中国語教育センターからのニュース
欧米留学生と日本人学生対象の現代中国事情特別講座を初めて実施
2010/10/25
米国人学者のラムクイスト・スティーブン氏(関西外国語大学招聘教員)を10月23日(土)、関西外国語大学孔子学院に迎え、関西外大で学ぶ欧米留学生と日本人学生を対象に「中国の歴史・文化と現代中国への影響」をテーマとする現代中国事情特別講座を実施しました。
孔子学院として中国語の潜在的学習者を発掘し、学習動機付けに取り組むことは、重要な事業の一つです。中国に対し全く知識のない人たちに、中国の歴史、文化、国情、経済等について紹介することは、中国語学習者を増やすことができる有効な手段です。
スティーブン氏は、講座のはじめに「歴史を知らなければ、未来も知りようがない。どんな人間も歴史に関与し歴史を創造しているが、同時に、大は国家、社会、民族から、小は家庭、個人まで、そのあらゆる行動方式や思惟方式は歴史の中にその根源を探し当てることができる。今日の中国を理解するには、歴史の学習から入らねばならない。5000年の文明のプロセスは、どの国の人々にとっても大きな驚きであり、大きな期待を抱かせる。」と述べています。
同氏の中国での生活は5年の長きに亘り、中国文化と歴史についての情熱と知識には驚くべきものがありました。1時間半の短い講座ではありましたが、中国の民衆風俗から民話、甲骨文と今日の漢字の関係、および漢字の周辺国家の文化への影響など、多岐にわたってご講演いただき、言語のツールとしての特性、外国語学習者の思惟方式への影響、中国語の学習方法など、講座参加学生たちと一緒に様々なことを探究することができました。
また、米国人として中国の知識が全くなかった5年前の状況から、中国文化に精通した今日までの自らの経歴そのものが、生気みなぎる講座内容となり、特に、欧米の人々にある中国語は難しいという根深い考えを打破するものとなりました。中国語は難しくない、中国文化は魅力に満ちている、中国古代の哲人の智慧が私たちが生きて行くのを導いてくれている、これらのことを彼自身が証明したと言えるでしょう。
今回の講座には、欧米留学生、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語などを学ぶ日本人学生、中国人交換留学生が参加し、調和のとれた美しい楽章を作り上げ、彼らの異なった目、心、そして経験により、それぞれの視点から中国文化の深淵と中国語世界の不思議を感じとってくれたものと思います。