中国語教員養成センターからのニュース

 

2011年度第6回中国語教員養成講座を実施

2011/10/25

 

 

10月23日、関西外国語大学中宮キャンパスにおいて第6回中国語教員養成講座が実施され、関西各地から参加した30名余りの中国語教員はその素晴らしい講座内容に耳を傾けました。

 午前の部は関西外国語大学の吉田泰謙准教授が担当されました。吉田准教授は受講生の積極性を引き出すことに優れており、その能力を十分に発揮して、教えるのが難しい“把”構文について深く討論を繰り広げました。討論の焦点は“把”を用いた文の成立条件とは何かという所にあり、受講生は日本人学生がどのようにして“把”構文を習得するか、なぜ“把”構文を使いたがらないのか、“把”構文はどのように訳すのか等について自発的に討議し、意味・語用・認知における日中両言語の全面的な比較や、また存現文等の言語現象についても論じ合いました。

 午後の部は神戸外国語大学の任鷹教授が「言語類型論の特徴に基づいた中国語文法教育」というテーマで担当されました。任教授は講座の中で日本人学生がよくする中国語の誤りを提起して、これらの誤りを分析することでその大部分が母国語の負の転移と関係していることを明らかにし、日中両言語の比較を通じて両言語には文法や語義表現上にかなり大きな違いがあることが分かりました。文法と語義表現における違いは、各言語の類型論的特徴と発想方法・認知プロセス上の違いからきており、両者が結び付くことでまた表現方法の機能における特徴を促成すると考えられます。このような思考の筋道に沿って、講座では離合詞・動目構造・語順規則・受動文・“个”の個体化機能等についての問題点、また “的”と“の”、“了”と“た”等の日本人学生が同じ用法とみなして誤りやすい虚詞を重点的に比較し、聞く人を納得させる細やかな解説をしてくださいました。

 講座において、2名の先生方を模範とし、受講生も日本語を中国語に、また中国語を日本語へと変換し、両言語の互動は文構成・意味・語用・認知の各段階全方位にまで展開されました。受講生からは“なるほど、こういうことだったのか”“これでやっと分かった”“どうりで学生がこういった訳だ”という声があちらこちらからあがりました。

 
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