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社会のすべては「人」が基本
アメリカ留学で学んだ心理学を生かして
グローバルな組織改革に挑む。

社会のすべては「人」が基本アメリカ留学で学んだ心理学を生かしてグローバルな組織改革に挑む。

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こんにちは、Take Action!編集部です。この記事では関西外大の卒業生で、現在、世界的なコンサルティング企業であるアクセンチュアで、グローバル企業の人事組織の改革に取り組む、平野駿介さんをご紹介します。中学の頃は「プロ野球選手をめざしていた」という平野さんですが、関西外大での学びをきっかけに人の心に関心を抱き、ダブル・ディグリー留学を通じて心理学を専門的に学んだことが、現在へとつながりました。本学で得られる学びと卒業後の進路の参考に、ぜひご一読ください。

アメリカで心理学を学ぶことを決意

 私は小学生の頃から野球をするのが大好きで、高校は野球推薦で入学しました。本気で甲子園をめざしている高校の部活動だったので、勉強とはほぼ無縁の、野球漬けの毎日でした。転機となったのは、高校3年生のときに見たテレビ番組で紹介された、海外の文化に興味を持ったことです。

 関西外大を志望したのも、その番組を見て「海外に留学してみたい」と考えるようになり、外大の留学サポートが手厚いことを知ったのが理由でした。それまでは英語も不得意科目でしたが、3年の夏の部活引退後、1日18時間ほど集中して勉強を続け、公募制推薦入試で関西外大の英米語学科に合格することができました。

 しかし入学してみると、数カ月しか勉強していない自分と、帰国子女もたくさんいるクラスメートの間には、圧倒的な英語力の差がありました。「このままでは関西外大に入った意味がない」と感じて、寝ている時以外の時間は、ほぼすべてを英語学修に充てることにしました。

 心理学に興味を抱いたのは、このときの勉強がきっかけです。当時、毎日10数時間も机に向かううちにメンタルが少し不安定になったときがあったのですが、そんな僕に気づいた親しい友人が勉強の悩みを聞いてくれ、気持ちがすっと楽になりました。

 「自分自身の状況は何も変わっていないのに、友だちと話をするだけで心の状態が良くなったのはなぜだろう」。そう疑問に思い、心について学びたいと思うようになったのです。関西外大では、「英語で専門分野について学ぶ」ことに力を入れています。私は留学先で心理学を学ぼうと決めました。

 調べてみると、心理学の研究ではアメリカの大学が世界最先端とわかり、関西外大の留学プログラムの中でも難易度の高いダブル・ディグリー留学へ挑戦することにしました。留学の選考試験に合格するために、また必死に勉強を続けました。自分以外にもダブル・ディグリー留学をめざす人は多く、選考も厳しいことで知られていますが、真剣に野球に取り組んだ経験が、挑戦する努力を支えてくれたと感じます。

必死で勉強した2年間の留学

 そうした努力が実って大学3年生の夏からアメリカ・オハイオ州にあるマイアミ大学へ2年間、留学することが決まり、心理学を専攻することになりました。ダブル・ディグリー留学は、語学留学とは違い、現地の大学で「編入学生」という扱いになります。つまり、現地の学生と留学生である自分との間に対応の差はなく、同じ内容の授業を受けることになります。

 当然、教室にいる学生は自分以外、ほとんどがアメリカ人です。教授が授業で話す英語も、留学生向けにゆっくり発音してくれるわけではありません。そのため最初のうちは、スピードの速い英語の授業についていくのに必死でした。毎週何本も課せられるレポートも、文法や単語にちょっとでもミスがあると容赦なく減点されるので、細心の注意を払って書きました。また毎回の授業を録音し、家に帰ってから理解できるまで何度も聞き直しました。そんな日々を送るうちに、いつの間にか教授やクラスメートの英語が、日本語を聞いたときと同じような感覚で理解できるようになっていきました。

 私は関西外大で心理学の授業を取っていなかったので、留学先で心理学の学位を取得するためには、2年間で通常の4年分の単位を取る必要がありました。そのため非常に密度の濃い学修をすることになりました。私が専門として学んだのは、心理学のなかでも「社会心理学」と呼ばれる分野です。

 社会心理学は、社会の環境が個人に与える影響や、その逆に個人が組織に与える影響をさまざまな側面から考える学問です。例えば「暗い場所ではなぜ犯罪が起きやすいのか」や、「人が組織の中でモチベーション高く行動するのはどういうときか」「どんな組織であれば健全な状態といえるか」といったテーマが研究の対象で、人の心の動きと社会の関係について深く学ぶことができました。

