ドイツからIEPに参加!アニメで日本に触れ、今も語学や文化、経済について学ぶ

「Intercultural Engagement Program(以下IEP)」参加者の声をお届けする同コンテンツ。

第7回の今回は、Language & Culture Communication Teamのチームリーダーを務めるNatalie Stuka(ナタリー・ストゥカ)さんのインタビューをお届けします。



IEPは関西外大の学生が主体となって企画・運営するオンライン国際交流プログラムです

詳細については、コチラの記事をご覧ください。


なお、今回はの記事はIEPの取り組みを広報活動などを通じて支える「IEP SUPPORTERS」に所属する中村さんがレポートしてくれました。

中村さん
中村さん

外国学部英米語学科3年 の中村真綺です。

よろしくお願いします!

※記事内の情報はすべて取材時のものになります。

ドイツの大学とオンライン留学で日本について学ぶ

現在、関西外大の留学生別科で授業を受けるナタリーさん。

しかし、コロナ禍で来日が適わず、オンラインでの受講となっています 。

関西外大の留学生別科とは?

海外から関西外国語大学に来た留学生を対象とした科目を開講し、「Japanese Language」「Asia/Japan Studies」「Studio Art」の3分野を開設。コロナ禍の現在、オンラインでの開講となっていますが、例年約30カ国・地域からの留学生約750人が本学に留学しています。


留学生別科のほか、IEPのチームリーダーも務めるナタリーさんですが、現在は並行して在籍する地元・ドイツの大学で「日本」についても学んでいます。

まずは現地の大学でどんなことを学んでいるのかをお伺いしました。

日本語コースのあるルードヴィヒスハーフェン経済大学で学ぶ

画像出典:Ludwigshafen University of Business and Society

ナタリーさんが在籍するのは、Ludwigshafen University of Business and Society(ルードヴィヒスハーフェン経済大学)

Ludwigshafen University of Business and Society(ルードヴィヒスハーフェン経済大学) 基本情報

  • 所在地 ドイツ・ルードヴィヒスハーフェン市
  • 1965年創立

University of Ludwigshafen am Rhein · Ernst-Boehe-Straße 4, 67059 Ludwigshafen am Rhein, ドイツ
★★★☆☆ · 単科大学

ビジネス系の学術分野において、質の高い教育および研究に定評があり、同大学の東アジアセンター(東アジア学科)には、中国コースと日本コースがあり、ここでナタリーさんは日本語を学んでいます。

興味のあった日本語や日本経済などについて幅広く学べるほか、日本をはじめとするアジア圏の大学に1年間留学できる同大学のカリキュラムにも魅力を感じたそうです。


ちなみに、ナタリーさんはルードヴィヒスハーフェン経済大学では「日本」と「ビジネス」の分野を専攻し、

  • 日本(言語、文化、法律、政治、経済)
  • ビジネス(経済学、経営学、数学)

といったことを学んでいるそうです。

中村さん
中村さん

学んだ中で、面白いと感じた日本の文化はありましたか?

ナタリーさん
ナタリーさん

一番面白いと感じたのは、「本音と建前」の文化です。

ドイツにはそのような価値観は見られませんからね。

中村さん
中村さん

予想外の回答でした(笑)

この文化には慣れましたか?

ナタリーさん
ナタリーさん

概念は理解していますが、触れる機会がないため慣れてはいません。関西外大の学生も皆さん「建前」ではなく、直接的な言いまわしで話してくれますし。

だけど、「本音と建前」 に慣れるために日本人と話すときは言葉をほのめかしながら話すように挑戦しています。

そんな日本文化について幅広い知識をもつナタリーさんが、日本に興味をもったきっかけは何だったのでしょうか。

アニメをきっかけに日本に興味をもつ

画像出典:スタジオジブリ

前回の記事でご登場いただいたオースティンさんもそうでしたが、ナタリーさんもアニメがきっかけで日本に興味を持ったそうです。

小学生のときにお気に入りだったのは、

  • NARUTO -ナルト-
  • ポケットモンスター

といったアニメで、中でも感銘を受けたのがジブリ映画の『千と千尋の神隠し』だといいます。

ナタリーさん
ナタリーさん

作品に出てくる神社仏閣を見て「これは何だろう」と不思議に思い、ネットで調べて神道のことなどを知りました。

それが日本の文化により深く興味をもつきっかけで、『千と千尋の神隠し』は今でも年に1回DVDで鑑賞するほど大好きなアニメ映画です。

中村さん
中村さん

アニメから神道につながり、そこからさらに日本の文化への関心をひろげていかれたわけですね。

旅行で来日し、より日本文化への関心が高くなる

『千と千尋の神隠し』をきっかけに大きくなった日本への興味を原動力に、大学に入る前から独学で日本語を勉強し始めたナタリーさん。

まずは、ひらがな、カタカナ、そして簡単なフレーズなどを段階的に学習していったといいます。

ナタリーさん
ナタリーさん

教科書はドイツの書店で買い求めた日本語学習のテキストで、来日したときに購入した子供用の本なども語学学習には役立ちました。

中村さん
中村さん

日本に来られたことがあるんですね!



