中国語教員養成センターからのニュース

 

2012年度西日本地区中国語教員養成講座第8回及び修了式を実施

2012/12/20

 

 

12月16日(日)、今年度最後となる第8回中国語教員養成講座を実施しました。西日本各地から50名余りの中国語教員が参加し、講座終了後には修了式を執り行いました。

午前の部の講座では、北京語言大学の王峰先生と黄瀟瀟先生が「日本人向け中国語教育の難点及び教授法」をテーマに講義、中国語授業の様子を撮影したものを見ながら、講評を交えて討論の形で進められました。文法や精読の典型的な講義内容や練習、授業の中から選りすぐられた録画をもとに編集・整理を加え、それぞれの段取りや教授法について説明しました。受講者が互いに自分の意見を発表し交流する場面も見られ、映像を用いた今回の講座は受講者一人ひとりの満足度も極めて高かったようです。「これをまさに待ち望んでいました」との声も聞かれました。

午後の部では、世界漢語教学学会副会長で著名な中国語研究者である大阪大学大学院言語文化研究科の古川裕教授をお招きし、日本人向け中国語教育の研究講座を開催しました。「中国語の国際化から日本の中国語教育を見る」をテーマに、まず英語の場合を例として中国語の国際化(Local ChineseからGlobal Chinese)における中国語の変体、言語の標準化、普及方法などの問題について話がありました。ついで、将来のGlobal Chineseの授業のあり方や教学観念、教材の執筆と作成について将来的展望が示されました。続いて、中国語の国際化を背景に、日本国内の各種の中国語教育の要綱を含め、中学校や高校、大学における中国語教育の状況やセンター試験の中国語テストなど、日本での中国語教育の現状について図表を用いて説明があり、最後に古川教授独自の専門的見地から、日本の中国語教育が今まさに直面している問題について話がありました。これらの問いかけに受講者は大いに啓発されたようです。古川教授の講座は、その深くて広い学識と鋭敏な思考、幅広い視野により、日本をはじめ全世界の中国語教育を概観するまでに受講者たちを導いたと言えるでしょう。まさに「(中国のことわざにある)高い所に立てば遠い所が見える」(考えが進んでいて目標が遠大である)ものとなりました。

講座終了後、関西外国語大学孔子学院副院長の吉田泰謙准教授から受講者に修了証が授与され、記念撮影を行いました。引き続き、会場を関西外国語大学インターナショナル・コミュニケーション・センターに移し、参加者と講座関係者は修了パーティーに参加しました。

関西外国語大学孔子学院は、すでに3年にわたって西日本地区中国語教員養成講座を開講してまいりました。西日本地区だけでなく日本の中国語教育にとって意義ある講座として、来年も続けていく予定です。

 
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