「人の心のサポート」が仕事のテーマに

 私はその頃から卒業後は、人の心をサポートすることで、組織を良くするような仕事に就きたいと考えるようになりました。そう決めたのは、「社会的な物事のすべては、人のためにできている。人を支援することが、すべての物事の本質的な改善につながるのではないか」と思ったからです。

 2年間にわたる留学を終えて、私は関西外大の学位とともに、留学先大学の学位も取得することができました。5月にマイアミ大学を卒業した後は、日本に戻らず、日系の人材紹介企業のアメリカオフィスに就職しました。その会社で3年半働いた後、いま勤務しているコンサルティング会社のアクセンチュアに転職しました。人材紹介とコンサルティングという違いはありますが、私にとって共通するのは「心理学を生かして人を応援する仕事をしたい」という思いです。

 いまの業務の内容は、クライアントのグローバル企業が抱える「多国籍社員のマインドを一つにしたい」といった要望を実現するために、コミュニケーション戦略を提案し、戦略の実施から検証、改善までをサポートすることです。人材紹介は提供できるソリューションが限られますが、アクセンチュアでは課題解決のために、強みであるITサービスなど、さまざまな手法を提案できることにやりがいを感じています。現在は東京オフィスに勤務していますが、その前のプロジェクトではニューヨークオフィスで働いていました。

 多国籍企業であるクライアントとのやり取りも、同僚とのコミュニケーションも、9割以上は英語を使っています。イギリス人やアメリカ人など英語を母語とする国の人より、インドやフィリピン、オランダ、ドイツなど、英語を母語としない人と英語を用いて会話する機会が多くあります。今の仕事を任されたのも、さまざまな国の人と英語で問題なくコミュニケーションできる力が評価されたからだと思います。

国際感覚を身に付けることの重要性

 そうした日常で感じるのは、「英語ができることと、国際感覚が身に付いていることは、全く違う」ということです。英語ができて、相手の言いたいことの大枠が把握できたとしても、お互いがお互いの主張を本当の意味で理解し合えているかというと、そうではないケースはよくあります。

 例えば同僚のインド人のスタッフに「1週間後のプレゼンのための資料を作って」とお願いしても、こちらが期待している内容のものが仕上がってくるとは限りません。日本人同士なら「あうんの呼吸」「空気を読み合う」ことで通じるのかもしれませんが、それまで生きてきた背景や文化が違う外国の人には通じません。彼らと一緒により良い仕事をしていくには、「なぜその業務が必要なのか」「どういうアウトプットが求められているのか」を説明しなければなりません。外資系企業で働くなかで、グローバルに仕事をするときに一番大切なのは、そういった認識の齟齬(そご)をなくすことであると、実感するようになりました。

 日本では電車が駅に1分も遅れることなく到着するのが当たり前です。しかし、そんな国は世界の中でほかにありません。仕事においても同様で、日本人の常識と世界との「ずれ」を把握することがとても大切です。日本人の几帳面さや正確さは長所でもありますが、外国の人からすると「細かすぎて仕事がやりにくい」とマイナスに思われるケースもあります。

語学は通過点であり目標はその先に

 そうした国際感覚の基礎を育む上で、関西外大で学んだこととマイアミ大学への留学が、とても役立っていると思います。留学生と日常的に触れ合う経験を積んだことで、海外の人とのコミュニケーションに慣れることができました。また生きてきた環境や文化的背景が異なる人と、目標を共有し望んだ成果を上げるには、相手を深く理解しリスペクトする必要があります。そうした感覚を関西外大で体得できました。

 心理学を本格的に学んで得た知識は、同僚やクライアントの人々と協力しながら、モチベーション高く目標に向かって仕事を進めていく土台となっています。関西外大のすばらしいところは、「語学は通過点であり、その先の学びに目標をおく」ことを徹底していることです。関西外大では、自分にとっての心理学のように、世界で一番研究が進んでいる国で専門的な学びができます。また海外留学中の住居費や食費など、経済的なサポートも非常に手厚く、将来「世界で活躍したい」と思う人には最高の環境が整っています。人事組織のグローバルな変革を手掛ける今の仕事の土台を、関西外大が作ってくれました。

※本記事は「大学案内2024」を元に再構成したものです。資料請求はこちら
※記事の内容は取材時点(2023年3月)のものであり、最新の情報とは異なる場合があります