16歳のときにお母さんといっしょに団体旅行で日本に訪れ、東京や富士箱根伊豆国立公園などを巡ったそうです。

独学していた日本語を使う機会があったか尋ねると、お土産で「お箸」を買うときに日本語で声をかけてみたといいます。

ナタリーさん
ナタリーさん

日本語を実際に話す初めての機会だったため、発音の面などで少し困ることもありましたが、無事にお箸を買うことができました。

日常の中の小さな出来事ですが、新しいことに挑戦し、達成できた自分のことを誇りに思いました。

中村さん
中村さん

いい経験になったみたいですね。

今はコロナ禍で留学がストップしていますが、次に日本に来たらどこに行ってみたいですか?

ナタリーさん
ナタリーさん

また箱根の国立公園に行き、今度は富士山にも登ってみたいですね。

もちろん、大阪や関西外大にも行ってみたいです!

中村さん
中村さん

ぜひ、いらしてください!

そのときはご案内しますね。

IEPで日本語、異文化、マネジメントなどを学ぶ!

ルードヴィヒスハーフェン経済大学に交換留学生として通っていた本学の学生の勧めもあり、関西外大への留学を決意したというナタリーさん。

現在はオンラインでの留学生別科の授業のほか、IEPがスタートした2020年秋学期以降、3学期連続で同プログラムの運営に関わっています。

ナタリーさん
ナタリーさん

日本語を使う機会を増やしたいというのはもちろん、オンライン留学中も何かボランティア活動のようなものに参加したいと思い、IEPへの参加を決めました。

中村さん
中村さん

チームリーダーの一人として、いろいろな企画に関わってこられたと思いますが、印象に残っているイベントはありますか?

ナタリーさん
ナタリーさん

スマートフォンからでも気軽に参加できるクイズ系のイベントは、いつも参加者が多くて盛り上がります。

企画者として私がクイズを作ることもありますし、時にはスライドを作成して正解を解説し、その後にディスカッションを通じて、各国の文化への理解を相互的に深めていきます。

中村さん
中村さん

学びの多い交流ですね!


直近で行われたイベントでは、「European Country Quiz」がお気に入りとのこと。

画像出典:IEP Instagram

自らが生まれ育ったヨーロッパ文化圏がテーマということで、クイズの作成やディスカッションなどにもいつも以上に責任をもって取り組んだといいます。


今はStudy Roomを活用したイベントの開催に興味があるそうで、「留学生と外大生が教え合い、集中して勉強できる空間をオンラインで作りたい」と今後の展望を語ってくれました。

Study Room とは?

オンライン学習管理プラットフォーム。オンラインでの指導(双方向のマンツーマン授業)などが行える。

この「Study Room」を活用したイベントで、留学生と外大生が個別で、互いに教え合い、集中して勉強できる空間をオンラインで作りるのが目標だそうです。

IEPが支えるドイツでの日本語学習

関西外大では1~7の日本語レベルに分けて海外留学生たちに日本語の授業を提供しています。

その中でナタリーさんはレベル6のコースを履修しました。

日本語学習としては、ルードヴィヒスハーフェン経済大学の日本語コースで学ぶほか、JLPT(日本語能力試験)に向け学外でのオンライン学習にも取り組んでいるそうです。

ナタリーさん
ナタリーさん

日本語で会話をする機会は多いわけではないので、その意味ではIEPのイベントや会議は、日本語に触れる貴重な時間になっています。

中村さん
中村さん

なるほど。語学以外では、IEPを通してどういったところが成長しましたか?

