 英語に自信がなくても大丈夫!(周りもしっかりサポートしてくれる)
- 外大生も留学生も、たくさん友だちができる
- 英語を話せるようになりたい!というモチベーションがより高まる
- 留学前準備の機会にも!

英語に「自信がない」といった方も、ぜひ一度参加してみてください!
何かしら得られるものが、きっとあるはずです。

参加してみたいと思う反面、たしかに私も「自信がないな…」って感じなんですけど、「自信がないからこそ、がんばる!」という山本さんの強さがかっこいいと思いました。

ありがとうございます(笑)

今回、山本さんのお話を聞いて、同じ短期大学部の学生として「山本さんみたいになりたい!」と心から思いました。
楽しく、ためになるお話、ありがとうございました!