中国語教員養成センターからのニュース

 

第9回西日本地区中国語教員研修を実施

2018/7/23

 

 

関西外国語大学孔子学院は7月21日(土)と22日(日)の2日間、関西外国語大学御殿山キャンパス・グローバルタウンで、第9回目となる西日本地区中国語教員研修を実施しました。今年は例年にない厳しい暑さにもかかわらず、全国各地の大学や中学校・小学校で中国語教育に携わる教員や大学院生ら70名を超える方が参加しました。また今回は中華人民共和国駐大阪総領事館教育室・呉劲松室長をお迎えし、開講式では熱意にあふれたお言葉を頂戴しました。

今回の研修は、4つのテーマでの講演、関西外国語大学孔子学院ボランティア教員による模擬授業、研究成果発表会、中国語教材の紹介という非常に多彩な内容でした。

特に北京語言大学孔子学院事業部教育研修センターの陳麗霞主任が行った「国別の言語教育項目と成果の発表会」の特別講演で、国家漢弁が確立した「国別の言語教育」研究項目では中でも本学院院長の靳衛衛教授が発表した研究成果が特に高く評価され、『日本の外国語教育の現状と政策』という一冊にまとめられ、最初に出版されることになったことを紹介。受講者は靳院長ら研究グループの素晴らしい成果を称賛しました。陳主任は、北京語言大学孔子学院が大学院生と中国語教師に対して行っている各種研修や奨学金制度についても言及、受講者は興味を持ったようです。また、北京語言大学出版社海外開発部責任者の将欣悦さんは、中国語教材について紹介。出版された最新の教材と映像資料を使いながら説明しました。

研修の最後に、靳衛衛院長、崔希亮教授、賈卉副院長が一定の評価基準以上の成果を修めた受講者に中国国家漢弁が認証する修了証と本学院の修了証を授与しました。

研修の内容構成は非常に合理的で多種多様であり、中国国内の具体的な研究成果や教授経験のある著名な講師陣による素晴らしい講義や、現在中国語教師として活躍中のボランティア教員の模擬授業など、受講者に理論と実践の双方を学んでいただくことができました。中国語教師に必要な能力を高いレベルで学ぶことが出来たこの研修は、受講者の皆さんから大変ご好評をいただきました。

なお、講義の概要などは、以下のとおりです。

《崔希亮教授(北京語言大学)による講義》

テーマ:「中国語教師の知識と能力」

崔教授自身が実際に海外に赴任した際の豊富な経験や実例を紹介しながら、「知識」と「能力」の双方から外国語としての中国語を教える教師に備わっているべき素質について話しました。崔教授の生き生きとした語りにより、受講者は中国語教師としての使命や今後努力していくべき方向が明確になったようです。

《姜麗萍教授(北京語言大学)による講義》

テーマ:「中国語教育の本質:教師は何をどのように教え、学生はどのように学ぶか」

これは、すべての教師が自分の中に答えを持っているべき問題です。姜教授は自らの長年の教師経験と心理学、言語学などの知識や理論を踏まえ、「知識」「技能」「動機づけ」「学習方法とねらい」の4つの方面について深く解説。理想的な教育効果が得られる方法として、学習者にとって「少し手を伸ばせば届きそうだ」という目標を設定することの大切さについて話しました。

テーマ:「『HSK標準教程』シリーズの編纂と教育方法」

漢語水平考試(中国政府公認中国語検定試験)が日増しに日本での影響力を拡大していることを踏まえ、教材の開発や教材の持つ奥深い意義について受講者との質問形式で講義を行いました。

《郭暁麟教授(北京語言大学)による講義》

テーマ:「中国語特殊文型の教授方法」

講義は受講者とやり取りを行いながら進められました。日頃中国語を教える中でよく目にする典型的な文型について、郭教授から的を射た解説がなされ、とても役に立つ内容でした。

《模擬授業と授業の講評・意見交換》

ボランティア教員の呉婧先生が、高級(上級より上のレベル)中国語会話の模擬授業を行いました。同時に上記3名の教授から授業の講評を受け、たくさんの貴重なご意見をいただきました。実際の授業の様子を見た後の解説は分かりやすく、受講者に大変喜ばれました。

 
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