留学制度が充実していることが関西外大の特色のひとつですが、2023年度に新たな留学プログラムがスタートしました。
それが、持続可能な開発目標をテーマにした「語学+SDGs留学」です。
この記事では、語学+SDGs留学の概要をご紹介するとともに、同留学プログラムに参加予定の鈴木愛加さん(英米語学科3年)のインタビューをお届けします。
※インタビュー内容はすべて取材時のものになります
語学+SDGs留学の概要について

今回、ご紹介する語学+SDGs留学の留学先はクイーンズランド工科大学(オーストラリア)です。
同大学でSDGsをテーマに英語を学修し、同時にデザイン思考、批判的思考など『未来人材』に必要な思考法を学びます。
以下、語学+SDGs留学の概要となります。
- 講義形式:対面型 関西外大生限定(オールイングリッシュによる講義)
- プログラム期間 12週間(2023年9月2日(土)~11月27日(月))
- 居住形態:ホームステイ
プログラム参加者は全員が関西外大の学生となりますが、講義の運営は全て英語で実施。高度な英語力でテーマを理解し、情報発信力としてプレゼンテーションなどを行っていきます。
プログラムを通して、グループワークを主体にプロジェクトが進むため、協働的思考力や、チームワーク、リーダーシップも参加者にとって必要な要素となります。
また、オーストラリアでの日常生活(ホームステイ)を通して、オーストラリアと日本の二カ国間の状況の違いを踏まえながら、SDGsにかかる課題解決に向けて多角的に取り組みます。

クイーンズランド工科大学での「語学+SDGs留学」は、2023年度JASSO 海外留学支援制度(協定派遣)プログラムに認定されており、条件を満たした学生に月額7万円が支給されます。
※奨学金の詳細については、国際交流部にお問い合わせください
求める人材&身につくスキル

語学+SDGs留学に求める人材は、以下の通りです。
- グローバル志向を持つ人
- 相手の立場に立って物事を考えることが出来る人
- 相互理解と協働を大切にする人
- 変化に対応できる人
- 主体的に問題解決に取り組める人
- 物事を俯瞰的にとらえることが出来る人
- 意思決定、判断の重要性をしっかりと理解している人

多様な観点から客観的に物事を捉え、その上でデザイン思考や批判的思考を育んでいくので、SDGsだけを勉強したい人や、国際交流を主な目的とした人はオススメできません。
プログラムを通じて、英語スキルの向上はもとより、戦略的学習力、指導力、社会的洞察力、協調性、独創性、発想の豊かさ、といった各スキルを高めます。
課外のアクティビティも充実!

提供されるアクティビティとして、以下のようなものが用意されています。
- Weekly coffee catch ups(コーヒーを飲みながらの近況報告会)
- Games Nights(ゲームナイト)
- Cultural Events(文化イベント)
- Arts & Crafts Weekly Meet ups(アート&クラフト交流会)
- Student & Staff Mini Golf &Lunch(学生と職員によるミニゴルフとランチ)

その他、「ワーナー ブラザーズ ムービー ワールド」の見学もあり、現地では持続可能な観光、販売とマーケティングなど、観光産業を構成する幅広い要素について学ぶ機会が得られます!
「語学+SDGs留学」参加(予定)学生インタビュー

学生プロフィール
鈴木 愛加さん(外国語学部 英米語学科3年)
静岡県立浜松湖南高等学校出身
語学+SDGs留学に参加しようと思ったきっかけ

ー「語学+SDGs留学」に参加しようと思ったきっかけは?

まず私自身がSDGsに興味があったというのが理由のひとつです。
私は2年次から「GLOBAL COMMONS 結 -YUI- 」※のRA(レジデントアシスタント)をしています。RAの活動の中で、SDGsに関するイベントを企画したことがありました。
※「GLOBAL COMMONS 結 -YUI- 」は外国人留学生と関西外大生が共同生活を送る教育施設。詳細については以下の記事をご参照ください。
「結」で生活を送る学生(レジデント)をサポートするのがRAで、鈴木さんはRAの一員として、イベントセクションを担当した。

「結」でイベントを行う際に、アカデミックな要素も盛り込まなければいけなくて、昨年(2022年)6月にSDGsに関するイベントを企画・開催したんですよ。
ー具体的に、どのような内容だったんですか。

フィールドワーク的に、「結」内の各所にSDGsに関するクイズを置いて、参加者にそれを答えていってもらうなかで、SDGsの取り組みや考えについて知ってもらうというイベントです。
ーどのようなクイズを出されたんですか。

