中国語教育センターからのニュース
関西外大孔子学院、第三回現代中国事情特別講座を開催
2010/12/6
関西外国語大学孔子学院は、12月4日(土)に第三回現代中国事情特別講座(二部構成)を開催しました。第一部は孔子学院鄧雲凌副院長が「現代中国人の恋愛・結婚観」をテーマに、「詩経」の「窈窕たる淑女は君子の好き逑(つれあ)いなり」から始まり、中国の古代から現代人までの恋愛・結婚観の変化を分析、講演しました。「父母の命令、媒酌人の言」、「鶏に嫁しては鶏に従い、犬に嫁しては犬に従う」といった全く選択の余地のない古代の婚姻から新中国成立後の男女平等、自由結婚の観念の形成まで、更に改革開放から今日に至るまでの人々の婚姻、愛情の多元的な選択、「家では赤旗、外では彩色旗がたなびく」(派生義:家の中の妻も、外の愛人も両方を上手く攫む男は物凄い)等の社会現象を一つ一つ紹介する内容でした。
また、鄧副院長は絵や写真を多用し、時代時代の中国人の恋愛・結婚の風潮を紹介するだけでなく、古今の詩歌や恋愛・結婚に関する様々な名言警句を多く引用し、恋愛・結婚という重要な社会現象について、歴史の古い国家、中国での変遷過程への理解を促し、簡単で実用的な、優美で意味深長な関連語句表現も紹介しました。
第二部では、孔子学院中国語教員養成センター長の鄭天剛教授が、英、日、中3言語の講演用資料を使って、「太極拳と中国の哲学思考」をテーマに講演しました。
鄭教授は簡単な太極図から始め、中国文化の中で最も重要な「陰陽」のコンセプトを分かり易く説明し、「周易」と太極の関係から中国文化の事物と状態の間の相互依存と相互転化の関係について論述しました。『太極は中国の道家文化と儒家文化の最良で、ほぼ唯一でもある結合を実現し、両者は正に中国文化の最も核心的で、最も古い哲学理念である。』――鄭教授の解説を通じて、受講者は中国武術の太極拳を初歩的に理解するだけでなく、太極拳に含蓄されている奥深い中国哲学の思惟方式について、その入り口を初めて垣間見ることが出来たのではないでしょうか。特別講座の終尾を飾る鄭教授自らの太極拳の模範演技には、受講者の学生たちは鳴りやまぬ拍手で応えていました。
1時間半の講座で、米国、カナダ、ドイツ、日本等の30余名の学生たちは、中国人の恋愛・結婚観の変化や太極拳が包含する中国の哲学観念を通し、今までの特別講座とは異なった側面から中国文化と濃密な触れ合いを持つことができました。