現代中国研究センターからのニュース
中国・清華大学教授による特別講演実施
2011/10/5
2011年10月3日(月)、関西外国語大学孔子学院は、より多くの日本人に中国文化と文学を理解してもらう事業の一環として、清華大学日本語学科長の馮峰教授(講演テーマ:「中国における日本語教育と日中関係――その底流にある文化の働き」)と同大学日本語学副学科長の陳愛陽准教授(講演テーマ:「近代文学研究の新領域――清朝後期通俗小説の比較研究」)をお招きし、日中関係と中国における日本語教育の背景、国境を越えた文化交流をテーマに中国文化特別講演を実施しました。
日本語学科長の馮教授は講演の中で、中国及び清華大学の日本語教育、日中両国民、特に青年たちの日中関係への関心、相互理解・文化相互作用の歴史的意義と責任、日中関係の発展の中に存在する問題、動向と発展等について述べられました。陳准教授は清朝後期通俗小説の比較研究の成果を発表されました。その時代における日中両国の政治・社会・文化について、陳准教授は文学を切り口にして探偵小説の大家や翻訳家を重点的に解説し、日本の探偵小説と比較して日中両国の政治的違い、文化的背景下の文学特徴と様式を分析することで鮮やかに描き出しました。
本講演には関西外大の日本人・欧米人・中国人学生や一般市民など、100人近くが参加し、講演はしきりに拍手や笑い声の起こる活気に満ちたものでした。最後に設けられた質疑応答では様々な質問があり、今後中国へ日本語教師として派遣される学生の「どうすれば中国で良い日本語教師になれるか」という質問に対し、馮教授は「勤勉に中国社会、文化・歴史を理解し、”郷に入って郷に従え”の考えで取り組むことが重要である」と述べられました。
靳院長は講演の最後に、「馮教授と陳准教授による今回の講演は中国文化・社会・歴史や語学学習などに新たな知識をもたらし、中国語を学ぶ日本人学生に中国を深く理解をさせただけでなく、日本で学ぶ中国人学生をも新たに啓発した」と総括しました。