「結」の清掃のスタッフの方から、「燃えるゴミと燃えないゴミの分別ができていない」という指摘があったので、ゴミのマグネットを作って、燃えるゴミと燃えないゴミの仕分けをしてもらうとか、「結」とSDGsを紐づけ、SDGsの考えを啓蒙できるような内容を考えました。
ーそうしたRAでの経験を踏まえ、さらにSDGsの学びを深めたいと今回の留学を志望されたわけですね。

はい。あとはデザイン思考とか批判的に物事を見る視点を養うということだったので、その点にも惹かれました。
デザイン思考や「批判的に物事を見る視点」を養う

ーデザイン思考や「批判的に物事を見る視点」などを意識されるようになったきっかけは?

「結」で留学生たちと共同生活を送ると、文化や生活習慣などの違いからちょっとしたトラブルが起こることがあります。その際に、固定概念に囚われない多様な視点から解決策を導き出す必要があると感じました。
また、イベントを企画する際には、自分の考えを疑う姿勢も必要だと思いますが、その点が出来ていないかなと…。
ー客観的な視点が少し足りていないと。

はい。主観に流されがちで、批判的思考が欠けていると感じています。
「語学+SDGs留学」では英語力とともに、批判的思考などを学ぶとのことで、今の自分より一回り成長できるんじゃないかなと興味をもちました。
ーなるほど。選考基準は苦労することなくクリアすることができましたか?

学内成績は問題なく、基準となるTOEFLも500点以上を取っていました。ただ、TOEFLは直近半年間のものでないといけないことを知らなくて、ギリギリのタイミングで受け直して、なんとかクリアすることができました(笑)。
語学+SDGs留学「体験授業」

留学の準備教育の一環として、7月に「語学+SDGs留学に向けたデザイン思考体験ワークショップ」が開催された。
外部講師をお招きし、留学プログラムに参加する学生たちが、
- SDGsの17の目標と特徴
- 持続可能な開発目標とターゲット
- 個人でできる取り組みについて
- 世界の若者による取り組み例
- デザイン思考の5つのステップ
- グループワーク(身近なことから、デザイン思考を体験)
などについて学んだ。
ーグループワークはどんなことをされたんですか?

「語学+SDGs留学」を直前に控えた自分たちがテーマで、楽しみにしていることや不安なことなどをいっぱい書き出して、解決すべき「不安なこと」を問題定義し、それをどのように解決するかをみんなで考え、発表するというものでした。
ーどのような「不安」を取り上げたんですか。

私たちのグループでは「ホームシック」を取り上げ、ホストファミリーをはじめとする人間関係や食事の問題などを取り上げました。

ー解決方法としては、どういったものを提案されたんですか?

Twitterみたいなチャットができるアプリを作成し、「ホームシックで不安なのって自分だけじゃない」ということを共有できるツールの開発を提案しました。
お互いに「大丈夫」と声をかけあったり、「こういうことがあったんだけど、どう?」みたいな、お互いに自分だけじゃないということを分かち合い、励まし合えるようなものをイメージしました。
ー講師の方の講評は?

「お、いいねー!」って(笑)。こういう問題は絶対的な正解がないので、その考えるプロセスが大事みたいな。
ーワークショップを受けてみての感想は?

私は完璧主義な方だから失敗とか嫌だし、「正解があるからそれに向かって頑張ろう」となっていましたが、世の中にはいろいろな考えがあって、「正解がないから、いいんだよ」って言われて、「あ、いいな」って素直に感じられました。
ー最後に、「語学+SDGS留学」の抱負をお願いします。

実は高校生のときに修学旅行を兼ねた短期留学でオーストラリアには行ってるんですけど、ご飯とかも美味しかったし、再訪を楽しみにしています。
語学力の向上はもちろん、デザイン思考をはじめさまざまな「考え方」に触れるなかで、自分の視野を大きく広げられたらと思います。
さいごに
昨今では海外への留学が「当たり前」になっていますが、関西外大では英語で専門分野を学ぶリベラルアーツ留学をはじめ、「語学」+αの留学プログラムの拡充に取り組んできました。
※留学プログラムの詳細については下記のページをご参照ください。

今回ご紹介した「語学+SDGs留学」では、英語にプラスして、
- SDGs
- 思考力
を学ぶ留学プログラムとなります。
これまでにない、新しいカタチの留学プログラムであり、在学生はもちろん、関西外大に入学して留学を考えている人は、ぜひご参考にしてください!
※ SDGs留学は以下のサイトでも紹介されました。
