短大部「知との出会い 私のブックレビュー」 最優秀賞に田中芹佳さん

 短期大学部の学生が、春休みに読んだ本の感想をまとめた書評コンクール「知との出会い 私のブックレビュー‘16」の審査が終わり、7月20日のK...ベーシックス全体授業で、評価の高かった9作品に対し、谷本榮子理事長(短大部学長)から表彰状と記念品が贈られた。最優秀作品に選ばれたのは2年生、田中芹佳さんの「ブラック企業の実態」。今野晴貴さん著「ブラック企業:日本を食いつぶす妖怪」を読んでまとめた。

▲谷本榮子理事長から最優秀賞の賞状が授与された田中芹佳さん

 田中さんは「普段はあまり本を読む方ではないが、自分が社会人になったときに、大事な問題だなと思って、この本を選んだ」と言う。田中さんは書評で、ブラック企業を3つのキーワードから捉え①『選別』。使える者だけを残し、ほかは自主・強制退職に追い込む②『使い捨て』。心身ともに壊れるまで低賃金で過酷な労働を強いる③『無秩序』。「代わりならいくらでもいる」状態を背景に無意味な圧迫をするやり方―と指摘。「ブラック企業」を個人の問題と捉えるではなく、社会問題として取り扱うべき問題だとしている。

審査を担当した阿部奈南准教授は田中さんの作品について「社会の状況が把握されており、学生目線でよく書かれている。文章もしっかりしており、これからも自分の言葉を研いてほしい」と称賛した。最後に谷本理事長が全体の講評を行い「いま若者の活字離れが言われています。何でもインターネットで調べられる世の中です。このようなときこそ本を読んで、自分が知らないことを理解してほしい。また、自分が体験できないことも本の中では体験できます。いま時間があるとき、ゆっくりと時間をかけて本を読んでほしい」と結んだ。

▲受賞者を前で作品の講評をする谷本理事長

優秀と佳作受賞者は次の通り(敬称略)。

▽優秀=北村沙也香、栗岡琴子、立川奈々未

▽佳作=片山詩織、松本紗季、藪祐子、中村梨紗子、東風平和奏

        ▲優秀作品に選ばれた(左から)北村沙也香さん、栗岡琴子さん、立川奈々未さん

 

▲佳作に選ばれた(左から)片山詩織さん、松本紗季さん、藪祐子さん、中村梨紗子さん、東風平和奏さん

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