ナタリーさん
ナタリーさん

さまざまな国の学生が参加するので、チームで活動するときには言語、文化、時差などの問題を考慮しなければなりません。

そうした調整などを通じて、 マネジメント能力が大きく成長したと思います。

中村さん
中村さん

日本と北米の学生が多いと思いますがナタリーさんはヨーロッパだし、そのあたりの調整や配慮は大変ですけど、たしかにマネジメントしていく力は育まれそうですね。


また、問題が起こったときは「話し合うこと」を重視し、

  • 他のメンバーの意見をしっかりと理解する
  • わからないことがあれば、必ず質問をする

ということを意識し、常に相手を思いやり、いっしょに解決方法を探すことで問題を乗り越えてきたといいます。

大学院への進学。そして、人の役に立つことが目標

大学卒業後は、大学院への進学を考えているというナタリーさん。

国際経営(International Management)か人材マネジメント(Human Resource Management)をより深く学びたいと考えており、研究活動を通じて自身の志向や方向性を見極めたいといいます。


IEPの活動も大学院の卒業後の進路選択の手助けになったようで、

ナタリーさん
ナタリーさん

IEPでさまざまな人に出会い、意見交換することで得た実践的な知識はとても貴重なもので、今後のキャリアや進路選択を考える上でも多くの示唆を得ることができました。

中村さん
中村さん

多様な国の学生との交流体験は、語学や文化の学びだけではなく、夢や目標などに関する対話を通じてたくさんの刺激を受けられるということですね。

大学院を卒業した後は、マネジメント関連の仕事に就き、「将来的には社会的に恵まれない人たちを支援する活動に取り組めないかと考えている」といったお話も。

目標達成に向け、高いモチベーションを常に保ちながら、夢に向かって邁進されているのがお話を通じて伝わってきました。

ビールを飲まないドイツ人!?

ドイツの文化の話が出たときに高確率で質問されるビールの話

今回の記事では、ドイツ出身のナタリーさんにお話を伺いましたが、みなさんはドイツと聞いて何をイメージされますか?

高級自動車メーカーやサッカー、ソーセージ、古城などいろいろとありますが、やはりまず思い浮かぶのはビールではないでしょうか。

ナタリーさん
ナタリーさん

実際にIEPのイベントでもよくビールについて聞かれます。

中村さん
中村さん

本場で育ったナタリーさんから、有名な「オクトーバーフェスト」をはじめ、ビールの話を聞きたい人は多そうですね。

ナタリーさん
ナタリーさん

でも私はビールをまったく飲まないのでよく知らないんですよ!
 
なので、質問に答えられるよう事前に調べてイベントに備えていました。

中村さん
中村さん

そうだったんですね。

たしかに私も日本人だけど日本酒に詳しいわけではないので、その気持ちわかります!

オクトーバーフェストとは?

ドイツ、バイエルン州の州都ミュンヘンで開催される世界最大規模の祭り

出典:wikipedia



実際に、すべての日本人がアニメや寺社仏閣に詳しいわけでもなく、富士山に登頂しているわけでもありません。

そういった国際交流で起こりがちな“思い込み”の側面を、ナタリーさんの体験談を通して再認識することができました。

ナタリーさん
ナタリーさん

母国の文化でも知らないことはたくさんあります。

だからこそ毎回のイベントで苦戦しながらもお互いに説明し合い、みんなで楽しみながら学ぶ機会が貴重な時間になっています。

中村さん
中村さん

そういった異文化交流が、IEPの魅力の一つということですね!

趣味はバイオリンで好きな日本食はラーメン

ドイツ人だけどビールを飲まないナタリーさんですが、好きな日本料理について聞いてみると…

ナタリーさん
ナタリーさん

ラーメンが好きです。伝統的な日本の料理ではないことは知っていますが、とても美味しくて大好きなんですよ。

また、ドイツのスーパーでも買えるお餅もお気に入りです。


現在は大学の寮で生活を送り、自宅にいるときは勉強や読書が中心で、フリータイムには、

  • ビデオゲーム
  • アニメ鑑賞

などを楽しんでいるそうです。

そのほか、小学生のときに始め、高校時代に再開したヴァイオリンを弾くのも趣味のひとつ。

中村さん
中村さん

ナタリーさんの趣味的なこともIEPのイベント企画につなげられるといいですね。

ナタリーさん
ナタリーさん

ほんとですね!

さいごに

2020年秋学期から始まったIEPですが、そのスタート時から3期連続でチームリーダーとして参加するナタリーさん。

その中で、

  • 語学学習
  • チームマネジメント
  • 異文化交流

など、さまざまなことを学び、その体験が視野の拡大にもつながったといいます。

ナタリーさん
ナタリーさん

もしIEPに参加していなかったら、私のオンライン留学はパソコンの前に座って授業を受けるだけで終わっていました。

IEPは私のオンライン留学をとても充実させてくれています!

中村さん
中村さん

ナタリーさんが経験した発見を一人での多くの学生に体感してもらいたいですね。

今日はいろいろなお話を聞かせてもらってありがとうございました!


タイトルとURLをコピーしました