中国語教員養成センターからのニュース

 

2011年度第4回関西地区中国語教員養成講座を実施

2011/7/11

 

 

関西外国語大学孔子学院は、猛暑の中、7月10日(日)に関西各地から40名近くの受講者を迎え、午前・午後と2講座にわたり第4回関西地区教員養成講座を実施しました。

午前は日本人学習者の中国語に関する知識と教育講座シリーズの第4回目として、関西外国語大学孔子学院の鄭天剛教授(中国語教員養成センター長)が中国語の様々な文の構成と種類についての講座を担当しました。鄭教授は認知言語学の中の類似性理論を用いて多くの言語現象について分析し、中国語の中で、見た目は異なるが実は中身は同じで、同一の類似動因から動機づけられていると説明。例えば、距離類似動因と独立類似動因を用いて新たに細かく3つの構造助詞“的”・“地”・“得”を見てみると、修飾語が目立つようにそれらの作用が全て形式上の修飾語と中心語から離れていることが分かります。また構造助詞を用いない時には、それらが一つの事物・動作・出来事に見えるよう修飾語と中心語を一緒にさせます。さらには中国語の中の補語と中心語は2つの説明と捉えることができ、2つの説明の間には密接かつ複雑な語義関係が存在することから、授業においては先にそれらの区別の仕方を練習してから合わせることが補語を教えるうえで、非常に有効的な方法と言えます。鄭教授はさらに結果補語・方向補語・数量補語の分合教育法も実践で示しました。

午後は金沢大学の著名な学者である大滝幸子教授が≪日中平行コーパスを用いた授業計画≫というタイトルで講座を担当されました。コーパス言語学は、我々に道具を与えてくれるだけでなく、さらに非常に有効な研究方法をも与えてくれるということが重要なことであり、大滝教授はこの分野においてとても有益な試みをされています。≪日中平行コーパス≫を用いると、非常に便利に中国語(或いは日本語)の中の一単語が、日本語(或いは中国語)の中の異なる言語環境においてどの言葉に翻訳されるかを知ることができます。面白いのは、一種の言語の一単語が他の言語に翻訳される時、各翻訳語が同義語のネットワークを構成すること、ネットワークの中の各単語間、或いはある種の語義的特徴から近い距離、または遠い距離にあるもの、一つのグループで共存するものなどがあることで、分けたものの中にも同じものが、同じものの中にも分けたものが存在すると言えることです。もう一種の言語の中の同義語についても、このように分けたり合わせたりしてグループを作っています。2種類の言語の中で同義語ネットワークシステムを観察し、ネットワークの中でどの2つの構成メンバーがどのような状況下で対訳できるのかを考えることは研究と語感を得るための効果的な方法です。

一つの言語グループを見極め、それらを絶え間なく分けたり合わせたりすることが必要です。今回の講座では、言語がグループであり、それがさらに小さな一つ一つのグループから出来ていることを深く学ぶことができ、受講者全員が大変素晴らしい結果を得ました。

次回の教員養成講座は9月11日に実施します。参加についてのお問い合わせは、電話:072-858-0043<事務局直通>または080-3850-2945<鄭天剛>まで。多くの方々の参加をお待ちしています。

 
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